で、夕方のニュースは給付型奨学金の話題だった。

 大学生が奨学金を借りることによって発生させた借金に苦しめられる構造は、晩婚化によって大学生を支える親世代がそもそも負担能力がないことによるとか言ってた。うーん、そういう構造はあってもガキをこさえた段階で想定しておくべき問題だから、それで学費が足りないってのは学費の積み立て不足、もしくは後先考えないで無駄遣いしてきたから子供が大学に入る段になって困るのでは?とは思う。
 しかし、そういうのが問題なのではなくって、結局大学までの教育費が高騰して、しかも大学の学費が高すぎるというのが問題なのであって、そのへんに切れ込んだ論が聞けなかったのは残念。給付型奨学金はおそらく貧困化した家庭を救うということにしか目が向いておらず、それは下流での非常な不公正を生む。
 そもそも政官財はバブル期で一時的にカネを持った庶民からどうやって搾り取るかに腐心していた。自分が学齢期の頃からいろいろ思うところがあった推移は、例えば初代ファミコンや携帯端末(その前段階としてのポケベル)などが挙げられるが、そもそも子供というのは無駄遣いをする存在であって、親はその子供のためなら親自体は節約体質であっても子供のために散在するという性質があるというのが滑稽だった。他人が持っているからファミコンを買い与える、携帯端末を買い与える、そしてそれで支出は終わるわけではなく、ファミコンのソフト(カセット)や通話料金で毟り取る構造が完成した。ゲーム産業は衰退基調ではあるが、携帯端末についてはついに日常化させることに成功した。つまり、バブル期においては既に親世代になっている層は倹約気質であるが、その時期に子供であった層は浪費気質ということになる。そのギャップを利用して政官財がやったことは子供を媒介にして親世代から搾取すること。そういう構造が、例えば子供は塾にやらなくては学力がつかないだの、部活動で支出が増えるだの、本来無料で何とかなったはずの学校教育が無力化され、教育に関しての家計支出が増えるように誘導され*1ていく。大学も受益者負担の理念からどんどん学費が上げられていく。私学との差があるからという、社会的には何の根拠もない理由で国公立大学の学費がうなぎのぼりに高騰し、私学には税金から助成金が流されるというトンデモ政策が実施されていく。それによって資金に余裕ができ、発言力を増した私学関係者*2がワイロや利益誘導を盛んに行って、政治に口を出してさらに教育にカネがゝゝる構造に仕立て上げていく。親は子供のためを思って不当に高い支出を強要されても疑問を抱かない。世の中をつぶさに観察していれば当たり前であるように分かる事柄が、政官財による搾取の結果低賃金労働者になってしまえば、日々の糧を得ることに頭が一杯になってしまい、そいつらがどんな悪巧みを行っているのかまで意識をめぐらせることができないというそういう構造までセットなわけだが、まぁホント自民盗による分断化政策にうまく嵌りこんでいるという感じだねぇ。
 この特集で精神疾患も増えているという話だった。いちおうこの5〜6年で自殺者数は減り、昔は三万人超えが当たり前だったのが今は二万五千ぐらいで推移している*3らしい。では精神疾患の数はどのくらいかと調べてみると、大体三百万人ほどで推移している…資料が多くてそうなのかなと思ってもう一押ししたら、割と最近の資料見つかってアベ政権になって激増したらしい。これ、数年後には自殺者がまた激増するパターンだと思うのだが、その頃にはアベは政権にいなくてほっかむりをする可能性が非常に高い。今のうちに断言しておくが、今アベ政権が自殺予備軍として精神疾患を激増させている可能性が高いから、数年後に自殺者が激増することがあったらそれは十中八九アベ政権のせい。
 今起こっていることは、かつて中流と呼ばれた層ですら下流に叩き落してさらなる搾取を強めている段階。だから、今、卒業後に多額な借金を背負わされる層に給付型奨学金を与えるというのでは不十分。今、ギリギリだとかちょっとした余裕で学費をなんとか捻出できている層が、さらに貧困化するから今のうちに全員が余裕を持って高等教育が受けられるような負担に軽減すべき。だからこそ自分は国公立大学の学費を無料とは言わないまでも大幅に引き下げろと言ってる。国公立大学の学費が下がれば、カネ持ちサークルの慶応や早稲田はともかく、貧乏人相手の私学も学費を下げざるを得ない。受益者負担というのであれば、今や大卒であってもまともな就職先はないわけで、大学でやってる教育も思考能力を鍛え上げているってんじゃなくて、就職予備校と化してるんだから、今の高い学費でまともな就職先が得られないってこと一つとっても、受益者負担といわれていること自体に疑問を差し挟まなくてはならない。

*1:そういう構造に誘導、強化したのがいわゆるんHK言うところのD社

*2:諮問機関に慶応早稲田関係者ばかりがいる現状を見よ

*3:いちおう死因のうち、その他に分類されている割合が相変わらず多いから、本来自殺に分類されるべきものも無理矢理そっちに分類されて数字が操作されている可能性は高い