GOH#12
祭りは盛況にの巻。しかし唐突に合衆国が核ミサイルとかぶっとんでるな。まだ韓国内の騒動で収まっており、被害が全世界に及ぶ…という説明が全くなされてないわけで、これはフツーに考えたら内政干渉してるってことになる。朝鮮動乱で戦況を読み間違ったマッカーサーが核兵器の使用を求めた故事にならってるのだろう。なんのかんのいって韓国人の潜在意識では仮想敵は中国でも北朝鮮でもなく、合衆国なんだろうなとニヤニヤして視聴してたわけだが、逆に楽しみどころはそのへんぐらいにしかないという。
まぁいろいろごった煮的なのはジャパニメーションも同じなのでそんへんの統一感のなさはスルーできるんだが、こう敵方が召喚したのが神という設定なのに、出てきたのは仏像の形をしてたのはちょっといただけない。仏ももとを辿ればインドの神々にまでいきつくのだとしても、インドで仏教が創始され、それが各国に伝播して定着した後の文化をもってきてるのだから、そのへんはもうちょっとなぁ。仏像が割れて中から出てきた荒々しい形相のものが神だとは思うんだけど雑すぎる。
アクションシーンは相変わらずキレがあって見ごたえはあるんだけど、そのへんのシナリオがグダグダなんで、動画の神通力もマンネリ化してきたような感があった。GOHを中止にしてまで、これだけ騒動を大きくしたらもう話を続ける余地はなくって、なんらかの形で物語を閉じる展開しか思いつかないが、そうなるとホント高校生であることも格闘技大会であることもあんまり必要なかったんじゃね?という気がしてる。やっぱ巨悪を意識してたんなら、最初っから巨悪との対置構造を描いたほうが良かったんじゃね?とは思うが、最初の段階より日常とかけ離れた物言いをしたところで相手にされないだろうし、かといって本作の描いた高校生がそんなに日常を意識した作りだったか?と言われると、どうにも他所から借りてきましたって印象が強くて個人的にはしっくり来なかったというか。まぁ自分がジャパニメーションのあり方に慣れすぎてるってのもあるとは思うんだが。
異常生物見聞録#1~#11
これも一気見。残りは最終回のみという。大陸中国の原産。最初新宿の、にいじゅくしんじゅく読み間違いだとか八王子などの地名が出てたから日本のこと*1なのかなと思っていたのだが、町並みの様子とか店先の看板がどう考えても大陸中国のもの。とはいえ、別にこの作品の舞台が日本だろうと大陸だろうと特に問題が生じるわけでもないからどうでもよいことである。
しかしなんとも不思議な作品で、公式によるとSFギャグファンタジーという触れ込み。たしかに宇宙船だの人狼吸血鬼だからSFでもファンタジーでもあり、全体的なテイストは、どんなシリアスシーンでも必ずギャグを突っ込んでくるからその通り。異種族が同じ屋根の下仲良く暮らすから、異なる者同士の相互理解モノかと思えば、まぁそれはそうなんだろうけど、基本キャラたちがドタバタ騒いでるだけ。物語上のミッションがあるのか無いのかよくわからん感じではある。
あと、キャラデザも造形もヒロインズは萌えキャラなんだけど、ラブコメ要素がほぼ見当たらない。そのへんは’80年代のナンセンスもの、例えばうる星やつらあたりに雰囲気が似てる。しかしギャグのセンスに違和感がありまくり。日本のコメディアニメに見られるようなお約束もそれなりに見かけはするのだが、オチにもっていくのにこう腹にストンと落ちる感じがしない。どうにも間が抜けてる感じだが、そのへんは中国のドラマなんかでも唐突に番組が終わったりするから、それ知ってるとこれはあちらの流儀なのねということがわかるのだが、とにかく余韻を置かずに次々に展開が進んでいくのでせわしない。とにかく満を持してオチを持ってきてそこで笑いのタイミングをとるってことをしないし、一つ一つのギャグが軽いから散漫な感じはする。昔、漫才は欧米にはない文化と聞いたことがあり、逆にジャパニメーションのギャグセンスは、漫才やお笑いコントを積極的に取り入れた結果なんだろうなとふと思いついた次第。ただ、上記ラブコメ要素がないから、ギャグはギャグで、下心に惑わされることなく純粋に子供のように楽しめるはなんか清々しい。
評価はむずかしい。こう自分がジャパニメーションに感じてる面白さとかメッセージ性はあんまりないのだが、だからといってつまらないと感じることなく、そう、楽しいといったら近い感覚かな。ジャパニメーションだとそこそこ出来の良い作品でも一気見したら結構疲れて消化試合風味になるんだが、この作品の場合、不思議なことにそういう倦怠感が全くといってよいほどない。作品に漂う文化の違いに物珍しさを感じているって要素も大きいだろうが、それだけだとあまり長続きしないから、この作品ならではの面白さがあるんだろうが、いかんせん自分がそれがなにかに気付けないという。
ちなみに監督や音楽担当ぐらいしか日本人はおらず、ほとんどが向こうの人でスタッフが構成されてる。でも冒頭に述べたとおり新宿八王子の件あたり、もしかすると原作を翻訳する段階で日本の地名に置き換えただけかもしれないが、中国スタッフがある程度ジャパニメーションリスペクトで日本の要素を持ってきてるのかもなと思ったりしてる。ジャパニメーションのクォリティが維持されてそれプラスアルファで中国独自の要素が散りばめられてると思ったら期待はずれになると思うが、最初っからクォリティに期待しないで視聴するとそれなりに得られるものがあると思う。動画のクォリティは大理寺日志と比べたら全然敵わないが、大理寺のほうは字幕があってもやはりなかなか内容が理解し難いから自分も第1話しか視聴してない。
主人公が最初就職に苦労してるって設定だったから、大陸でも日本と同じように就職難なのかなとふと思ったりしたのだが、基本的にあまり社会問題を掘り下げるって要素は少なめに感じた。日本だと割と政治批判や社会批判をぶっこんでくる*2からそういうテイスト薄めで、屈託のない作品を視聴するのも気分が軽くなってよいのかも。