Steins;Gate 第7話

 痛い人たちが全員集合しての問題提起。
 いやぁ、実はこの作品を視聴する直前は結構抵抗感があったりするんだけど、見てからいろいろ考えさせられることが多い。今回のキモは主人公以外はタイムパラドックスにおける、改変前の記憶をたゞ1人が保持して、かつ主人公がその事象自身に疑問を抱いているってことのようだ。今までのゲルバナ実験とかは、周囲のラボメムも記憶があったわけで、今回の宝クジ騒動に関してなぜ主人公1人だけに記憶があるのか?は自分も思っていたが、もう一歩踏み出して、主人公自身が「なぜ自分だけに記憶が」という流れになるとは思ってもいなかった。というか、今までのタイムマシンものって、あまりそこに力点を置く作品が無かった(極端に少ないってことだろうが)だろ?。
 しかしなんだろうな?。過去を改変することによって世界線が変わるとかっていう言い分は、素で聞くと確かにタイムマシンものではあるんだが、いや主張自体はなんか違うと思うんだよね。人間って、それまでの生き方習慣から、なかなか自分の有り方その他を変えるってことが難しくて、何度も同じ事の繰り返しをしているもんなんだよね。それが良い習慣だったらいゝんだが、そうでない人もいて、何度も周囲に迷惑をかける人もいるわけだ。おかりんは、他人にこそ迷惑をかけていないものゝ、バカではないがなんかかなりちょっとズれていて、今まで同じ失敗を繰り返してきた人間のようにも思う。未来ガジェット研究所をカツカツではあれなんとか運営できているのは才覚だとは思うんだけど、大企業に就職して将来が安泰な人生を送っているわけでもないだろ。
 だから、この過去改変ってのは本当に過去を書き換えて現在に影響を及ぼすってものではなくって、今までの自分のありかたを変えて、将来を変えるってものなんだと思ってしまう。我々は今、自覚することが少ないが、いちおうたくさんの選択肢があるわけだ。それを日常の習慣から今の自分に一番ストレスの無いやり方を無自覚に選択し続けているだけであって、それを何の変化も無い日常だとか、自分には選択肢が与えられてないとかぼやくってだけの話だ。まぁ実際夢のような選択肢があったとして、実際にそれを選択できたり、選択したとして実現が到底不可能だったりはするものではある。が、過去を変えて現在のあり方が変わるんなら、今変わって将来に変化を及ぼす事だってできるんじゃない?という主張になっているんじゃないかなと思うのである。
 まぁおかりんが宝クジを自分で買うんじゃなくて他人に買わせたりするところなど、くすっとさせることなんかもスパイスとしてあって、相変わらずオタク的言動は萎えさせるところはあるんだけど、退屈しないような仕掛けはふんだんにあったな。いや、この作品自体オタクの皆さんに「今からでも遅くないから自分を変えなさい」って主張をしているとは思うんだが。