ひぐなく業#9

 沙都子編開始。なるほど、いちおうこれもご多分に漏れず形の上ではヒロイン攻略になってるのか。なんか自然に圭一が詩音を見知ってるってことになってるが、どのへんまで巻き戻してやり直しをやってるんだろう…というか、別にループものでもないんだろうなぁと。同じ舞台とキャラを使って別のエピソードを多方面的に描いてみせるとかそんなのだろう。問題があるというわけでもないのだが、そうだとはっきりわかるまではやはり違和感はある。
 しかし、ダム建設は今の所どの立場でも悪って立ち位置なんだな。まぁ利権云々は別にしても、元から住んでる住民から生活基盤を根こそぎ人為的に取り除いて、カネで解決するわけだから、ワルとは言わないまでもあくどいことには変わりないんだから当然といえば当然。下流の人間のために上流の人間は犠牲になれって話なので。そう考えてみると、首都圏が地方を搾取するという日本の構造は、局地的にはこういう歪な形が特に過疎地とそれ以外でも全国的に展開されてきたってことなんだろう。日本各地で災害が起こり、そのたびに言われてることに「昔からその地は災害が多くて誰も住まない土地だったのに」経済優先で無理やり住宅地にして、天災が起こると案の定人死にが出る…というのがあるが、昔は河口付近は氾濫地であり、大規模灌漑でもしなければ農業も出来なかったわけで、千年以上の日本の歴史からすると、確かに平地に人が住むようになったのはたかだかここ200年ぐらいの話ではあるんだよな。もともと安全でもなかった土地に勝手に住んで、欲得づくの行動で人を大量におびき寄せ、その地を安全にするためにカネの力で上流の人間に犠牲を迫る。土建屋はその地に住まう人々の生活を壊すことでカネ儲けするわけで、冷静に考えてみても確かに悪行そのものではある。

あだしま#8

 バレンタイン前の各キャラの心模様。なんか甘ったる世界で何が目的なのかよく見えてこないんだけど、不思議に退屈しない。出番があまりなかったやしろが露出してきて、忘れられる前に顔見せかとおもわなくもないんだけど、出してくるからにはそこに意味があるはずなので、おそらく何らかの伏線だろう。しまむらの幼馴染という擾乱要因をもってきてるが、あと残り終盤どういう方向性に持っていくのか。

魔女旅#9

 不幸に遭った友人を過去にさかのぼって助けたいという魔法使いの依頼に、イレイナが同行する話。タイムトラベルの時間が一時間だけという説明から、あーおそらく依頼者の望む形ではないのだろうがなんとか助けられてメデタシかと思ってたら…。過去に遡って改変しても、改変者の歴史は何ら変化ないが、改変することによって別の世界線が生じるという設定と、その世界線と自分の世界線が交わらなくても自己満足で結構ってのはいかにも現代的だなとは思ったのだが、いろいろ思いが噛み合わない結末にちょっともやもやしてしまった。一番のポイントは、依頼者の魔法使いが親友だと思っていた相手は、別にその魔法使いのことを友人だとも思っていなかったから、魔法使いは単に思い込みが激しかっただけという。
 人の情念の不条理さとも違うんだけど、そういうどうしようもなさとか、今回それがメインだったとも思われないのだが、魔法(というか便利な技術や仕組み)がどう使われるべきかに触れられてる気がして、今回のシリアス方面でのはじけっぷりにちょっと驚いてしまった。ラストも、色々あったけどそれもいい経験になりましたみたいな落ち着き方でなくって、二人の魔法使いが両方とも自分を見失って錯乱してるのも、イケナイ領域に踏み入って手痛いしっぺ返しを受けてしまった感があってなかなか趣深かった。

トニカワ#9

 今まで住んでたところが火事になり、風呂屋の知人の離れに仮住まいさせてもらう話。もともと持ってるものが少ないし、リスク管理が万全でほぼノーダメージ。本当に必要なものしか持ってないからできる芸当だろうねぇ。自分物持ちが良いというか、趣味のガラクタが多いので見習いたい。いっそのこと全部捨てて身軽になりたいと思うこともあるんだけど、ホント思うだけ。物欲なかなか去りがたし。嫁が褒めてたけど、あれだけの準備が整ってたら実際問題だれでも取り乱さないとは思う。その準備こそが誰でもできることではないんだけど。
 あとは新婚家庭の定番ネタ。色んな作品で見尽くしてるはずなんだけど、不思議に退屈しない。昔は新婚ネタと言えば新婚家庭そのものを扱ったものでなくてもそこそこあったと思うんだが、最近だと空から女の子が落ちてくる萌えアニメだとかメイドものあたりで擬似的にこういうシーンは描写されるのだが、直球で扱ったものは滅亡に近いものがあった。そういう物珍しさから退屈しないのか、ネタそのものが退屈させないものなのか、それともこの作品の見せ方が秀逸だからなのかよくわからん。
 しかし主人公、局部を隠さずに両手で胸を覆ってるのは何の冗談なのか。これも昔のヌードポスター(ただし局部は同じように見切れてるか隠されてた)のあり方そのもので、なんとなく懐かしかったり。

俺100#9

 届け物ミッションクリアの巻。箱の中身はキャラの言動から大概予想はつくんだけど、しかしそれが選択肢なのかどうかは微妙な感じではあった。前回Lvが下がる描写があってペナルティを課されてたのだけども、正直捕縛して引き渡すことが出来たのかどうかを考えると難しいところ。カハベルの恨みを晴らすことを優先させなければできたのかもなとは思う。まぁなんといっても、何が正解かわからないから、残しておける選択肢はできるだけ捨てないように…というか選択肢を積極的に見つけていくってテーマは十分伝わるから、エピソードとしては堪能したというか。探索条件の方はやったことにして次からは新展開にするのかねぇ。中立であるはずの勇者が敵対したときの対策云々のシーンがあったから、やはり次回も話の続きをやるんだろうなとは思うが。
 カハベルの告白が感謝というのも個人的にはまだまだ確定しがたいものがある。感謝自体なら魔法使いが居てもできるはずだし、頬を赤らめる描写も必要ない。ただ、主に視聴者に対して思わせぶりなフリをさせてたという可能性もあるんで、そのへんはなんとも。殺されても条件さえ整っていればいくらでも生き返る勇者とは、住む世界どころか生きてる世界が違うからカハベルは躊躇したと自分は考えたのだが、その予想が当たろうと外れようと、こうなんというか、パーティーの間で流れるこういう雰囲気だけでも十分満足。

キンスレ#9

 旅を急ぐ一行はアンデッドだらけの村で襲われるが、たった一人の生き残りを見つけたその人は前回の少女エリーゼの父親だったという話。エピソード自体はそんなに珍しいものではないんだけど、やたら丁寧に作られていて見応え充分だった。おそらく父親はエリーゼも死んだと思っていたはずで、彼がすがるしかなかったのもわかるし、娘が生きていると知ってそう簡単に気持ちを切り替えることもできないのはひしひしと伝わってくるので、ちょっと今までの生ぬるいエピソードとは一線を画するって感じ。自分の手でと決断を迫り、できないなら自分がというロイに思わずお前は鬼か!とツッコみたくなるほど切れ込んでた。
 アンデッドが現代日本での何のメタファーか?というのを考えると、正直これが単なるお涙頂戴ではなくて、かなり考えさせる内容になっているように思えて、なかなか深いものが仕組まれてると思ってしまった。

呪術廻戦#9

 まだぼくのかんがえた呪術ワールドの紹介が抜けきらないんだけど、ようやく心の闇が事件を起こしていくというトラブルシュートに移行してきて嬉しい限り。ただ、周囲のキャラクターに主人公強い、潜在能力あると言わせて読者の期待を煽るのはちょっとウザかったり。元々がテキストメディアだったら、言語化しないとわかりづらいってのは理解できるんだが、原作は漫画という視覚メディアだろ?。本来なら主人公の行動で示せるもんならそうしてるだろうが、おそらく丁寧に説明しないと理解できない層への対策なんだろうとは思う。原作者というより編集の指示なんだろうけど、売れてるときには長期連載化に貢献できるからよいにしても、読者・視聴者にとっては、このもたつきがテンポ感を失わせるし、無駄に話が長引いて緊張感も失わせる危険性はある。ターゲット層を広くとらねばならない売れ筋少年誌の宿命かねぇ。

アサルトリリィ#8

 運動会らしきものと、遺伝子解析の結果から結梨の正体が…の巻。前回同様自治組織であるのをベースに、アジールとして結梨を引き受ける条件あたりの提示、結構剣呑なものがあった。結梨とメカの対戦エキシビションでも、周囲からの支援セリフとか胸熱。リリィとしては未熟なのだとしても一人前扱いなんだよな。結梨も果敢に挑戦してるし、その結梨を仲間として扱う様子とかねぇ。
 ちょっと油断してた。ドラマとしての出来云々より、やっぱ象徴とか叙事詩的な物の見方をしなきゃなんだと痛感した。先行作品がアニメでもなくゲームでもなく、舞台演劇というのにもうちょっと留意すべきだった。演劇にリアリティや理屈を誰も求めてないのであって、別にこのアニメが演劇をベースに作られてるってわけでもなさそうだが、でも確かに演劇的要素は濃厚。メインキャラは舞台もアニメの声あても両方やっていて、当然演劇での手応えがフィードバックされてるはず。
 アクションシーンをスロー再生してみたら枚数は少ないんだけど、迫力は保たれてるしそのへんどこに手を入れるべきなのか要所要所を押さえてるのはさすがというか。