ブルバスター#10

 研修生はスパイではなかったし、メインキャラ全員頭に血が昇って親会社と対立することを決める話。10年ぐらい前だったら自分もこの展開に高揚してたかもしれないんだけど、なんつーか、もうフィクションというよりファンタジーになってるなという印象。大企業が汚職政府とつながってないハズ無いし、従業員五人程度の中小どころか零細企業に何ができるとも思わないから今更感が半端なかった。日本最大の国策を利用した人災である盗電メルトダウンでも結局企業は実質的なダメージを負うこともなかったし、社員はおろか経営層の誰も罪に問われることはなかった。メルトダウンの直接の原因となった、わざと安全対策をやめさせる決定をしたアベは最後まで責任を追及されることもなかったわけだよ。しかも今の経団連の会長は化学企業のトップだし、現代日本批判にはなっても主張が上滑りしてる感じはちょっと否めなかったな。
 あと、個人的に違和感があったのがメインキャラ達の個人的な主義主張が強すぎる…というか、社員のだれもがそんなに島や島の住人に愛着があるように見えないのに、そんなにその島のトラブルを解決するのに血道を上げているのが不自然というか。桃髪ヒロインが元住人なんだけど、今のところもう一度島で暮らしたいみたいな愛着があるようにも見えなくて、女にしては珍しく筋を通す生き方というか、正義に殉ずるというのも個人的には迫るものがあんまりなくて困った。
 なんつーか、原発メルトダウンではないけど、やっぱり思い起こすのは東北大震災でのボランティアの移住マターで、ボランティアを通じて外部の人間がなんらかの愛着を感じて移住を決めたりしてた実例を聞いたりすると、この作品のメインキャラとは違う感覚のように思ってしまう。被災者も、元々が過疎化してた地域なのであって移住をしてくれるのは嬉しいだろうし、実際にボランティアとして復興を直接支援してくれるからありがたい存在だとは思っているのはともかく、それなりに愛着を感じてくれてるのだろうけど、やはり基本ヨソモノが自分自身の自己実現ややりがいで移住を決めてることに不気味さを感じていると思うのだが、主人公達の地域に対する思いというのはその域にも達してないわけでしょ。で、自分がそう感じたのを裏付けるように次号予告では親会社に歯向かうメインキャラを糾弾する張り紙をチラ見せしてきたわけで…。ただ、研修生の件をミスリードしてきたから、あのチラ見せもなんらかのミスリードである可能性は高いんだよな。
 まぁ個人的な経験からすると社会正義を貫き通すのを安直に描きすぎやなーとは思うんだけど、ただ、この作品で一番ファンタジーなのはメインキャラ達の存在だけなんで、彼らが単なる補助線だと考えると割と社会構造はそこそこ描けているとも思うんで、プロジェクトXのようなおためごかし番組よりよっぽど人畜無害かもなーと思ったというそんな今日この頃。

イケナイ教#10

 ヒロインの妹攻略編続き。ヒロイン妹の学園内での立ち位置が絶妙なので退屈はしないけど、正直これでヒロインの立場が劇的によくなる未来があんまり見えないので視聴にそんなには気が入らなかった。どちらかというとヒロインの成長に焦点を当ててる感じ?。そりゃ極度のストレス化ではどんな教育も実を結ばないってのはそうなんだけど、このアニメ版にどういったメッセージ性を持たせてるのかその意図が見えないねぇ。

影の実力者2#10

 縦ロール王女に主人公が会いに行って真意を確かめる話。七陰に次ぐ存在として将来を期待されてるものとして、縦ロールとピンク髪が対比されてるのはまぁわかるんだけど、ピンク髪の方が主人公の組織と真っ向対立してるディアボロス教団の聖女様だった…という情報は視聴者に提示されてた方がいいんじゃね?と思ったとかそんなの。自分は動画サイトでネトゲのカゲマスシナリオを目にしてたからそういう背景を知っているけど、その情報がないと、ピンク髪は敵からの裏切り者なので、周囲がどう思ってようと彼女自身がそう思われたくなくて自分に鞭打ってでも信用を得る必要があると考えているように思えてしまうこと、縦ロールは第1期にさんざん出番があったから主人公にえこひいきとでも思われる厚情を示してもらってるとピンク髪は思っていてもおかしくなくて、嫉妬でもいうべき焦燥感をピンク髪が持っていてもおかしくないからあれだけつっかかってる…みたいな予想ができないんじゃないですかね…。
 今回は主人公も事態の推移をかなり把握しての行動のように見えてしまうし、だから久しぶりのシリアスストーリーとして楽しめたんだけど、どうせ解決のときは全部ちゃぶ台返しで勘違いだのすれ違いで済ませてしまうんだろーねー。

ウマ娘3#10

 主人公が周囲が目標にしてるということに感化されて海外を目指す決心をするが…の巻。自分が本気でそう思ってないのに、周囲が目標にしてキラキラしてるから、自分もそれを目標にしてみました…という自分の無さがレース結果にも表れてしまいました…という話だったんだなと、一通り見終わったらそうわかるんだけど、見てる最中は何がやりたいだろう?と真意を測りかねてたからもう少しで寝オチするところだった。シナリオの出来が悪いのかもしれないけど、最初っから主人公の覚悟がはっきりしない話ということを前面に押し出してないのはそういう意図があったのだと思ってしまうけど、人間外側からは内面を測りかねるという意味ではリアリティがあっても物語としてのパワーはどうしても弱くなってしまうな。まぁレースで思ったように足が回らないという演出はよかったけど、絵面が良くてもなー。