俺自販機#12

 主人公がヒロインからご褒美のチューを貰って、「オレ達の戦いはまだまだこれからだ」END。うーん、前回予想してたように自動「販売」機というテーマから微妙にズレてたのもあるけど、心臓マッサージをし始めた時点で興醒め。階層(ダンジョン)ボスより強い敵が出てきて、それよりさらに強い敵がいるということらしいのだが、パーティーが壊滅したのに再戦を誓うとか、願いをかなえるための条件でもないのにアホかと思った。まぁダラダラ物語を続けるには強敵を出し続けるしかないし、似たような強敵だとダレるので敵の強さをインフレさせていく、まぁジャンプ系にありがちなフォーマット。これだと瀕死の重傷を負ってもまた主人公に頼ればいいやみたいな、ドラえもんの便利道具に依存するダメなヤツやし、これだとさすがに続編があったとしてもこれ以上視聴する価値はないやみたいなのをわざわざ示してくれてありがとうみたいな感じ。なので、原作がどうなっていくのとか関係なくアニメでこのタイミングで終わったのは正しい判断だったとさすがに思う。
 結局個人的に面白かったのは限られたコミュニケーション手段でなんとか意思伝達を成功させた序盤の数話だけで、あとは便利な機能で無双するダメななろうの典型だった。個人的にはコミュニケーションにもうちょっとリソースを割り振ってテキストを練って欲しかったけど、バランスを間違えると辛気臭いストーリーになるし、変わった切り口を示して一発当てたというだけで、原作者にとっては望外のヒットだったと思われるのでそれはそれでいいんじゃないでしょーか。

白聖女#11

 過去話。白主人公が聖女である所以の話と彼女が森で一人暮らしをしてた時期の話だった。個人的にはどうしても橋の一つで街が壊滅するという点が引っかかって仕方がないのだけども、テキストベースでは何の問題もないので絵の問題と言える。ヘンな話、聖女の言うことを誰も信用しないが、それでも増水の様子から教会に避難して、橋を取り壊さなかったことで街は壊滅し、聖女の大雨で被害が出る予言で街の人の命は保全される…ぐらいのほうが聖女としての威光も保てると思っちゃうけど、本作がそういう説話的な話ではなく、あくまでのんびりした優しい世界を描くのがテイストなのでこれでも十分だとは思う。
 というか、主人公二人がお互いのおかげで街が救われたとかいってるけど、聖女の呼びかけでは誰も本気にせず、牧師のよびかけで人々が耳を傾けることになり、牧師の言うことを信用しようとなったのは亡き牧師の祖父の信用だし、街の人の素直さあってのことなんで、いうなればステークホルダー全てがいい人だったから街が救われた…という構図になっていて、むしろこっちのほうに自分は感心させられたという。祖父の信用とか街の人の敬虔深さとかは物語中一切触れてないのでストーリーが説教臭くならないし。
 こういうエピソードをやらないでひたすらイチャコラ描写ばかりすると思ってたから、これを入れてくることでアニメシリーズも引き締まった感じ。
 しかし、屋根裏部屋に誘って明かりを消して星空のもといかにもそういうシチュエーションづくりをしたのは黒主人公なのに、実際アタックをかけたのは白主人公の方であって、しかもそれが実らないというところに本作らしさが表現されているというか。

アンファルス#12

 人狼の村とのつながりが示唆される話。謎が深掘りされてミステリーとして奥が深まった感じ。ラストの一枚絵パラパラが気にはなったが、シナリオは相変わらず興味深い。

わた婚アニメ#12

 主人公が能力を使って旦那を救う話。で、続編発表www。最終回でようやく物語らしくなった。異能の技を使うには弱い自分と向き合う必要があって、自分で自分を克服してからの流れは順当。
 まぁなんというか、実家が嫌だったら庶民と一緒の生活に落ちるわけで、今更そこで生きていくこともできいないし、上級国民としてあの実家にしがみつくしかないし、ならできることは我慢しかなかったのはわかるんで、ほぼ選択肢がないなか、自分の弱さと向き合うとかちょっと無理ゲーに近いのではとは思った。母に異能を封印されてたわけで、それを自分で解くことは無理なのはともかく、自分に異能はないと思い込むのはとても自然なこと。で、あの実家やその実家を利用してた連中に異能を引き渡すことはなかったわけで、努力の出来ない状態でしかも自分の責のないことでとんでもない重荷を背負わされてきたのはその通り。そりゃ貝になるしかないワナ。
 なので、個人的には割と周囲が揃いも揃って無能であり、主人公に負担を押し付けるばかりという構図にうんざりしてたのだけども、これが最終回で報われて、いちおうカタルシスは得られたという形になった。というか、旦那も主人公の母の実家で決闘になった時点でいきなりポンコツになるのがどうにもポカーンな違和感があったという。まぁ原作は続いているからどうせ主人公の異能をめぐっていろいろ話が展開していくのだろうが、むしろアニメはこれで終わって「お姫様は以後幸せに暮らしました」でとめといたほうが美しいのではという気はした。
 しかしなんだな、原作未読で視聴したわけだが、このアニメ初期からぶっちぎりで人気だったから原作既読層はストーリー構成をしってるのでゴールを楽しみに映像化された喜びを堪能してればいいんだろうが、未読層は最終回直前まであのストーリーをよく我慢してたというより楽しんでたのが不思議。日本の昼ドラ文化にほぼ無縁の海外勢にもウケていたのだから既読層未読層両方に人気があったということなので、自分の感覚の方がズレてるとしかいいようがないんだが、どうなんだろ?。まぁ全部通しで見たわけでもなく時々つまみ食いのように数話見た程度だが「華の嵐」のほうがよっぽど出来が良いように思うけど…。