3rdQ2023アニメ終了番組まとめ

聖女の魔力2#1

 続編。アバンの物々しさで緊張感が高まるが、いざ話が始まってみればのんびりとしながらも生き生きした生活の様子で拍子抜け。
 ただ、相変わらず宗教観が描かれてないのと魔力のご都合主義度合いがやはり気になる。そのほか、前期からこの作品に期待してる贈与の連鎖だとか異文化交流の側面だとか自然との対話あたりは健在なので、自分にとってはpros.とcons.が入り交じって複雑な心境。

ヘルク#13

 主人公が貧困から脱して勇者になる直前?までの過去話。貴族の子供にいじめられるとか、医者に治療を断られるとか、典型的なエピソードなんだけど、上級国民が庶民の富を奪って自分の子弟にはゲーテッドシティで安穏と暮らすとか、コロナ禍で自宅待機という診療拒否をやってた医者連中とか、もう現代日本の有様にピッタシなのに驚いた。
 なんかぼんやりしてると見過ごしてしまいそうになるけど、主人公の父母を殺し、街を襲ってる魔物は、主人公が今一緒に行動してる魔族の事だよね?。ヒト型をしてないから別物という可能性もあるんだけど、「魔」という同じ単語を使ってるからにはそのへんはね?。
 過去話だから現況何も進展してないけど、やっぱり個人的にはようやっと話が動いてきたという感じ。いちおう原作は完結してるようなので、そこまでやってくれるかな。

3rdQ2023アニメ終了番組まとめ

 油断してると新作ラッシュがスグ来そうなので。見渡してみたら確かに不作の印象は免れないけど、駄作揃いということはなかった。こういう状況にありがちだけど、期待してた作品が期待外れ、期待してなかった作品がそこそこ見られるものだったみたいなケースが散見されてさもありなんといったところ。

  • アンファルス ラス前とラストの雑さは惜しかったけど、各話見どころがあって、独自のテイストもあって、形を整えたらおススメしてもいいかなと思われる作品。でもまぁ人気作のキャラを使わなくても魅力的なテキストは書けるのに…とは終始思ってた。
  • わた婚アニメ 最終回でようやっとみられるものになったけど、それまでがストレス続き。時代設定は現代でなくても、取り扱ってるものに現代性がある…ってわけでもなく、単純に家父長制とか女性の自立の都合の良いところのキメラになっていて、この作品からなにか深い洞察が得られるというそういうものはなかった。境遇含め主人公だけは描写の精度が高いと思われるので、彼女が精神的に自立した今後こそが見どころのような気はする。
  • 白聖女 のほほんとした雰囲気でつい能天気日常系と思ってしまいがちだけど、最終回付近で設定の精度が高いことに気付いてちょっとビックリした。最初でうまるちゃんみたいな作品かもと思ってしまったけど、その要素はスグなくなるのだが自分のアタマにいつまでも残留思念が残ったのがちょっと困った。
  • 俺自販機 意外なものに転生するという一発屋で終わった感じ。個人的には限られた手段でコミュニケーションというところから、意思疎通部分の発展を期待してたけど、まぁその方向性に話を持って行っても益はないし、3話切りしても問題はないと思う。
  • 聖者無双 都度感想で述べた通り、異世界転生版島耕作スピード出世。新入社員が周囲に気遣われたり励まされたりするところは心に響くけど、残りは全部ありきたり。
  • スパイ教室 これも都度感想で述べた通り、お行儀の悪いテキストをどれだけ楽しめるかがポイント。自分はどちらかというと楽しんだ側だけど、スパイものとしては微妙な感じなので、そういうのを期待してると裏切られると思う。
  • ラス為 自民盗政府批判としては秀逸だけど、主人公が上級国民を優先的に優遇してきて萎えた。主人公は元々のストーリーを知ってるから、その知識で失敗を避ける展開は類似作品と同じだけど、その元のストーリーと主人公が対峙してる世界とのつながりが全然なくてそのミスマッチに戸惑う。
  • 魔王さま うーん、終了作品として扱ってよいのか、これにてアニメ化は打ち止めかもしれんし、続編があるかもしれんのだが、今季限りということでいえばラスト2話だけ見てれば十分だったのでは?ぐらいの感覚。もともとがもったいつけたストーリーなんだから、シーズンとシーズンの間に大きな時間間隔を開けてちゃダメでしょ。
  • アイノイデンシ 終盤で今までの話を回収して大きく盛り上がるみたいな感覚ではないんだけど、それでもラストでそこそこ良かったなと思えた作品。OP映像に出てくるのにアニメに登場しなかったキャラがいたのはなんで?。
  • かのかり クラファンで映画を手頃に作るというのを織り込んだ部分はよかったのだけども、個人的には今回で物語が完結しないとわかって急速に萎えてしまった。ただ、感動ものとしてはよくできているし、作品が完結したときに振り返ればちゃんと今期のストーリーも重要度が高いんだろうというのはわかるので、そのへんはまぁ。
  • デキ猫 おそらく原作の段階でNot for meなのだろうと思う。捨て猫ガチャに勝ったというだけで、パワーストーンの宣伝文句のように、捨て猫を拾ったら急に人生が充実しました、本人は何の努力もしてないけど…みたいな感じで、夢想したいんならいいんジャネ?。
  • 俺最強 典型的なご都合主義なろうなんだけど、個人的にはかなり楽しんでた作品。再度で申し訳ないけど、この作品の魅力を誰が言語化して教えてくれないだろうか。
  • あやか おおきなおねえさんが喜びそうなシチュエーションを繋げただけで、個人的には中盤からシラケてきたという感じ。素材はそう悪くないんだけど、語義通り正しく「やおい」だったような気がする。いや、山もオチもあったけど、意味はなかったかな。
  • ライザ 初回を視聴してストレスマッハで、こりゃ個人的今期ワースト作品待ったなしと思っていたのだけども中盤から描写の精度が上がってしっかりした物語になっていたように思う。とはいえ、主人公達が周囲との関係性を築いていくのは、ゲームにおける、マップを歩き回ってNPCの好感度を上げてクエストクリアを目指すという構造の反映でしかないし、テーマそのものに興味は持てなかったから、案外よかった程度ぐらいの認識。
  • てんぷる お色気メインでありながら、仏教要素?、寺要素?というより、東洋哲学的要素とシナリオが上手く噛み合ってたそこそこの良作といった感じだった。
  • ライアーライアー 面白くなりそうな要素はあったけど、学園内対戦ゲームがもうどうでもいいのでそこで脱落者が続出はするだろうなとは思った。終盤からのシナリオの雑さもダメさ加減に拍車をかけてた。まぁ原作の面白さをアニメで表現することが困難な作品だろうから、挑戦したことを評価したいが、その段階にも及ばない結果になってしまったのでは。ヒロインたちから見かけのかわいさとか恋愛要素を取り去っても、精神的なつながりの部分には特筆すべきところがあったでしょ。
  • レベル1 ブラック労働に従事してるサラリーマンに対しての応援歌…というより鎮魂歌という要素は過不足なくって感じだけど、都度感想で述べた通り手っ取り早く酔えるストロング系の缶チューハイみたいな作品。視聴中冴えないという印象がずっと拭えないけどストレスは感じずカタルシスはそこそこ得られる。
  • 無職転生2 うーん分割2クール確定だからアレだけど、クォリティが高いのは文句のつけようがないので大人気なのは納得。
  • 英雄教室 よくあるリタイアもので、人のために尽くしたけど燃え尽きた人たちへの鎮魂歌というか、癒し的作品かな。まぁ能天気な描写で時々切れ込むからそこそこの作品かな。さりげなく現代日本の社会構造を織り込んでるし、でもまぁそういうところ一切抜きにしても作品のメッセージ性に何の影響も与えてないから、まぁ見たい人が見たらそれでいいんじゃね?という感じではある。悪くはないけど良作には届いてないという印象。
  • 夢見る男子 これも初期は期待薄とおもったけどだんだん描写の精度が上がっていってそこそこ楽しめた作品。嫁取り物語としては実は最初っから結論が決まってしまってるので、そういう駆け引きの部分というよりは、主人公が賢者モードになって、背伸びしないで日々を生きていく姿に好感を持つことができればかなり楽しめると思うけど、初期で脱落者が大量に出ただろうから惜しかったねぇという感じ。
  • あやトラ ToLoveるではなんか深みがありそうででもそれが結局顕在化しづらい話だったから微妙だなぁと思っていたのだけども、ちゃんと物語の構造を押さえてきてるし、シナリオが練り込まれてそこそこ面白かった。お色気過剰だし古臭いスタイルだからそんなに人気は出なかったろうけど、今期の中ではそこそこ整ってた作品だと思う。
  • 小さい先輩 都度感想で述べた通り、作品自体の一般的な評価としてはフツーなんだけど、これ今全国に向けて放映します?、貧乏人にケンカ売ってるんですか?という感じ。
  • 好きめが メインキャラ二人の性格に独自性は有るが、基本高木さんクローンといったところ。都度感想で述べた通り、バレンタイン回がギャグとして突き抜けてた。
  • Lv1ルーム 原作は終わってないらしいが、アニメとしてキレイに終わってたし、浪花節浪花節でもよくわかっとんなという感じの出来。
  • 菓子転 話の構成力が優れているのはわかるんだけど、所詮ありがちな異世界転生モノやなという感じ。転生後の主人公のスキルは対人交渉部分だけにして、魔法だとかご都合主義要素は一切排しても面白い物語にできる力量はあるだろうにと思うんだけども、こういうお子様が喜びそうな要素を入れないと人気が出ないって事情もあるんだろうな。
  • トニカワ女子校編 うん、いつものって感じ。2期OP映像で出てきたコスチュームがようやく出てきたから、2クールを短縮されたとかそんな事情でもあったんだろうか?。


 延期で放映がずれこんだゾン100、続編が確定してるかありそうなもののがたりやシンデュア死神坊ちゃんは保留。
 今回気になったのは異世界転生させる必要もないのに、無理やりい主人公を殺して異世界転生させてた作品がそこそこあったこと。俺最強あたりは、元がひきこもり、転生後もまた引きこもりを目指すんなら必要ないのでは?と思っていたら、まぁ引きこもりを脱却して意味があったという形になってたが、聖者無双や菓子転は物語の前提として困惑せざるを得ない感じ。何かを奪われた人間がそれを取り返すために転生…というのはわかるんだけど、転生のためにわざわざ(命を)奪われるとか本末転倒のように感じる。
 10月になって新シーズンが豊作待ったなしなので対比されるのがカワイソウと思うんだけど、前期(3rdQ)は不作であっても見るべき作品が無かったわけでもないという印象。