声優ラジオ#5

 メインキャラが以後タッグを組むことにしようという話。ペルソナを脱ぐのは構わないけど、それって仕事上の選択肢を極端に減らすことになるよ…というのはなるほどだけど、それで楽になるわけでもないんだよな…。前回まで言ってた、こんなことまで職務に含められてしまうの?というのは緩和されているのかどうかもわかんないし、そのへんはどう推移していくのかはよくわからん。
 相手の所属会社の社長に謝罪に行って茶番のエピソードは、それ自体どうにも深みがないというか、確かにダメージを負った黒髪ヒロインが辞めずに済んだから感謝というエクスキューズはあるけど、それがあるんなら叱るのは最初っから無しだろうし、叱るの前提なら種明かしは興醒めダナーと。大人の世界を描いているようで実はそうでなくって、読者の想像を掻き立てるなり、想像にお任せという余地を残してないのがどうにも深みがなくてな…。とはいえ、タイトルに従えばウラオモテ両方見せちゃうというのが本作品のコンセプトだろうし、それはこの作品自体「演じることを演じる」というメタ構造そのものなので、そういう意味ではちゃんと組み立てられていると感じるので、案外悪くない印象。


怪異と乙女#5

 新妖怪登場の巻。前回のエピソードに登場したキャラがゲストでなくレギュラー化する構成はイイ感じ。どうにもキャラを使い捨てにする作品が多くて、うまくやればキャラを有機的につなげて深みや構成の妙を表現できるけど、うまくやり切って見せてくれるかな?。ただ、都市伝説をネタにするのがどうにも微妙に感じてきた。前近代の怪談の方が深みがあって、都市伝説はさすが近代というか商業主義っぽくて底が浅く見えてしまう。とはいえ、現代人はその商業主義の近代に生きているのであって、そういう意味では前近代の怪談より距離は近いはずなんだけど、物語に取り入れるやり方がマズいのか、それとも都市伝説の底の浅さ自体に限界があるのか、ちょっと判断しづらい。


バーテンダー#6

 サブキャラの結婚話。仕事への穴のあけ方が不自然なので当事者が結婚に不本意なのは読者にわかるように作ってあるんだけど、個人的にはしっくりこない感じだったな。この作品的に詳細は説明しないテイストなのでその部分は納得できるんだけど、なんかこう、描写が浅薄というか。部下の失敗を丸被りした上司のエピソードも画面的にうるさく感じることがあって、両者が上手く混じりあってないというか、エピソード単体では決して悪い話じゃないのに、混ぜ物のカクテルがテーマのわりに両者の組み合わせ具合が今回はイマイチだったかも。