防振り2#12

 社会資本の蓄積とは何か…というお話。メインキャラクターたちは逃げ回ってればイベントクリアできるのに、弱小プレーヤーたちを見かねて助けに入る…ってだけなんだけど、たったこれだけの要素を入れることで物語が引き締まった感じ。助けられたプレーヤーは普通に退場させられてしまっていたとしても自分たちの実力が無いからと何の疑問も抱かないし、助けられてミクロ的には主人公達に感謝をするだけなんだけど、ただ、ラスト秘書のセリフでほのめかされていたけど、そういう誰かに助けてもらったという暖かな体験が、このゲームをまた続けようというモチベーションに繋がるのであって、運営は主人公のパーティーや協力したパーティーなどに感謝をすべき案件。
 これはゲームであって、実際この物語で描かれるクライシスも別にまかり間違えば貧困・窮乏化したり、運が悪ければ命を失う羽目になるわけでは全然ないんだけど、現実社会ではそうなる可能性は有って、しかも実際今の日本はそういうのがアタリマエになりつつある。現実でも困っている人を平気で見捨てる*1ような国民ばかりの国よりも、助け合おうという気風に満ちてる国の方が生きやすいのであって、むしろ現代日本は政府が進んで庶民から富を奪って貧困に突き落とすような社会なので、そういった意味で最後の最後でこういうテーマを持ってくるとはやはり侮れんなという感じ。前編中編あたりはもうホントに単調なRPGリプレイ小説で退屈そのもので、テーマを押し出して盛り上がった(と自分が感じてる)部分はごくわずかで、アニメスタッフとしては1クールの構成を考えるにしても原作を改変するわけにもいかんし、せいぜい原作小説のどこからどこまで切り取るかぐらいしかできないような気もするが、とはいっても他のプレーヤーを助けるために主要パーティーが手を組んでボスを倒すという部分は原作者自体がそういうメッセージを発していると考えざるを得ないんで、シリーズとしての奥深さが感じられたとかそんな感じ。
 ヒキのシーンからすると3期ありそうやね。今期はPvPではなかったからユーザー同士が共闘するというテーマにできたけど、次はおそらく対ギルド戦になりそうなので新キャラの様子を見てもこんな甘っちょろい展開にはならんやろな…。

爆焔#3

 成り行きで、うだつの上がらない村の青年の恋愛を助ける話。学園の女生徒に気味悪がらせてたし、こういう作品だと見かけはアレなんだけど大抵青年にも好かれるだけの資格があるもんだが…と思いながら視聴してたのだが、見せ場で使ったのが「上級魔法」。それまでひきこもりと悪態をつかれていたから本当にそうかと思いきや、初登場時からずっと家に引きこもってる描写はなかったし、あーミスリードなんだなと気づいた。要するにミスマッチで就職できてない今の若者のメタファーなんだろうね。
 JRPGのお約束重視だし、オタク気質なさくひんなんだけど、本編のこのすばもそうだが、別に能力的にはフツーの人なんだけど、どこかしらこだわりだとかちょっと生きるのが不器用な人達が社会的なハンデを負わされながらも一生懸命生きてる姿を描いてるからヒットしたのかもね…。

*1:ならまだマシなのだが、食い物にする