陰の実力者#20

 武闘会が滅茶苦茶になって後の大騒ぎとその後。終わったねー。なんか物語としては全然終わってないというか、ツインテ姫の後を引き継いだ赤毛姫はコテンパンにやられて鼻をへし折られ、主人公に並々ならぬ執念を抱いて今後粘着しそうだし、天才肌の桃髪も恨みに思ってる1カットがあったし、縦ロール姫も仲間になったようだが、今後どうなるかについては一切の明るい未来はなさそうで、いかにも続編がありそうな終わり方なんだけど、単行本は五巻ぐらいしか刊行されておらず、密林で五巻分のあらすじにざっと目を通してみたけど、続編をやるだけのストックは全然ないというか、アニメは原作に忠実ではないような雰囲気。元々がなろうで、なろうと単行本もストーリーは変化させてるみたいだから、フツーに考えて「まだまだ俺たちの戦いは続く」ENDなんだろうと思う。一つのストーリーとしてまとまりがなさそうに見えてしまうのも、この作品の構造が必殺仕事人であるという自分の見立てが正しければ、そういうまとまりはいらないんじゃなかろうかという気はする。元々トラブルが散在的な水戸黄門はともかく、主人公や主人公グループがある地域に根を張ってトラブルシュートを行う、必殺仕事人だとか遠山の金さんだとか、鬼平犯科帳でも、敵に大きなグループっぽいものはいても解決すべきトラブル発生源の数ある中の所詮一つに過ぎなくて、で、それで何の問題もないという。
 正直なところ、割と大きな世界観ながら魅力的なキャラがあんまり映えてなかったというか、活躍の一端を覗いただけ…みたいな不完全燃焼っぽい感覚なのでなんか物足りないという感じ。ただ、最後のいかにも絶対的な奥義を繰り出すと見せかけてスカしたところを見ると、主人公はおそらくすべてを見通してた…最初の設定では口から出まかせだったのに…という形になってると思うんで、アニメ版としてはこれで終わりなのかも。
 うーん、これだけアンニュイな雰囲気でありながら、かといって退屈するわけでもなく、物語としてのメリハリはちゃんとついてたから全然楽しめたんだけど、見る人を選ぶ作品だとは思う。

防振り2#6

 主人公パーティーの全員に使い魔が行き渡るの巻。ポケモンゲットするのに支援のねーちゃんが一人で試練をクリアするのはしんどいやろなーと思ってたらちゃんとお助けが入っていた模様。まぁなんのかんの言っていろんな職種にそれなりの報酬が用意されてるのはやっぱ新時代の社会はこうあるべきみたいな流れなんだろうか。平成になって成果主義を採用した会社では、数字として成果がはっきりわかるオイシイところに人が殺到し、他人を支援するようなところは成果が数字にならないので、目に見える成果で社員を判断したらとたんに組織がギスギスしたアノ現象だよねー。前回のイベントは小パーティーでの競争だったからアレだけど、一般的なイベントはパーティーとして評価されてる形になってたから組織内でバランスの良いマネジメント能力が問われ、イベント報酬はパーティーで一番目に見える成果を出したものが全部横取りって形になってなかったから、そのへんは考えているのかも。
 しかしまぁやっぱり話の大枠はありきたりなRPGリプレイ記事のようなものだよね…。

テクノロイド#7

 人間にいたぶられていたアンドロイドを主人公たちが救おうとする話。この作品がどんな層にもわかりやすくという方針らしいので、目の前で困ってる人を助けるのに理屈は要らないという主張もまぁなるほどではあるんだけど、昨今の貧困ビジネスとか見てたらねー。自分がブ※で散々言ってる通り、自助公助をあたりまえとしてしまうと搾取側にとって都合が良いから、助けるのを最上としてしまうと格差拡大を促進してしまうとか、最近のトレンドでは「人助けを盾に公金チューチュー」だから個人的にはちょっと…みたいな。
 そもそもこの物語の世界観って、環境の激変で住宅適地はほぼ水没し、社会を支えるために人手不足が深刻化したから労働力を補うためにロボット技術が発展…だったと思うので、人手不足なのに人間がロボットが職を奪ってるせいであぶれるってどーなの?という話。生存圏がシュリンクしたから人類全体が生き延びるために労働力の自動化をしたんじゃなくて、結局のところロボットは搾取の手段だったという話。なので、今回のチーマーっぽい若者は労働意欲はあるのに職がない昔でいうとフリーターみたいな立ち位置だし、ロボットはやっぱりというかなんというか、低賃金で働く労働者みたいな話になってる。
 なので、近未来の話かという可能性を考えてたんだけど、まさに現代日本のあり方そのものでしたー…ということが明らかになりましたという。近未来の話だったら、それこそAI技術がどーだのという話が深掘りされてるべきだし、ライバルアイドルの妹のドナー問題も、リコリコのように人工臓器という話になってるはずなので。
 いやまぁわかりやすさを信条にしたという作品だから、そこで人々を分断し、格差を意図的に拡大してるキャラをちゃんと登場させてるのはえらいといえばそうなんだけど、登場させたならそういう構造をちゃんと描くんだろーなー、なんか処理に困ってお茶を濁すんじゃなかろーなーとか心配にはなってくるんだけど。

トモちゃん#7

 主人公ペアの馴れ初めの過去話と水着回。やっぱ金髪ゆるふわちゃんええわー。今回はオトボケの役割ではなく物語をドライブする起点となっていて、個人的には彼女を動かした方が面白いと思ってしまうのだけども、ちゃんと脇役としてのバランスが考えられてるといったところ。ボケ倒して笑いを取るだけじゃなくて、彼女自身も決してバカではないんですよという造形もいい。今回はあくまで主人公ペアが主役として輝く回だからあんまでしゃばってなかったな。
 過去話はありきたりではあるんだけどフツーにいい話だった。子供の頃から贈与の連鎖かよ…というか、社会は贈与で成り立っているんだよということを学習していく話になっていて、お互いが惹かれ合ってるんだったら贈与するのはモノでも行動でもなく、もう自分自身なんですよ…という段階に入ってると思うんだけども、彼ら二人は思春期だからそういうことに確信を持てないし、ゴールに至るまでには紆余曲折があるんですよ…という話で、なんかもうこれでその方面の話は終わっちゃったな…という感じ。