利便#9

 主人公チームと上層部の対立が決定づけられる話。現代日本におけるこの作品のアヘンとは何だろうなと視聴の度に思うんだけど、そのへんがはっきりしないな。まぁ虚淵がそういうのを念頭に置いてシリーズ構成をやってるとも限らないので憶測にすぎないんだけど、これ、コードギアスにおけるリフレインのようなもの…と考えると、日本スゴイとの言説とか、ネトウヨ思想みたいなもんかね…と思わなくもない。とはいえ、実際ネットやマスゴミで見るアベ的な何か…を担ってる論客は、心の底から信じてるハズが無く、ビジネスとしてやってるのでその辺の構造が今回の話とピッタリ符合する。
 しかしなんやろ?、報道ではアベ的な嫌中イデオロギーが蔓延ってるんだけど、黒船来航以来、砲艦外交不平等条約、経済封鎖、軍事的圧倒と最初っから日本を支配しようとする気マンマンで、今もなお搾取の手を緩めようとしない合衆国と、近代まで経済的に日本を圧倒してるのに、隣国にあって元寇以外侵略の意図を全く見せなかった中国と、正直なところどっちと友好関係を結んだ方が得なのか、なんか論じるまでもないような気がするんだけどどうなんかね?。共産党支配下になった中国は、それ以前の中国とは確かに別個の存在であって、それ以前の中国と同じように付き合うわけにはいかないとは思うんだけども、中共の国民支配の手法は、自民盗の国民支配と変わらないので、同族嫌悪なんかねアベにとっては…って感じ。そのへん、もはや日本にとって中国は一番の貿易相手国だし、アベの嫌中仕草がなければそれなりに国民同士の友好感情はあったと思うんで、そのへんの現状をこの作品に込めてるんかな…という徴候を感じないというワケでもないというか。

スパイ教室#8

 次のミッションインポッシブルに向けての準備。主人公の有り方は部下に仕事を任せない上司…みたいな感じだけど、未熟な部下が任務に失敗して命を落とす可能性も考えたらそれなりに気持ちもわかるというか。そういう行動原理なのも今までにしつこく提示されてるからエクスキューズとしても十分ではある。
 しかし不思議なのは、どちらにもリアリティはないし世界観もそんなに説得力を持たず、有能力者が無能力者である弱者を守るという構造ながら、スパファよりこっちのほうに夢があると思っちゃうのはなんでだろうな?。いやまぁスパファは編集に売れる設定を原作者が無理矢理描かされてるし、こっちは編集の介在はあるんだろうけどそれなりに自由に描かせてもらってるんだろうし、しかし結果としてスパファのほうが桁違いに売れてることは疑いようもないわけで。

おにまい#9

 クリスマス&正月。うーん、これもやっぱ不思議。相変わらずダラダラした内容で、テキストとして全然新鮮味はないし、例えば今回妹のデート相手は誰か?なんて誰でも予想が初期の段階からわかるようになってるわけで、冷静に考えたらシナリオが面白いというものでは全然ない。でも自分についてみれば視聴中テキストが詰まんないなと思うことがないばかりか割と集中しているし、絵がヌルヌル動くからそれにつられて画面に集中してる…ってワケでもないんだよな。
 あとやっぱわかんないのが、アイデンティティ部分。OPやEDであれだけ歌詞の中でしつこく単語を連呼してるし、次回のサブタイにもアイデンティティの語はあった。とはいえ、主人公や妹がアイデンティティにこだわってる場面は皆無と言っていいほどだし、むしろ今回のように中学生の友人が男物をかっこいいといって頑なに女物を忌避する態度こそがアイデンティティにこだわってると言えなくもないというか。
 妹ちゃんは、兄をょぅι゛ょ化してかわいくなったから好きになったというのではなく、元々お兄ちゃん大好きっ娘だったようだし、ならなんで兄を女体化しようとしたのかその動機が見えてこないし、今までの話で男であろうと女であろうと兄は兄、もしくは自分は自分みたいな主張をしたいのか?と言われると、まぁ主人公も妹もそういう風にふるまってはいるけど、声高らかにそうだと主張したい…というわけでもなさそうで、この作品におけるアイデンティティについての取り扱いというか立ち位置がよくわからん感じ。