ヤマノススメ#10

 主人公が二年生になり、クラス替えで親友と離れ離れになって不安がどうのといった話。こういうイベントでは割と心配→やっぱりクラス一緒でしたーの流れが多いような気はするので、この作品は主人公を成長させようとしてるんだなという感じ。山登りの話と絡めるにしても、大人になって頻繁に山行すればいつも仲の良いお仲間と一緒というワケにもいかない場合が出てくる(まぁその人のスタイルなので)と、どうしても関係性が未完成の人とどうやってつきあうかという問題は出てくるし、その時、今回の話のように困ってる人がいれば何らかの形で下支えするという、昔ながらの慣習大事だよねという話にもなるが、まぁあんまりそういう話はなくても楽しめるとかそんなの。
 しかしなんやろ?、今期になって本当にけなす要素が見当たらないというか、違和感があってもよく考えたら何らかの意図があるってのがわかるようになってるし、今回なんか、ED映像の漫画もなかなかよかった。

転剣#10

 ダンジョン攻略開始の巻。うーん、もうほぼ世界観の説明ばっか。自分が呪術廻戦の途中で嫌になった「ぼくのかんがえたさいきょうの呪術ワールド」に辟易したあの展開と一緒。今回シナリオがあまりにフックしないので三木眞どころか加隈の演技もほぼ耳に入ってこず。
 剣が主人公だってことだし、最初っからステータス画面バリバリ出てたから、まぁこういう流れになるのは想像の範疇というか、原作がこうなってるんだろうけど、このタイミングでドラマ要素を薄めちゃダメでしょと思うんだけども…。

陰の実力者#10

 次の事件の前にちょっとしたおふざけ回。水着回とか温泉回とかないかわりに今回のこの話なんだろうか。なんか思わせぶりにキャラのやり取りのシーンを隠してたりする割に、そこで派手な露出とかあるようにも見えないしで、でもまぁ湯気じゃないから板になった時はそこが剥がれて何があったのかわかるって形でもなさそうな。
 主人公に言い寄ってくるヒロインズ、味方や中立問わず、あんまり相手にされておらず、そのへんどういう意図なんかなと思わなくもない。いちおう主人公の最優先事項は一貫していて、それ以外の要素は排除して、女にデレデレしないのは読者に対するなんらかの見せ方というか抑制だとは思うんだけど、まぁヒロインズ、感情の起伏が激しい連中ばっかなので、下手に受け入れると自分がやりたいことの障害にもなるし、フツーに地雷女を避けてるようにも見える。あの年齢の男だったら味見ぐらいはしそうだが…ということで、あれだけ避けるのは割と兄弟姉妹に反面教師がいるとか、痛い思いをして学習してるってことが多いのでそのへんはよくわからず。

恋愛フロップス#9

 町中のITインフラが暴走して、その混乱収束のために主人公に協力が求められるという話。前回の答え合わせがそれなりに理屈だっていたように思うんで、今回になってエモーショナルな展開になったのがちょっと個人的には残念なのだけども、ストーリー進行の大枠では正しい方向性だとは思うんで、そのへんは自分の趣味の問題かな。
 ただ、個人的にこれまでの話でいろいろ考えさせられることが何個かあって、それをどう処理してくれるのか、答えなり方向性なり与えてくるのか、スルーするのかはいろいろあると思うんだけど一応メモ。

  • ボサ髪博士も言っていたが、主人公どう考えても現実と妄想(VR)を混同してる。
  • AIに感情があることをこの作品では肯定しているようだが、AIなら基本人間の補助でしかないと思うんでどうこの問題を処理するか。AIに人格を与えれば、上質なAIの人格に現実の人間の精神性は太刀打ちできない。(いわゆるシンギュラリティ問題の一つ)
  • AIに恋愛感情を付加したところで、それは人間の恋愛感情に対処させるためだけのものであるはずで、それは割と人間同士の恋愛に危機をもたらす可能性が高い。

 今のところ、すべてのAIのベースになっているのは、主人公の幼馴染の女の子の脳の内容を丸コピしたもの…という設定が、ストーリー全体の辻褄を合わせているので、ドラマ部分に関してはこれでオッケーなんだけど、これを現実のAIが近未来に人間社会にどのように関わりあうべきか?という問題を考えると、割とクリティカルなリスクが山盛りのような気はする。そういった意味で構造的には割と面白いんだけど、ドラマ部分はあんまりその要素には深入りしないんだろうな…というちょっと残念というか、どこかホッとするような部分もありで。