転剣#6

 ボス部屋の強敵を倒してとりあえず一段落。うーん、うーん、ボス部屋のボスを倒したら終わりなのはまぁその通りなんだろうけど、部屋に最初に入った時にそういう構造が既に見えていたから、バトルシーンの大半が滑稽だという。最初は何が本体なのかわからず、敵に振り回されて苦労するが、何らかのきっかけで本質に気づいて…とか、誰に出も考えそうな鉄板シナリオも採用しないのは何の意図があるのか。それでステータスとかスキル談議で時間を潰すのだから、やはり出来の悪いRPGリプレイ小説かねぇ…。
  絵的には映える動画でキビキビ動くのは見ててスカッとするんだけど、大剣を振り回す少女のモチーフを使ってるのなら、自分の身長よりも大きい武器をまるで細剣のレイピアのように軽々と振るうよりは、むしろ武器に振り回されているけど、重心をよく考えて使いこなす…という動画をみてみたいんだよな。この作品だと剣自体が自分の意思で動けるから、そのへんのエクスキューズはできてると思うけど、それって使い手いなくても何とかなるじゃんって話になるので。
 さて、いよいよ折り返し地点付近だと思うが、三木眞が出ることに意味はあるけど、三木眞の魅力は全然出し切れてないという感じ。声優の演技に問題があるんじゃなくて、テキストがそれを許さない演技の方向性を固定するようなものになってるから、その範囲内でしかアドリブをいかせないってだけの話。タイトルからしても主人公は剣であるはずなのに、拾われてからはもうオラクルとしての役割でしかなく、主人公を猫ちゃんにとられたようなシナリオだし、正直視聴がしんどくなってきた感じ。

陰の実力者#6

 主人公側の組織を騙る事件が発生してなんか陰謀発生中の巻。うーん、これもよーわからん。嫁や姑の前では道化を演じてるが、裏社会では圧倒的な存在感を示す中村主水のような構造なんだけど、主人公の本音を語ってるはずのモノローグでは、あくまで彼の方便がなぜか現実と一致するというコメディ風味にしてるからなぁ。いやまぁ日常は道化を、裏の顔も真剣さを演出してるけどあくまで演じてるだけで、トータルでは洒脱さを表現するってのは、今の時代あんま本気で物事に取り組んでも堅苦しいだけ…みたいな時代性なんだろうなとは思うんだけど、それがある種の不安定さを生んでるというか。個人的にはそれも面白さの一つとは思ってるが、諸刃の剣だよな~という。
 まぁ自分でもよくわからんところではあるが、今の世の中アイデンティティ社会になっていて、世間の耳目を集めるためにやたら大騒ぎしてはいるが中身は全然大したことがないというか、オマエのその見栄のために周囲は苦労させられてるんだよと怒りにも近い感情が湧いてくるので、この作品の、「自分のやりたいことをやってるだけで、別に人に認められたいわけではない」という態度が個人的に心地よいんだろうな…と思ってる。