異世界おじさん#6

 転生早々見世物小屋に売られた重めの話から、逃げ出してエルフを救いラブコメの話に移って、次のミッションの前フリという異世界のお話。うーん、なんやろな?。エピソードはどっかで見たようなもんばっかだし、話の順序も特にオリジナリティがあるわけでもなく、おじさんの昔語りなので、なによりこれらが現在進行形ではなく視聴者をドライブするだけのダイナミックさに欠ける「ハズ」なんだけど、これが楽しめちゃうのだから不思議なもんである。うまいのは、甥の女友達がいざ帰るってときに、話の続きが気になってそのまま残留してしまう流れ。リアリティがあるかないかという話より、この生々しさが読者にとってのあるあるなんだよな。読者はおじさんと自分を重ね合わせることはできないけど、この甥や女友達には重ね合わせることができるんで、おそらくまるで自分が叔父さんの話を聞いているような雰囲気に呑まれてしまうんだろう。で、別におじさんの話がホラ話であっても構わないわけだよ。自分の取って未知の、面白い話をしてくれることが重要なのであって、そこに心の中でツッコミを入れたりするような臨場感。
 ただねー、こういう構造の作品は他にもありそうなもんなんだよなー。戸松みかこしは格別って程でもないんだけど十分ベテランの域で、子安福山悠木は演技力の塊のような人だからなぁ。でも彼らの演技力だけの話とも思わんしなぁ。今ドキだと、キャラ同士のかけあいにお笑いの要素をぶっこんでくる作品が結構あるけど、そういう方向性でもないんだよな。
 なんかネットで、アニメ放映分は原作が公開されてるようなので数話目を通してみたんだけど、個人的にはアニメに軍配を上げるかな。原作も十分面白いんだけど、ネタがネタなので、この内輪ウケスタイルは人を選ぶんじゃないかと。