農民関連#10

 主人公がどうやら悪魔族に目をつけられて執拗に粘着されてるらしい。なんかまた元の雑なシナリオに戻ったかと思うのだけども、前回の話を見る限り物語の作劇手法はわかってる人っぽいので、この雑さは意図的なものなんだろうなというのはわかるんだけども、ミソはその意図だよな。後でこの話に戻るのだが、
 今回で割とオモロイと思ったのがゲストヒロインの一般性。フツーの未婚の女なら初対面の男に警戒するのは当然だし、そうそうたやすく気を許したりしないもんだ…というのはこういう作品全体からしても結構珍しくそれっぽく描けてたなという感じ。ただ、相手を女と意識せず、要件の話を進めたいのにその警戒を解かないのは、もうこれはめんどくさいのを通り越してイラつくというのもまぁその通りなんだけど、そんなに自意識過剰を表に出す女は現実にもそうそういないので、ある意味こういう物語にフツーの女を組み込むのは難しいことなのかもといったところ。
 で、受付嬢と女勇者がストーキングして依頼主の街までつけてきた…というのと対比されてるわけで、結局今回の話を単体で整理すると主人公争奪戦に参加するメンバーが一人増えましたというだけの話にしかなっておらず、ん?、こんな薄っぺらい話だったの?という疑問が。
 とはいえ、冒頭でも述べた通り、シリーズ全体からすると悪魔族の仕返しであったわけで、主人公周辺がトラブル続きなのもちゃんと理由がありましたということになっていて、それなりに考えられてるんだなといったところ。
 でも相変わらず農業関連ということについては、アスパラガス愛はオタクのこだわり程度であんまり視聴者に刺さってると思わないし、アスパラがトラブルシュートのための鍵にもなってないしで、結局原作者はこの物語を通じて読者に何を伝えたいのかわからんし、作為的に雑に装ってる作劇手法がそんなに面白いとも思わないんだよな。キラリと光るものがあるのはわかったけど、それが他のすべてを補って面白いとなってるとも思わんし、原作がそれなりに支持されてる理由が今一ピンとこないというか。

いせおじ#9

 ツンデレエルフとの再会と、部屋の氷漬け。トカゲになった顛末どうするんだろと思ったら、前回の話の続きという形ではなかったがちゃんと触れられてた。というか、おじさんの異世界回想話と比べて現代の日常話はやはりかなり劣るから、そのへんは苦しいねぇといったところ。とはいえ、現代のトホホ話でおじさんを堕とすから、その落差として回想話が際立つので、まぁこんなもんじゃねといったところ。

悪ラス#11

 魔王の記憶喪失が治りかける話。視聴中は面白く感じてるし物語としての構成もキッチリしてるとは思うんだけども、なんだろ?、このエピソードに入ってから自分の中では受け付けない…というほどでもないんだけど、正直どうでもいいみたいな感覚。前の学園潜入編のキャラがどいつもこいつもモブ化してるのも使い捨てではないがなんか雑に扱ってるなぁと思うし、現国王夫妻が自分の息子が皇太子になって態度が強硬になってるのにも違和感があるし(まぁもう一人のプレーヤーの仕業だろうけど)、かといってそれが主要因でもなさそうなんだよな。言語化以前に自分で自分を把握してないってところ。

ステマ#10

 キツネ耳キャラの顔見せの話。領主の息子であるロリコン、というより虐待してるからロリコンでもないか…が、性癖は変態だけど愛されキャラかと思ったら直球で悪人だったという。で、まんまアベだったwww。この作品、放映開始が10月だけども、アニメ化決定はもっと昔だろうし、製作が始まって暗殺が起こったのだと思われるから、ある意味タイミングが良いというか悪いというか。騎士団長はおそらく死んだであろうし、領主の息子は放逐されるだけなのか殺されるまでいくかはわかんないんだけど、アベが死んで闇に葬り去られていた悪事がドンドン明らかになっている現状、中途半端な展開だと物足りなくなってしまうのではとは思うが、まぁ方向性としては悪くはないので。というか、申し訳ないけどドラマとしては中身やっぱスッカスカやなぁと思うんだけど、そこはそれ、以前も言った通りこの作品は理念先行で作られてるのが明らかなので、そこはツッコんでもしかたのないところ。悪事が白日の下に晒されても、現実の日本では自民盗が支配する既得権益構造が壊れたわけでも、アベによって強化された合衆国の植民地状態がひっくりかえったわけでもないので、物語が悪人を退治して世の中が良くなりました…というのも、見せ方によっては視聴者に希望を与えるものにも、やっぱファンタジーでしかないよと脱力されるものにもなりうるから、ちょっと現実社会とのリンクとしてはなかなかしんどいタイミングではあるという。

スパファ#22

 機密文書を報酬として入手するために、地下賭けテニス大会に出場する話。うーん、今までの流れを一切放逐して、映像としてこのハイパーテニスを視聴する分にはなかなかよかったという。決勝戦の相手、お助けアイテムを使ってたけど、その習熟にトレーニングを積み重ねるより、フツーに練習した方がテニスに強くなれるんじゃね?というのが見て取れるのも含めてコメディとして面白かった。
 銀髪ボブの追加キャラ、立ち位置として面白いとは思うんだけど、もしかして連載当初には考えられてなくて、人気が爆発して続きを書くのに困ったからでっちあげたキャラなんだろうか?。ギャグの方向性も流行語的なものが多用されてるのであんまりじっくり後から合流するよう練り込まれたようにも思えないように感じるのがどうも。スパイ部分はともかく偽装母娘のテーマがボヤけるようにも思うんだよね。

後宮の烏#10

 主人公に迫る危機は薄目に、またいつものトラブルシュート。前に述べられてた夏の王冬の王の話を念頭に置けば、主人公と皇帝は世の安寧のために正しい行動をとってるのだと思われるが、まぁ権力を欲する層にとってはそういうのは見えてないし、見えていたとしても欲を諦めるはずもなく…といったところか。銀英伝だと、田中芳樹が本当にそれをメッセージとして掲げてたのかどうかは別にしても、善意の君主専制と衆愚民主制とではどっちがマシ?というテーマがあると思うのだけども、これだと善意の君主専制でも力がなければ話にならんみたいな方向性なのかもと思ってみたり…。