サマレン#14・15

 敵との攻防、してやられたりしてやったり。ループあと一回宣言が来たけどよくわからん。ループができるというのもご都合主義だしループに回数制限をつけても結局作者の設定でしかないしで、あーそうなんですか…みたいな感じであまり実感はない。あと一回という宣言を作品中でキャラに言わせたからといって、本当にそうなるかどうかもわからんしで、ただ、やっぱり読者にとっては「ナンボ失敗してもそのたびにやり直しをすればいいのだから、成功するまで続けるんでしょ」…みたいな飽きが来るので、制限をつけることによって緊張感は確かに生まれるとは思う。というか、原作者最初っからループもののそういう構造に気が付いてたでしょってなもん。
 主人公が仲間内で演説をぶってた最中に狙撃されて、そのループした一回は何の成果もなく徒労に終わった…みたいな理不尽さも、文学にとっては必要なものなのでそれ自体は否定はしないんだけど、でもそういう話がやれるのもループできるからだよね…という話。
 うーん、敵とのバトル上の駆け引きとか、両陣営の思惑の探り合いだとか、未知の部分を少しずつ明らかにしていくミステリ部分とか、そういう話運び的な部分は問題がないんだけど、大切な人を守るとかそういうテーマ性に近い部分はやはり死んでも何度でもやり直す構造から薄っぺらくなるのは避けられないわけで、ループものにしてしまったことからくるダメさ加減、本当に自分だけが感じてるのかどうかちょっと不安になってきた。結局敵の少女?の過去話も、これ、対決してる過程では例えば捕まえて吐かせるなんて展開ができなくて、どうやっても主人公たちが努力して彼女の過去を知るってことにできないから、なんかご都合主義で安易に見せちゃってるし、作劇上のチートを使ってるなぁという感じ。昔の推理モノだと、例えば犯人が何でこんな残忍な事件を起こしたのか?については結局犯人も自供しなかったし物証もないけど、名探偵が状況からきっとこういうことなんじゃないか…とかいう一つの可能性を示す…でも個人的にはいいんだと思うけど、ただ、それだと物語を読んですべての答えを貰ってスッキリしたい最近の読者にはウケないのかもなぁとも思ってみたり。