くノ一ツバキ#7

 転校生が仮面を外す話と、主人公が転校生から男の情報を聞き出そうとしてるのを先生にくぎを刺されてしまう話。まぁドラマ性というよりイニシエーションとか民俗学的知見の要素の方が大きかったかなぁという感じ。仮面に関してはライナスの毛布が取れる話で、転校生がわだかまりを捨てて共同体の一員となったという話だろうし、先生に呼び出されて怒られないのも、いちおう先生にそういう意図があったかどうかは絵からわからないようにはなってたが、あれも組織運営の手法の一つかねぇといったところ。後者に関しては、あれ、主人公は男の情報の欠乏感に苛まれてるわけで、あそこで怒ってしまうと知りたいという欲望によけい火をつけてしまうからその手段はとれない、主人公はいい子であるということを、こう打算的…というのではなく、内面化してるので、彼女のプライドを傷つけることなく、彼女の知りたいという欠落を信頼という他の要素で埋めていくという、あれはマネジメントの手段なのであって、本当に転校生の様子を聞いたり主人公をねぎらったりするだけのハズがない。ましてや人の口には戸が立てられないのであって、しかも先生は腰痛もちなので、力でねじ伏せる手段を取れば無理が生じ、どこかでほころびが出る可能性もある。ヤクザだったら「お前裏切ったらどうなるかわかってるんだろうな」という脅しになるのだが、まぁそこまでの含意はないとは思う。
 そこまで対処したところで、結局思春期の少女というのはとかく不安定なので、遅かれ早かれ我慢が効かなくなるとは思うんだが、それでキツイ人当たりでなんかあった時に駆け落ちでもされて有能な人材が流出されるより、恩を売っておいてせめて駆け落ちだけは阻止という意味でもよく考えられているけど、そのへんは全然言語化されてないよね…。

スパファ#7

 前回殴ってしまった対象の次男に謝るが…の巻。OP映像やED映像から深刻な対立関係がしばらくでも続くとも思われなかったので、まぁなんかのわだかまりはあろうけど、つかず離れずの展開なんだろうなとは思っていたのだけども、それにしてもホの字とはちょっと思ってなかった。今回でも人の考えを読む能力を都合よく使い分けてるな…とちょっと白けてはいたんだけど、あの次男、自分でそれを認めてしまったら歯止めが利かなくなるから、モノローグでも、意地でもそれを言語化しようとしてなかったのはアレはよくできた表現だとは思った。あとは勉強を子供にさせたい親の気持ちを現代の親とも一致させて共感呼ぶように作ってあるな…と感心しながら視聴してたのだが、まぁこれも啓蒙教育番組的に感じてはしまうかな。大勢で問題ないけど、やっぱり説明台詞が多いとどうしても作品が説教してるようには感じる。
 この作品の設定からして、一つの陣営で旧西側的要素と旧東側的要素がごちゃまぜなので、あんまりリアリティをいってもしかたがないのだけども、今回ちょっとこれはイカンと感じたのは録画の部分。まぁカラーテレビは許容範囲だけど、ビデオテープはまずオーディオカセットテープが普及して磁性体の民生の大量生産体制が整ってないと出現できないから、時代的にちょっと無理があり過ぎじゃね?という感じ。まぁ人がゴミのようだがギャグとして出てくるあたり時代考証もごった煮という感じなのだろうけど、宮崎アニメはそもそもナウシカラピュタ(1986)はまだオタク向けで、子供に爆発的な支持を受けるのはトトロ(1988)を待たねばならず、あのフレーズも映画初回公開時にはやはり一部のオタクのお約束として言われてたし、人口的に一般的になるのはテレビで何度か放映されたのちなので。でもまぁラピュタトトロの’80年代後半って、もう冷戦終結期だよね…。

カッコウ#5

 許嫁ヒロインが主人公の高校に転校してくる話。主人公の、紫髪が許嫁から奪ってくれという妄想はあたおか…だと思うのだが、まぁフツーにあの年頃の典型的な勘違いだろうなぁ。よく男を勘違いさせる女…という言い方があるが、アレ、女が無自覚というより、むしろ女の方は割と自覚的(周囲への影響力を考慮せず自分のやりたいことをやるだけの女)で、男の方が舞い上がって勘違いするってことだよな。
 転校はあの許嫁の友達のチクりという触れ込みだが、どう考えても父親の差し金だろうし、もしかすると許嫁自身の可能性すらあるんじゃね?とも思うが、それはなんとも。そうでなくては調子の悪い主人公に無理してでも学校に行けとは言わんわな。
 なんか不思議な感じ。シチュエーションからすると典型的なおとこのこ向けご都合主義作品って感じなんだけど、男が惚れられる萌え作品にはもれなく男の側に、女が惚れる要素がそれなりに明確にあったりするんだけど、この作品の場合、それがないとは言わんけど、その要素が希薄のように感じるのでそのへんなんか意図的なものを感じる。許嫁の親、ホテル王の方が割と人の話を聞かないって設定のようで、この作品、子供は育ての親より生みの親の性質を色濃く受け継ぐって感じのようにも見えるんで、男の方にそれなりの瑕疵が付与されてるのかなーとも思うが、まぁ上記一切合切含めて現段階では不明というしかない。ストレスを感じるほどではないんだけど、どうにもスッキリしないというか、でもこの作品の見どころは恋愛要素より、むしろそれ抜きの関係性や感情描写だとは思うんで、別に見切ったりするつもりはないんだけどねー。

サマレン#6

 なんで今まで海に落ちるシーンで日焼け妹ちゃんのパンツを執拗に何回も繰り返し見せつけていたのか、その理由がわかる話。うーん、作家先生の符牒を解いて早期に連帯できる体制ができて盛り上がるのはわかるんだけど、この先生もループしてるとは思われないし、なんでこういう展開になるのか、いろいろ矛盾がありそうな気はするが、それすらも今後の展開で納得させられる可能性があって今のところはなんとも。繰り返しによって隠れていた情報が少しずつ明らかになっていくのは見てて面白いので退屈はしないんだけど、結局今回だってまたやり直しになるんでしょと思うとなんか萎えるというか…。まさか、今回からループなしの本番一本勝負になるかもしれんのだが、ふつうそれはありえんよねー。

ついに第一部最終決戦に突入。

 上記戦闘前ブリーフィングの通り、とにかくボスのHPが多いので、何度も周回して少しずつHPを削り、最終的に0にするレイドイベントと同じ方式。解けないということはないので、簡単といえば簡単なのだが、作業そのもの。今は行動力をイベントに使いたいので、イベント間のお休み期間にやることになると思う。
 しかしシナリオを読むの疲れる。一週間ほど前までは12章までで止まってたのだが、この三日間ぐらいで決意して最終決戦直前までのシナリオを読んだ。もう片方のサービスもそうなんだが、一章を読むのにやはり一時間はかかるので、読み始めるまでのハードルが高いし、読んでる間も結構ダルいので、この三日間でも数回読んでる最中に寝オチしてた。ただ、つまらないというほどでもないんだよな。前にも言った通り、このストーリーを貫く大テーマである正義をどうやって貫くかという部分は正直どーでもいいので、そのへん今一ピンとこないが、貸し借り関係や筋の通し方あたりはそれなりにグッとくるものがあるからそれでモチベーションは保たれる感じ。全部ではないけど、追加されたレア度Rのキャラもシナリオにそこそこ出番を作ってくれてるので工夫しとるなという感じだが、これも正直無理やりこじつけてる感じがあって読んでてダレることも何度かあった。ドラマといえばドラマではあるんだけど、なんかミュージカルだとか舞台演劇な感じで、それぞれのキャラの見せ所やキメ台詞がここぞとばかりに溢れてるのは歌舞伎っぽい感じ。なんかシチュエーションありきな感じで、個人的にはもう片方のシナリオの方が出来が良いと感じる。
 とはいっても、この最終決戦で相対するラスボスの主張も正義の味方側の主張とちゃんとつり合いが取れていて、相手がこちらを殲滅してくるからそれを防がないといけないというだけの話で、そのへんの要素の配置はよく考えられてると思った。比喩として適当かどうかはわかんないが、環境問題を考えると人間の一人一人が意識する必要があるvs人間が絶滅すれば環境問題は一気に解決するみたいな配置。人間側はキレイごとを述べ立てていて冷静に考えると子供っぽい主張のように聞こえてくるんだよね。かといって相手の言ってることは理に適っているけど短絡的というか。
 最終決戦が終われば第一部完にはなるんだけど、そこから外伝というかインターミッション的なシナリオが追加され続けていて、そろそろ第二部に入ろうかという段階なので、仮に最終決戦が終わっても最新話まで追いつくためにはまだまだ先は長い。