よふかし#2・3

 主人公の友達と称する女キャラが出てきて物語がちょっと膨らむ話。なんかしらんけど、結構自分にフックする作品だわ。主人公は今ドキの不登校とはちょっと違うような印象で、確かに告られて自分の気持ちがわからんから断ったら女の取り巻きにラッシュかけられて不登校ってなんか不自然だなとは思ったから、まーなんだ、きっかけはどうでもいいんだけど、とにかく学校に行けなくなったというエクスキューズが必要で、とにかくキャラを学校生活というか社会的な定常生活から切り離してようやく物語を始める算段が付いた…とかそんなのかな。
 というわけで、主人公はむしろ一般人の抱えてる不安だとか、先行きの不透明さを持っていて、彼は生徒だからそれを明確に言語化できなくて、ただ、その何が問題なのか不明な状態をずっと続けていても何の変化もないから、今は日常との差異をクローズアップして、何が問題なのかをはっきりさせるというところまではいかないんだけど、とりあえず何か変化を起こすための足場をひとつづつ作ってる段階なのかなという印象。
 ヒロインがまたよくできていて、見かけの性別は女であって、色気で主人公も、そしてそれを通して読者も釣っているんだろうけど、女というよりは中性的…ではなく、むしろ両性的であって、だからこそ物語が恋愛面に堕ちてしまわずに、かといって単純な友人関係でもないそういう微妙なところで安定させてコメディになってるというか。他の作品がコメディはコメディでも、もうセリフがほぼお笑いのコントになってしまってるものが多いんだけど、これは表面上のおかしさを笑ってそれで終わり…にはなってなくて、ちゃんとセリフの意味を読者に考えさせるようになってるのがよくできてるな…という感じ。