このヒーラー#3

 キノコを仲間にする話。なんつーか、自分の当初の見込みが外れたというか、女のめんどくささというより、お笑いのコントのための設定みたいな感じ。ファ美肉が当初そんな感じかと思ったら中盤以降迷走してたのだけども、この作品の場合もっとストーリーが軽いように感じるからこのスタイルで突っ切るのかも。しかし笑いのツボがほぼJRPGネタなのがなんか微妙な感じではある。とはいえドラクエ世代がもう60に差し掛かろうかという時代にはなっているので、よっぽどゲームに対して抵抗があるのでない限り、思ったよりヒットする層は多いのかも。

モブせか#4

 決闘で5人のうち4人を撃破するの巻。やっぱ俺TUEEE展開か…と思わなくもないんだけど、少なくともこの4人は露払いでしかないし、次回王子が勝つにしろ主人公が勝つにしろ、バトルシーンでもたもたされても困ってしまう。しかし、なんだな、王子を虜にしたチンチクリンキャラ、主人公と同じ転生者かと思いきや、おそらく主人公の(転生前の)妹らしい。いちおう主人公は死んでこのゲーム世界に転生してきたという設定だと思っていたのだが、そうなると妹も死んで転生してきたということか?。まぁ主人公共々死んで転生したということであっても、実は死んでいませんでした…であっても、この物語が続く限り元の世界に戻ることはないのだから、転生直前に死んだかどうかはまぁどうでもいい問題。
 うーん、なんか結構この作品面白く感じてる。世界観が荒唐無稽だし俺TUEEE展開なので、典型的ななろう作品というか、そんなに大きなテーマが仕込まれてるとも今のところは思えないんだけど、荒唐無稽な設定も俺TUEEE展開もワザとやってて、B級テイストをウリにしてるのは明らかなので、最初っからそこがこの作品面白さのポイントではないと宣言してるようなもの。主人公側のゲームヒロインも全然ヒロインらしくないし、公爵令嬢も悪役と思いきや全然そういう感じを受けない。一つの選択肢としてヒロインはヒロインらしく振る舞って主人公とのラブコメを演じてもよいし、悪役令嬢もツンデレっぽく絡ませてもいいはずなのだが、その線で押し出す様子は感じられない。まぁもうちょっと関係性が深まればラブコメ展開も混ぜてくるとは思うんだけど、今のところは自重してるのかな。敵役の王族貴族の子弟も悪役にして勧善懲悪ってストーリーでもなく、あくまで若さゆえの無鉄砲というかバカであるというだけで、あんま対立関係にあるとも思えない。でも王子たちが撃破されたら爽快感はあるし、そういう意味で成り上がりモノなんだろうけど、なんかしらんがバランスよいなーと。

薔薇王#15

 兄王が死に、後継者争いでゴタゴタするが、主人公が王国内での地位を盤石にする話。あーなんか勢いがあるというか、自分内での面白さが止まんないという感じ。ここにきて主人公の半陰半陽設定が腑に落ちたというか、主人公が王座に就くための仲間というか手駒を確保するためにこれが生きてきたんだなと。ずっと今までLGBTをテーマにしてたのかもとか、腐女子向けの釣り寄せ設定なのかもとぼんやり思っていたのだけども、そうではなく、ちゃんと物語を成立させるためのピースとして機能してる。裏切りがアタリマエのこの世界において、口約束はともかく文書で交わした契約関係ですら…だとか、利益関係とかそういうのは全くアテにならないので、そうではなく、もっと関係を強固にするための要素が必要で、それがこれだったんだなという。そして今まで通り、セリフで言語化されていることがすべてではなく、むしろセリフの逆の意味も十分キャラの意図や事実を指し示してるので、そのへんの奥深さだよな…。