盾勇2#1・2

 結構人気がある作品の2期目。前期はルサンチマンに振り切ってたらよかったと思っていたのだが、なんか中途半端に仲直りさせて煮え切らんな~という感じだった。が、まぁこれはタイトルからして成り上がりなので、ダークヒーローものにしないんなら自然な話ではある。
 2期目見始めて、前期の様子を覚えてない部分が多く戸惑っていたのではあるが、その辺の話の方向性は変わらんなーという感じでぼんやり見てた。やはり本作の見どころの一つである、メインヒロインのこれほど男にとって都合の良い女っぷりは健在で、こう絶対に裏切らないように見えながらかといって言いなりってわけでもなく、他の女と仲良くしてると嫉妬の一つでもしてくれるんだろうなーと思うと、こういうのが読者にとってはたまらんのだろうという感じ。グラフィックも少女から脱皮したてのちょっとした大人の色香も兼ね備えたようなデザインで、こりゃなかなか手ごわいなみたいな。
 まぁそんなわけで、#1はハイハイハイ、凡庸やな…とか思ってたのだが、#2で、世界を救うために民の魂を犠牲にするでちょっと吹きだした。普通民を救うということが至上命題であって、大体の物語が特権階級や古い体制を維持するために民を犠牲にするという前提があり、それとの対立関係という構図が多いので、そうではなく、民はむしろ社会を維持するための生贄という設定がちょっとトバしてんなという感じ。でもこの物語自体が体制を維持するために異世界から問答無用で人を連れてきて、しかも序列をつけて主人公は差別されていたわけだから、まぁそういう世界観だよなーという。
 まぁ世界の危機が、前近代までは大国の思惑だの為政者の都合だので決められていたのが、むしろ国民の欲望の総体が招いているってのが、豊かになりたいからロシアを脅迫してキレられたというのがウクライナ問題の一つの側面であったりするわけで、その末路としてウクライナの民の命が散っている現在、あーまさしくタイムリーやなと感じてる次第。