フルダイブ#1

 VRPG世界モノ。主人公に過大なミッションを課されないが無茶はできないようになってる俺100のような感じかな?。高校生活にうんざりしてるという初期設定は同じだし、ただ、俺100はあんまりコメディという感じがしないが、こっちは事態はシリアスなのにところどころギャグを仕込んである。
 ゲーム世界のことだからと、現実社会ではまずやらないような試行錯誤をやってやらかすというお話。本当にゲームなら、主人公のセリフ通りやり直せば済む話だと思うし、ゲームを続けるのがあまりにも辛いのなら辞めたらいいジャンと思うのだが、そこらへんはやり直さずに続けてしまう展開が用意されてるのかも。ただ、個人的な印象は悪くない。視聴者(読者)の先入観を主人公におっ被せて、今までのゲーム的世界観の間隙を突くみたいなところで、それなりに現実に対するフックみたいなものが感じられる。

スーパーカブ#1

 女子高生キャラを使った貧乏生活メイン?。もしかしたらもうちょっと軽薄な作りなのかと危惧してたんだけど、もう一つの期待通りしっとりした作りでちょっと安心。自分、予備校に通っていた時に、日常の足としてシャリーというスーパーカブの変種に乗っていたからすごく懐かしい。コンビニでエンストするシーン、割と早めに原因に気づいて、そうだったのだが、カブはともかくシャリーも燃料タンクの容量が2ℓしかなくて、割とこまめにきゅうゆしないといけなかったのを思い出す。リッター50㎞なんかとカタログを見ると書いてあったりするのだが、これは定地走行の数字であって、普段使いだとだいたいリッター20~30㎞だったりする。少しでも燃費をよくしようと下り坂ではクラッチを切ったりしてたのだが今考えるとそう大して変わりはないような気がしないでもない。下宿では在学中一度も話さなかった高校の同学年と友人になって、一緒に片道50~60㎞の温泉行をしたのを思い出す。途中で雨は降りだすし、せっかく温泉で体を温めても帰るころには冷え切って、ヘルメットをかぶっているから、温泉行ってさっぱりした気分も跡かたなく消え去ってたな。
 まぁそんなわけで、のんびり視聴していくと思う。

聖女の魔力#1

 原作未読、でなろうらしい。異世界転生モノなのだが、召喚されてそれが二人、主人公は相手にされず…という流れなのだが、フツーそういう事態になったら呼び出した方はどちらが本物か?とか二人とも聖女扱いで様子見とかになっておかしくないのに、いきなりサブ側に決め打ちとかよくわからん。とはいえそういう「選ばれなかった私」を主人公にして、F1喪女層にフックさせる作りなのだろうからそこをツッコんでも仕方がないだろう。
 イントロ読んで薬草に目が行ってしまい、個人的には最近原種系チューリップを数球、プランターカラシナを育ててみたりと園芸趣味が無理のない範囲で復活してきたからいかにもタイムリーといった感じ。魔法を込めてポーション作りというのはちょっと個人的には感心しないのだが、薬効を劇的に提示するにはこういう手法はまぁ使って当然とはいえるのでここもあんまり目くじら立ててもな…と自制してみる。個人的ついでに、実は最近「世界を変えた野菜読本」を再読完了しており、だいたいが新世界から旧世界にわたったトマトジャガイモトウモロコシ唐辛子を中心に経緯が示されていたのだが、そのなかで、ヨーロッパにもたらされた富の大きさは、スペインポルトガル人が南米諸国から奪った金銀財宝などより、それらの野菜のほうが莫大なものだったという記述があって目を見開かされた。金銀は鉱山から掘りつくしてしまえばそれでオシマイだが、これらの野菜は貴族だけでなく貧民にも飢餓から救うという恩恵を施しただけでなく、その効果は永続していったわけで、単純に貨幣計算しても確かにそうだよなと思った次第。
 物語的には英雄譚だとかが好まれるのだろうが、そういうのは得てして「一将功なりて万骨枯る」なのであって、そんなん英雄が万民を救ったというより万民を犠牲にしてただろ美名のもとに…みたいな感じだが、そうやなくて、上下水道の整備が水くみという重労働からいかに人々を解放し、衛生状態の向上を果たしたか…とか、数々の家電製品の普及が家事労働から女性を解放しいかに男女平等に貢献したか…のほうがよっぽど益があるわけで、やれ自分が成り上がるためにより弱い異性を叩いて悦に入ってるフェミさまや、末端の労働者を叩いてしてやったりの障害者サマを見てるとなんだかなぁといった感じ。

やくも#1

 産地タイアップの陶芸オリジナルショートアニメ。話は平凡だし陶芸と女子高生を絡めるならそりゃ部活動になるわな…という意外性の無さなので、そのへんはまぁ。逆に、ショートアニメだからドラマ部分で無駄に意識を引っ張られることもないだろうし、陶芸の世界を提示するのなら、仕立て自体は悪くないとは思う。脱サラとか退職後の再起動で陶芸とかそれこそワナビーたくさんだろうし、大人を主役にした陶芸モノはそれなりに数がありそうだから再発掘とでもいうべきか。主人公の母親の作品は普段使いするにはギラギラしすぎていて実際に商品としての訴求力は未知数というか、当たり外れが大きいだろうというデザインなのだが、こうやってアニメ作品の中での見栄えを考えると、なかなかよい造りだとは思った。ちょっと凝った喫茶店カップを選んで注文というスタイルにもよく合ってる。
 業界の狙いとかにも興味はあるし、軽い気持ちでチェックすることは全然ストレスでもないので、基本視聴継続。

擾乱#1・2

 幼い頃一族皆殺しにされた少女が政府の隠密組織に利用されて反政府組織と戦う話。日テレがこんなあからさまなアベ批判作品を放映とかちょっと珍しい。明治64年といえば1931年で、ちょうど世界恐慌と不作が重なって、のちの二二六事件の口実に使われた日本全体が苦しんでたと思われる時期で、この時期からいわゆる戦前体制が確立していくじだい時代。本来代替わり、それも隠居してなきゃならない徳川慶喜が延々とトップに居座り続けてるのは任期延長したアレを彷彿とさせるし、政権に都合の悪いことは捏造隠蔽、そして暗殺までやっちゃうのもアレと一緒。九州にフランス国旗が記されていたが、おそらく史実では勝てる戦だったのに臆病風を吹かせて江戸に逃げ帰った徳川慶喜鳥羽伏見の戦いで、バックにイギリスがついていた薩長を破って旧幕府主体の新政府ができたという設定なんだろう。まぁそれも合衆国にバックについてもらって政権を維持してるアレと一緒。
 まぁ厳しい時代を持ってきてるし、そこは日本の厳しい現状と重ねてきてるだろうから、それなりにコンテンポラリー性はあってストーリーもそう外しはしないんだろうとは思う。輪郭線も太めのいかにもらしい感じだが、この手法自体はもう珍しくないし、基本バランスを考えてるとは思うんで、ジビエートほどのB級ではないにしろ、大外しはしないが大当たりもちょっと難しい感じで推移していくのでは?という予想を立ててみる。個人的には地味に楽しめそうといった雰囲気。