現国アニメ#26
もう一つの世界線の話。異世界転生だけでなく、実はこの話がループものの二回目だったというお話。ライオン司令官の回に士は己を知る者のために死すなんて大層なサブタイがついていたのだが、なんてことはない、答えを知っていたからというのがちょっと肩透かしだが、基本はやっぱり史実にあることをいろいろ拝借して話を組み立てていたという構造はブレてない。欲深貴族の讒言で改革がうまくいかないのは、それこそ春秋戦国時代の中国には山ほどあることだし、それを基本に過去話が組まれていた。あと、これは現代に通じることなんだろうと思うが、前王の妃が「知恵者や勇猛なものと結婚しても国は亡びた」というのが、あーこれ、実力主義で出世したものが企業のトップに立ってもうまくいかない現代日本の企業文化そのものだよな…と。高度経済成長期からバブルまでの日本の経済が成長安定してた頃の管理職は大抵実務に長けた調整型が多かったワケだが、それに逆行してる現在の日本企業に対する強烈なアイロニーになってる。あとは在野から才を募ったというのも、あれ、才能だけでなく、貴族でないということが重要なんだろうなというのが今回の過去話から類推される。いくら才があっても、その人物が貴族由来ならほとんどが彼の既得権益に沿うものとなってしまうので、そういう回路を遮断するためにも特権から独立した人間を登用するしかないのだろう。結局敗戦直後から日本経済が驚異的な成長を遂げたのも、特権階級が鳴りを潜めたからであって、バブルあたりから特権貴族や新興貴族が幅を利かせるようになってあれよあれよという間に失われた日本のウン十年が重なって、ジャパンアズナンバーワンと呼ばれた日本が面白いように凋落していったのは現在進行形で起きてる事実。
なんか全26話とか、結構枠を最大限使ってやり切った感がある。途中どうにも苦笑するような話もあったし、説明口調の多いご都合主義という構造ではあったのだけども、個人的にはなんのかんのいって楽しんだ作品ではあった。1クール目半分は雑破業でうまく処理してるという印象だったのだが、途中から大野木寛に変わって、原作の粗を取り切れなかったのかなという気はする。大野木がそんなにダメな脚本家だとも思わないんだけど、雑破が脚本を担当してる話はストレスを感じなかったからやはり差はあるんだろうという感じ。
怪人開発部#12
外敵の攻撃に国内一丸となるの巻。M&Aの流れで、これなんのかんのいって最後は断ってほんわかした気分で終わると思っていたので、怒涛の展開にちょっと驚いた。ただ、その切替部分は割とわかりやすく、あーなるほど、これがヒーロー物のフォーマットに従った激アツ展開で〆るんだなという方向性がわかればあとは王道展開。般若ほっちゃんペアが助けに入った時に、あーローカルヒーローも結集するんだなとわかるようになってるし、クライマックスはヒーロー物でよくある、「敵同士だったものが、より強大な敵の出現で手を取り合って協力する」展開もなるほど。
今回面白かったのが、このありかたはもう既にほとんど日本の企業文化からなくなってしまってること。つまり、日本のメンバーシップ的組織が壊れてしまってるからこそ、今回のこの展開がもうすでに失われたかつての美しいあり方として輝くのであって、逆説的に言えば、これはもう現代日本からほとんど失われてしまってるから強烈なアイロニーになっている。
敵同士が手を取り合うというのは、今までの正義と悪の戦い自体が本気ではないということであって、これは普段は同じ業界で会社同士が競争していても、決して相手の会社を消滅させるまでやりあうのではなく、こう昔の言い方でいえば「シェア争い」をやってるだけみたいなありかたになる。
前回からの流れで派遣の女の子が幹部に取り立てられていたが、これは現実にも派遣から正社員登用という例がないわけではないのだけども、基本派遣は使い捨て、雇い止めなのであって、そうでなければ最初っから派遣にせず、試用期間からの正規採用になるはず。しかも幹部登用されたおんなのこの仕事は実務ではないわけで、こういうのは企業が福祉として国民を包摂していた過去の日本のあり方に近い。
今だと日本企業は従業員を人間としてではなく人財という言い方をしてることで顕著なように、もう単なる使い捨ての労働力としてしか見ておらず、それは経営者にとっては端的に言ってコスト、つまりカネで代替可能なものでしかない。だから、この最終回のまさにクライマックス時に「たとえどんなに資本(=カネ)があろうとも、最後は人だ」と“幹部”に言わせてたわけで、これは昨今の45歳定年制なんか言い出す経営層に対する強烈なアイロニーになっている。
まぁそんなわけで、やはり全体的には三文芝居でしかないし、最後いいことをいってみても、この作品が世の中を変える原動力になるはずがないんで、それほど大したことはないとは思うんだけど、個人的にはそうダメな作品でもなかったかなという感じ。最初の頃なんで嫌悪感まで抱いていたのか今なおわからん。サラリーマン応援歌的作品としてはそこそこ出来が良いとは思うんだが、主人公の属する会社は、ブラック企業というより今や珍しいホワイト企業よりなんで、こういう企業が現代日本に生き残っているにせよ、実際こんな企業に就職できるのは全労働者人口の何パーセントなのよ?と考えると、まぁフツーにファンタジーの域には達してるんじゃね?という気はする。
城姫クエストヒノモト無双
決勝はやっぱり一回戦負け。他のユーザーのエントリーデッキがのきなみステータス15万なのに、自分のは12万弱だから無理もない。
イベント特効城姫が新規に追加されたからレアチケで引いて、これまた引けず。でも
割と欲しかった派生が引けてちょっと嬉しい限り。