着せ恋#4

 いろんなイベント発生で主人公が混乱する話。フランスからの見学ぐらい優先順位考えて断れよ…でも純朴な高校生なんだからそれも仕方がないか…と思ってたんだが、ストーリー上ではそういう流れなのだとしてもおそらくそういう話ではないんだろうなということに気づいた。まぁ今回の、顧客の笑顔云々あたりは典型的なやりがい搾取の構造で、アニメスタッフなら言うに及ばず、原作者に関しても漫画というものが過当競争の極致であることからも自覚的だろう。これは伝統工芸の職人に典型的な産業構造の問題なんだと思う。アニメーターとか掃いて捨てるほどワナビーがいるから賃金も安くなるのだが、伝統工芸に関していえばこれはもうその職業になりたいといっても壊滅的に需要がないわけで、なので職人の数が人気職に比べて少なくても食っていくにも大変なものになる。雛人形なんて一度家庭で買ってしまえばもうその家では買い替え需要なんて発生しないし、7段飾りなんてものなんかは、昨今の住宅事情を考えると置き場がないから欲しくてもムリという話になる。桃の節句には雛人形を置くものという伝統的な同調圧力がまだ存在する日本ですらその有様なんだから、そういう風習による縛りがない海外の顧客が興味を示してくれる…ということであれば、それは商機につながるから今後のことを考えると見学はどんなに忙しくても大歓迎…ということになる。日本人の見学ならば冷やかしになるが、外国人の見学ならそれが直接契約に結び付かなくても、好印象を与えれば宣伝になるわけで、嫌だといってる場合ではないわけだ。ギャル雛なんてものがあるなんて知らなかったのだが、まぁ日本人相手でもそこまでやらないと存続できないってことなのだから、いろんなとこに唾つけとけというのはそうなんだろうなという話。
 着替えシーンは前と比べてさらっとしたもので、ずいぶん扱いが違っていたが、ここは変身後がクライマックスなのだから、これが正解。でもなんだろう?、元ネタがゲームなのだからアニメ絵なのはむしろ適切だし、顔つきもそりゃ似せる似せないの問題じゃないだろとは思うんだが、コスプレ後はちょっと実写で見たいなという気はした。せっかく素材にこだわってるのだから、見かけだけのペラッペラな布地と、厚みのある高級生地の違いは、実写でこそ映えるんだよな…。ただ、実際のコスプレーヤーは何着もコスチュームを作るので、一着のコスに高級生地を奮発できないからどうしても安っぽいコスプレになってしまうし、やはり元ネタがアニメ絵だからコスチュームを実写にしたところで、それは決して「絵が現実世界に飛び出してきた」ということにはならないんだけどね。