着せ恋#3

 二人でコスプレ衣装の材料を買いに行く話。前回前々回とやたら刺激的な絵作りだったから今回も…と思っていたのだがおとなしい作りだった。なんかヒロインを観察してるとギャルというより、無自覚エロに近い天真爛漫さがあって、よー考えられとるわという印象。とはいえギャルを意識したキャラ絵で、下品に口角を上げた表情とかそうなんだろーなーと思うのだが、作品に入れ込んでくるとそれすらカワユク見えてくるから恐ろしい。
 これからどう変化するのかわかんないのだが、現段階でのヒロインの態度は「消費による自己実現」そのもので、後期資本主義のありかたそのものだよなーと思いながら眺めてた。とはいえ、これが思春期の高校生にありがちな着たい服を着ることこそが自己表現と言い出さないあたり、わかっとるなという感じ。ヒロインはあくまでそのキャラになり切りたいからこそコスプレするだけの話で、自分に裁縫の能力が無いことも自覚してるし、そのへん素直なんだよな。とはいえ世の中のすべての創作は既存物の組み合わせにしか過ぎないから既製服をコーディネートすることが自己表現からそんなに遠いか?と言われるとまぁ。でも基本他人のアイデアのパクリなのにそれ着て自分らしさと言い出さないあたりがわかっとるなという感じ。で、クリエーションが過去の創作物からの揺らぎ…というのは主人公が伝統芸能の担い手であって、流行りものも結局のところ伝統の延長線上にあるという構造がうまいなという。

明日ちゃん#3

 部活動を決めるの巻。のっけから驚いたのだが、この作品とんでもなくフェチアニメ。でもこれ前回も言った通り、男のオタ向けと断ずるにはちょっと怪しいところがあって、ところどころに挟まる止め絵の画風は、もしかしたら戦前の少女雑誌を意識してんの?と思わせるものがある。でもいろいろ現代的だよなーと思うところはちらほら。人と人との距離が近いのがそれっぽいし、あの自撮りの娘のポージングなんか、今でいうところのツイッターにUPされてる自撮り画像をそれなりに見てるでしょーみたいな。現実の自撮り画像は、別にカレシに頼まれて嫌々挙げてるものより、女自身が積極的にUPしてるものが多いから文化的にはそう違和感はないんだけど、やはり自分からすると、男狙い撃ちでキてるでしょーと思ってしまう。
 しかしまぁ、主人公がどの部活動を選ぶのかはミスリードがうまい感じ。結論が示されたらなあんだなんだけど、#1の段階から体を動かすのが好きな娘なんだなと思うし、そこから朗読にもっていって文芸部のクラスメートを絡ませて予想を揺さぶってくるから、当たり外れ関係なく楽しめる。
 まぁしっとりとした描写、造形にしても心情にしても…についてはもうわざわざ述べるのも野暮だよね…。

失格紋#3

 魔族退治&前世で知り合った龍との再会。OP映像で、赤毛のキャラが曲のサビ直前にいなかったから、乗ってた龍か…と思ってはいたから早めに答え合わせができた。しかし転生が本当にやれる世界観なのな。龍にとっては信じるしかない状況なのでそれなりにエクスキューズが考えられてる感じだが、さらっと受け入れるのが今ドキのラノベなんだろうか。
 シナリオは相変わらず俺TUEEE展開で苦笑なのだが、そのへんやはり主人公がなぜ転生を決意したのかその理由というか前世との関係性が見えてこないと判断できない感じ。やっぱ政権批判要素がベースなのかな…。