王ラン#8~11

 先代の王が子供の体を依り代に蘇っていたのと、主人公の修行が終わって、一同自国に集結するという流れ。うーん、#11になってようやく「人の上に立つ王として、求められる資質」みたいなものに触れてきて、これでようやく整ってきたかな…と思ったら弟王のほうだし、主人公は相変わらず能天気だし…と、いろいろ重厚なテーマが盛り込まれてるのに、なんか軽い感じはする。
 父親は強くなりたいという動機があり、そのために魔族と契約を交わしたその内容が、子供の能力を奪って自分の力に上乗せとか業が深いと思う反面、実際子供が生まれて自分が強くなったら、当たり構わず戦うのをやめ国を興して安定を志してるようなので、その力、貰ったのはいいけど使ったの?みたいな感じで、しかも子供の能力を自分の力に上乗せ…というあたりは、自民盗の自分たちが甘い汁を吸うために借金財政でアベトモにも税金を配るし還流を受けて自分も肥え太り、その借金は将来世代のツケにするみたいなところが思い浮かんでこれどーなの?みたいな。まぁ父親は精神が復活してはいるんだけど、父親に奪われた能力が戻ってくるのかどうかもよくわからん。普通は戻ってこないと考えるべきだし、実際父親が死んだ直後に戻ってきたということもないからそのへんはまぁ。そしてランキングとやらはどーなったの?みたいな。
 自国が政情不安になって身に危険が迫れば出奔し、国が危機に陥るとバックについてもらった他国の軍隊を率いて戻るみたいな構図は中国古代の史実によくあるもので、童話だけが元ネタではなかったなと思う反面、やはりどうにも技巧に走ってメインになってるテーマが散漫になってるというか、やっぱどうしてもどっぷり物語に漬かれないという感じ。結局お前ら悩んでいても子供のころから周囲に愛され、帝王教育を施されてたんだろ…、なのであんまり同情する余地が少ないというか。主人公が何のかんのいって恵まれているのは、日本人、世界基準でみたら恵まれてて自分は不幸だと思ってはいても、もう数十年さかのぼった日本の世代からみたとしても全然苦労は足りないよと思われてる、そういう若者のメタファーなのかもしれずでそのへんはなんとも判断のつかないところではあるが、上記の通り個人的には感情移入しにくいという評価。
 客観的に見て構成もよく考えられてるしテキストとしてのレベルは高いと思うんだけど、個人的にはなじめないという感じ。拒否感まではないんだけどねぇ。父王がこの世界で一番強いものを鏡に問いかけたら、その相手はきっとあのキャラなんだろうなと思ったら、まぁそれも外れなかった…というより大半の視聴者が外さないように仕組まれてると思うんだが、ちょっと先の展開を視聴者に予想させ留飲を下げさせるという手法もよーできとるわという感じ。なのだが、やはり個人的にはそれこそが鼻につくみたいな。作者が読者をコントロールしようとしてる意図が強く感じられるんだよ、そうじゃなくて、作者と読者のあいだには一定の距離があって、作者とのコミュニケーションを楽しむという形がよいんだよね…。

テスラノート#12

 主人公の父親の真相と浪花節。多様性についてのポエムと素でいることについてのポエム。割とキレイごとの部類としては定番なんだけど、多様性もありのままもこの短期間に大分変容してるというか、多様性を逆手に取られる…とか、ありのままでいることが逆に摩擦を生じてしまい自分をも苦しめるという兆候が見られるので、これも微妙な感じ。しかしギャグの要素が未だに慣れない。シナリオ由来なのかモーションCGとの相性が悪いのか、ただ、ベテラン声優が脇を固めてるので演技の部類とは考えにくい。世界を揺るがす事件のハズなのにやり取りされてる事柄はなんかアサッテの方向を向いてるようにも見えて、せっかくのクライマックスなのにこういう舞台でやるべきものなのか違和感は否めない。
 次回最終回のようだがどう処理つけるのか。まさか二重スパイを前科を不問にして受け入れるなんてことになったら仰天だし、でも殺したりしないんでしょみたいな。まさか多様性だとかありのままみたいなものが日米の組織の理念であるはずもないし、それがわが社の理想だったのじゃとあとから言われても困るわけで、無難な落ち着きどころなのかスチャラカな結末なのかわからんが、あまり好意的な結末を見られそうにない感じ。