現国アニメ#5

 前回のゲテモノ食いの顛末と大臣交代、休暇の巻。魔族との対決もまだないし、他国との交渉場面もないので、まだまだ物語は動いていないのだろうが、1クールだとすると割とスロースターターな感じ。個人的にはドラマ部分にはもう期待していなくって、というかそういう余地はないのだと思うが、となると、現代社会の問題をどう切り取ってこの世界に導入するかという部分に興味を持ってはいる。今回の話までで引っ張ってきてた、王位継承のしきたりも、自分が思いつく限り、やはり古代中国が手本としてあるのかなという感じ。そもそも古代中国の王の役割は、民のために汗を流すことであって、それはめんどくさいから大体やりたがらなかったあたりは、堯舜がモデルだろうし、王位を譲れば先王の部下は殉死するのを、引退あたりでとどめていたのかなという感じ。女にも王位継承権があるというのは現代でも男女平等のホットイシューではあるが、日本だと女性天皇もいたわけで、そのへんいろいろ意識してるところはあるのだろう。まぁ典型的だとは思うが、汚職から遠いところにいる才のあるものに譲るというのはもちろん現代日本に対するアイロニー
 ただ、今回のエピソード群、やっぱり脇が甘い感じ。スライムのようなものを調理していたが、食いしん坊の説明からすると締め方は習ったとのことで、そりゃもうとっくの食材として利用していたのであろうし、なら目にするという意味ではメジャーなものが、食ってる種族がいるというのに、しかも調理によってうまいとまで言わしめてるのに、今更食材として見直すというのはやはり不自然。これならまだ前回のように、いろんな種族で特有の食材を利用してたというほうがまだマシ。姓名の順番逆転も、主人公の言葉は自動翻訳されてるんじゃなかったっけ?。なら自分が性と思って発言したのなら、それは性としてコミュニケートされているのでは?。
 他のモノたちへの率先例として休めと言われてたのも、あれ、微服で街に繰り出すのはその意図に反していやしないか?みたいな。いやまぁ姫と部下を連れてデートしろというのは、まんま城下の様子を目で見てこいということだろうから、まぁ方便であろうという気はするが。執務室で作業してた連中も今の今まで休みがなく疲労が極度に達してたであろうし、そのへんはまぁ。ただ、王が率先して休むというのはどうなんだろ?。現代でも経営者や管理職と、平社員ではそもそも立ち位置が違うのであって、労働基準法などを守らせるのは平社員の待遇を維持するためで、経営者とか管理職はまぁ別に法を逸脱するべきでないのはそうだが、役員報酬というのは時間給とは全然概念が違うワケで、会社が傾いてるのに社長が堂々と休んじゃっていいの?というのはある。会社が儲かってないのに社員ばかりサビ残させて経営層管理職は贅沢三昧仕事も手抜きで部下に丸投げとか、それ真逆でしょというしかないのだが、実際ワンマン経営って上部構造ががむしゃらなのと無責任なのときれいに真っ二つに分かれる印象がある。戦争のときは、王や、軍の最高司令官が前線視察に出ると兵士の士気は全然違ってくるワケで、国が大変な時なら王は休んでちゃダメでしょという話。別に力仕事で頑張る必要はないんだけど、ヌルい働きっぷりで判断が甘いとなると誰もついていかんわな。
 というわけで、いろいろ甘い描写は多いんだけど、別に主人公がダメって描写でもないし、大臣のセリフと実際に意図してることは違うって話なんだとは思う。ただ、やっぱりなろう原作だなぁといった感じ。いろんな要素がただ単純に組み合わされているだけで、商業作家が有機的に繋いで伏線を仕込ませて後でドラマティックに風呂敷をたたむのとはちょっと様相が違う。