タクト#12

 ラスボス倒して(かといって敵がいなくなったわけでもない)、主人公はコールドスリープに、で、おねえちゃんが…でEND。終わってみたら何か感慨深いものが得られるかとちょっとは期待してたんだけど、驚くほどなにもなかったという。ラスボスの動機がイマイチなのと、作品を通じての音楽とは何か…みたいな突き詰めが個人的にはピンとこなかったから、もう途中でこの作品と自分との間にそこそこ距離ができてしまって視聴に身が入らないということも大きいと思うが、まぁ積極的にダメだというつもりもないが、この作品のここがいいよと人に薦めるほどのモノもなかったかなという。この作品が一つの物語として完成を目指していたのなら、まだまだ俺たちの戦いは続くENDにしなくてもよかったような気もするがゲームリリースが控えているから、アニメキャラはここで一時退場するけど敵はいなくなったわけではないから、こんどはあなたがゲームユーザーとして代わりに戦ってくださいってなもんなので、そういうメディアミックスとしての連続性を考えてもいるだろう。
 まぁ上記の繰り返しになるが、やっぱり守りの姿勢で作られたんだろうなという気はする。音楽論についても批判要素はないしかといって深く共感することもない。シナリオもいろんな要素が組み合わされて整ってはいる。動画もキレがあって躍動感はある、劇伴も元ネタを活かして聴きごたえもあって個人的にはよくできていると思った。すごく丁寧に作られているのはわかるんだけど、でも整ってるだけ…みたいな感じ。コロナ禍との関連も考えられているとは思うが、失った日常というテーマとして考えると、やはりどこか別物みたいな感覚。最初や途中はそういう描写がないわけでもなかったのだが、終盤は敵の攻撃があって危険と隣り合わせではあるが、それほど日常も、そして音楽もそれほど失ってなかったように見えてしまった。ラスボスの設定も、アニメ版としてのケリをつけるために無理やりこじつけたみたいな感じで、この反逆パートなんてなくて、すんなり主人公がコールドスリープに入っていっても別に話は破綻しないでしょみたいな感じで、やはりもうどうにもこうにもピンとこないというしかない。

斗神姬#11

 主人公の姉を救出したときにいなくなってしまった敵は、地球に転移して日照を遮り冬を到来させていた。一方地球に帰還したメンバーは地球救出作戦を実行しようとしていた…の巻。おー、大分オモロく感じてきた。地球で利用されているデバイングレイスシステムなる便利な生活をもたらす技術を地球側に捨てさせようとしているみたいだが、これがわかりにくい。今まではこの物語はその便利なシステムを捨てることと引き換えに敵の脅威が去るという帰結なのかなと思ったのだが、なにやら敵を空間の狭間に追い出すという作戦のようだし、便利なシステムも温存、敵も去ってメデタシメデタシなんだろうか?。
 で、なんやろ、この便利なシステムというのは、こう化石燃料をバンバン燃やして豊かな生活をしてる人間社会のメタファーなんかなと考えてみると、そういう世界情勢を示すのがテーマだったのかなという気がしてきたのだ。敵はいわばSDGsとやらを推し進める環境運動家、というよりそれを口実に世界をコントロールしようとしてる欧米の側で、今までその便利なシステムを自分たちが散々利用してきたのに、いざ発展途上国もそれを使おうとすると、地球が壊れるとかいうおためごかしでその利用を制限しようとしてる自称先進国の方々…みたいな。その命令に従わないと地球と取り囲んで雪隠攻めにしようとしてるのは、いうことを聞かないと経済制裁を課して孤立させようとする合衆国のやり方にクリソツなわけで、まぁ敵自体はその便利なシステムを捨てる気はないんでしょみたいにもおもうんで、そのへんちょっと期待。でも主人公の父親は便利なシステムには懐疑的なんだよな。そのへんが不安定な感じ。