聖女#9

 セイがアイラと面識を持つ話。リズとカイルの中庭での対決は、よくよく考えてみると不自然で、あのシチュエーションからするとリズがわざわざ衆目環境で注進するという形を作ったのであろうし、カイルはそれを承知の上で露悪的にふるまったと考えるのが自然。いくら不器用であってもあの場をうまくやり過ごすことができないはずがないし、わざわざセイをにせもの呼ばわりすると比較論的にアイラが無事になるというより、カイルアイラペアの評判がそろって落ちることになる。なら、カイルは早々に今までの関係を清算する必要があると考えていた…ということであって、本当にカイルとリズが内応していないというヒキのシーンが本当なら、リズはそういうカイルの心中を斟酌してあのような場で行為に及んだのであって、忖度の美しい発露であったという話になってる。ドレヴェスのいかにも用意周到に王を呼んでくるだとか、アイラの所属のおそらく最上位長だから、魔法学園での評判も当然に知っていて、そしてカイルの意向も王の意向もすべて承知の上で、「キタキタ」みたいな感じで事態の支援役に徹していたという。いうなればあれは最初っからすべて仕組まれていたこととみるのが順当。
 しかし結局のところ能力主義という社会ではあるんだよな。前回言った通り、もしアイラが魔法を極めてしまって、討伐隊に参加して、人を治癒するとか結界を張るなどという補助的な魔法でなく、別に魔物をバッタバッタなぎ倒す獅子奮迅の活躍をしていたら、おそらくアイラも聖女であると認定されていたはず。これも前に取り上げたが、マザーテレサのやったことは、ミクロで見ると大したもので、そりゃ聖人に叙せられても当然でしょとは思うのだが、マクロでみると貧乏人を数十人救ったところでそれは世界を救ったという観点で見たらちっぽけなことなのであり、マクロ的観点からすれば、例えば今回のコロナ禍で政府がいち早くロックダウンをかけて感染を防いだとか、ワクチンを開発しいち早く接種をほどこして経済活動の再開に大いに貢献したというほうがはるかに益のあること。でもそういうマクロ的施策に関して、担当者を聖人と呼ぶ者はいない。その点、この作品だと、セイはむしろ近代以降の戦略兵器的役割を果たしており、人を救いたいとかそういう心がけを評価されておらず、あの転生先の世界はそういう意味において能力主義的な価値観からいうとむしろ近代的精神が大きいんだろうなという気はする。慈悲深い聖女様が遠いところをわざわざ駆けつけてくれて病人に対して必死に祈って下されば、それで結果的に患者が死のうと感謝するのが前近代的あり方で、同じ行動であっても患者が死んでしまえば、志はありがたいが死んでしまえば役立たずと思うのが近代的*1あり方なので。
 ほんでもって、この作品は、おそらく聖女様の行いで実際に実益のある施しが目に見える形で示されないと、それを聖女の奇跡と認識できない近代的価値観を持つ視聴者に対してこのようなシナリオにしているんだと考えると、まぁやっぱり転生先も形を変えた日本(但し、理想化された)でしかないよねーということに思い至るのであったという。

自転車用チューブ届いた。

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 届いた梱包の発送状、別にFedEXでもなんでもなかった。でも国内到着27日、配送完了に2日なので、国内移動にほぼ一週間もかかってる。さすがに海外での移動時間のほうが長いが、なんとも釈然としない。


 で、MTB用のホイールのチューブ交換をしようと作業に取り掛かったのだが、やけにタイヤを外しにくい。で、よく見るとチューブレス用ホイールにあるハンプなるものを目にしてしまった。気になったので作業を中止してggってみると、手持ちのホイールマビッククロスマックスST、なんとチューブレス対応である。そうだったっけ?あんまりそういう記憶はないがなぁとぼんやりしていたのだが、そういやチューブレス用のバルブがついていたような気がする。
 なら、購入したものが無駄になるが、チューブレス用タイヤを検討してみるかとさらにggってみたのだが、これがまた情報が錯綜しているようで、なかなか目当てのタイヤに辿り着かない。でもしばらく調べてみるうちにいろいろわかってきたことがあって、まぁ結局のところ自分が浦島状態だったというのが明らかにはなった。

  • MTBホイールの主流が26から27.5や29(インチ)になっている。
  • なので26MTBホイール用のタイヤが激減してる。
  • チューブレスタイヤはそもそも太目のものしか商品化されてない。
  • 今回自分の目的である、舗装路しか走らないからブロックパターンはいらない、タイヤは軽い方がいいので、細くて軽量のが欲しいのだが、それ自体が壊滅状態。もちろんそういう目的のチューブレスはない。
  • かといって街乗り用の26インチタイヤは、クロスバイクを中心にそれなりのラインナップがある。が、やはりチューブレス対応はない。

 なので、結局今回購入したチューブを使うしかないという結論に達する。元履いていたタイヤはパナのバリアント。今だとクローザープラスがその後継に近い。側面の糸がほつれたりしてかなり劣化はしているが、触った感じしっかりしていてまだ使えそうな予感。ダメなら今回予備として購入したマクシスデトネーターを使えばよい。
 だが、やはりよくないのは、今回調べてみて、クロスマックス自体が幅1.5インチ未満のタイヤは公式には非推奨だということ。はめていたパナのR-Airというチューブ、新発売された当初は品質が悪くてよくパンクするという評判だったのだが、何年かたって安定したようだが、今回それをはめていてやはりパンクしてた。今回購入したミシュランチューブは厚めなので、R-Airよりは耐久性が上だろうが、R-Airがパンクしてたのはクロスマックス非推奨なタイヤを使ってたからという可能性も考えられてどうなるかはわからない。普通のクリンチャーホイールだとハンプがないから、それ用にタイヤは設計されているのであり、それをハンプ付きのホイールにはめると、ハンプの分だけ外周が長くなるのでタイヤに負担はかかっている模様。
 太いタイヤのほうがホイールにはめやすいんだろうが、太いタイヤは得てしてMTB寄りだとブロックパターンで走りは重くなるし、通勤を意識したクロスバイク寄りだと、ブロックパターンはないにしろ、パンクを防ぐためにタイヤの内部にパンク防止ベルトを埋めていたりタイヤの厚み自体が大きかったりで重いものが多く、やはり軽快な走りは期待できないのがつらいところ。
 一息ついてはみたが、新しいチューブに入れ替え、またタイヤをホイールにはめるのは苦労するんだろうなと思うと、ちょっと作業を再開する気にならないのが正直なところ。結局買い物にはロードを使ってササっと済ませてしまった。

*1:というより資本主義的あり方か?