になった#8

 ひなの実父に主人公がひなと会いに行く話。自分てっきり主人公の父母の記憶をひなが操作したとか考えていたんだけど、当事者が経緯を知っていたという。ひなと知り合って日の浅い主人公がひなの実父につっかかる展開はちょっと違和感があったのだが、とはいえ相手にも言い分があると納得する展開にしてしまうとシナリオに抑揚がつかないのでまぁ順当なところ。
 ロゴス症候群とは架空の病気らしいが、体を動かすことはおろか意思の疎通すらできないのが、今動き回れるばかりか類まれなる才能を持ち合わせてるわけで、それがひなの父親の「いずれ辻褄が合っていく」というセリフからすると、これって、薬かなんかで超天才になったものの、また白痴に戻っていくアルジャーノンに花束をを連想した。ただ、この作品のヒキでいつも世界の終わりまでといってカウントダウンまでしてるので、それがどういう意味合いなのかよくわからん。本当に世界が終わるという結末にするのかというのも疑問だし、どうせその終わる予定の世界を主人公が努力するなりひなが犠牲になるなりして救うんでしょと思わなくもない。ただ、今主人公が日々を楽しく生きているので、彼にとってその青春の楽しい日々が終わることを世界が終わると表現してるのかもしれずで、そのへんはなんとも。
 ブラフだったと思っていたことがマヂだったりしたので、そのへんの自分の先入観を裏切ってくる展開は面白い。というか、1クールだとすると残り4話。これから怒涛の展開になる予感しかない。

無ナナ#9

 他人をそっくりそのままコピーできる卒業生に遭ってピンチの巻。その先輩、ナナを今までずっと観察してきてほしい情報も手に入れたようだし、普通ならナナを殺して終わりだが、さすがにそれだと話にならないからまたまた切り抜けるのだろう。うーん、作品のメッセージ性は今なお評価してるんだが、ココに来て敵をインフレさせてきたツケが一気に来たなって印象。その先輩がナナのクラスメイトに化けるので混乱するのも個人的には落ち着かない。逆に視聴者が騙されてしまうほどだからナナの驚きも疑似体験できるという意味ではよく出来ていると言えるんだが、なまじっか今までそのクラスメイトのモノローグも盛り沢山だったわけで、視聴者の視座がナナに固定されていない分やたら混乱する。
 難しいが、ナナが無能力者なのに困難な任務を押し付けられていてその中であがいていく様子が理不尽な経営層管理職に理不尽な仕事を押し付けられている現場と重ね合わされているとはいえ、こう疑惑を向けられその度に泥縄的対応で切り抜けて、舌の根も乾かぬうちに次の殺人に手を染めるとさすがにそれは自業自得なのではとすら思えてくる。まぁそのへんの非合理さこそがリアリティではあるので、ダメなわけではないのだが、やはり上述の通りひたすら落ち着かない。


神拾#9

 洗濯屋の多忙さに追加で雇い入れるの巻。ん~、いろいろ違和感があったのだけども、前回雇った双子とか今回の中国人っぽいキャラ、結局洗濯の知識もないし(というか洗濯屋のスキル自体が一般的ではないのだが)、福利厚生だとかいってたから、これ西欧中世ではなくて、むしろ日本のメンバーシップ的雇用を描いているんだろうなという感じ。なんつーか、それも高度経済成長とともに日本企業で培われたやつ。優秀な社員を囲い込むために優遇していたわけだが、そういった昭和的ノスタルジーかな。社食については、今の日本企業はコストカットで切り捨てて、逆にGoogleなんかはコックを雇うだけでなく菓子ドリンク食べ飲み放題という話だから、日本の十八番だった制度を逆に取られてしまった感アリ。
 中国人が怪我をしてたがそれでも雇った…というのは怪我という形をとってはいるがおそらく障害者雇用のことだろうし、日本だと大企業は病院を持ってたりしたのでそういう福利厚生も充実って記号なのだろう。暗殺云々はヤクザを連想させるが、これも日本企業だとしっかりした保証人が居たら雇い入れていたわけで。店先が社交場になるというのも、今でこそ商店街が力を失ってるから見なくなっているが、それでも今なお病院はジジババの社交場になっていたしで、結局昭和中期には見られた日本の風景の焼き直しなんだよな。ただ、だからダメだというわけでもなく、日本の失われた30年で庶民がこれだけ痛めつけられているからこそ、その現状こそがオカシイんじゃね?という問題提起であるはずで、話としてヌルいのはヌルいんだけど、今まさに日本の庶民が必要としてるものとはいえる。
 しかし中国人が洗濯屋というのが妙にリアリティがあって意外な感じ。かつてアメリカに渡った中国人は洗濯屋を営むことが多かったらしく、その描写は天晴爛漫でもヒロインの家がそうなってた。まぁ口調が日本での中国人のいかにもいいそうなこと…にされてるだけであって別にあのキャラが中国人ってわけではないんだけど、こんなところだけ妙にリアリティを持ってくるのはちょっと可笑しかった。

モリアニ#8

 シャーロックの紹介回。うーん下宿代にも事欠いてるのに、いくら三等船室とはいえ豪華クルーズ客船に乗るカネがあるのは不自然だが、まぁそういう舞台設定でもしなけりゃ貴族のモリアーティと交錯する機会も出来ないしな。今回の殺人事件も最初っからモリアーティからの挑戦であることはピンとくるように作ってあるんだけど、モリアーティ疑似三兄弟の仕立てに比べたらあまりにも雑な仕上げでちょっと肩透かし。モリアーティはよほどのことがない限り自分の手で殺すということをしないようだが、自分たちの目的のための障害になるのだったら、シャーロックは目についた時点で普通殺しておくべきなんで、この作品が元ネタである二人のライバルの絡みを主軸においている以上そのへんはまぁ。
 しかしやっぱりというか案の定というかハドソン夫人、ミセスでなくミスなので若い娘設定だった。表情がくるくるしてるし、久しぶりに聴く阿澄佳奈の声質も相俟って、あまりの愛くるしさにすべてを許してしまいそうになるから困る。

まえせつ#8

 大阪観光の続き。今回のメインゲストは松浦景子で、先週からのスパイクもあわせて漫才師になった動機を語らせる、疑似ドキュメンタリー形式になってちょっと驚いた。ggって二度びっくりだったのだが、松浦結構な美人で、バレエでも実績を残してるらしくて、確かに動機を聴くシーンは(まぁかなり調整されてるわけだがそれにしても)貴重だとは思う。自分NHK第一ラジオを付けっぱにしてることが多いのだが、夜のゴールデンタイムは割と若手芸人がパーソナリティーを務めてる番組が多く、自分たちの若い頃はああだったこうだったというのを聞く機会が多いので、この作品のメインキャラがヌルく感じて仕方がないのはいつもの通り。やっぱ前回同様、全編にわたって宣伝臭がキツイのがしんどかった。