防振り#9

 ギルド対抗戦始まるの巻。
 実は前回視聴してから気になって、機械神のエピソードを探して読んでた。自分この作品てっきり超余裕のように商業作家がカドカワの編集と一緒になって企画を上げてたんだろうと思っていたのだが、なんとなろう小説だったという。商業出版を密林で探してたら、カドカワに特設ページが開設してあって、一冊1300円もするというのを見てこれまた驚いていたんだが、もしかしてカクヨム?と思って検索してみたらなくって、ggったらなろうがヒットしたという。
 ならば、話は早いやとばかりに該当箇所を目見当で当たってみたのだが、先のネタバレなしに探すのはそこそこ手間取って、それでも探し当てたのだが、なんとWeb原作とアニメ版で構成が変更されてた。最初っから読んだわけでもないのでそのへん正確ではないのだが、すくなくとも、アニメの方はマイユイが合流して楓の木のギルドメンバーが固定されてから第三層という流れだったが、Web原作はギルドメンバーが第三層に到達してからマイユイをスカウトしたという順番になってる。なので、前回メンバーが手分けして第三層の探索をするとなっていたが、そのへん違っているわけだ。
 ただ、機械神のエピソードは、いろいろ変更がありはするが、大枠においてガラッと変わっているわけではないので、そのへんアニメオリジナル展開というほどのものでもなかった。メイプルから武器が生えてくるのもそのまんまだった。ただ、やはりラストはメイプル困惑みたいなものではなく、原作の方はもうちょっとしみじみとした終わり方だったかな。いちおう書店にも行って該当箇所だけちょこっと確認してみたが、紙の本で4~5ページぐらいで、Web版とほぼ変わってなかった。あとどうしても気になって確認したことがあって、商業本になってイラストがついたのか?といったところだが、メイプルがメカ少女になっている挿絵はなかった。
 前回自分はこれ、イギリスの産業革命前後を叩き台にして近代社会の概要を示してると述べたが、原作読んでみた限りどうにもそんな意図があるようには見えなかった。羊は羊で羊毛を集めるだとか、牛イベもちゃんとあるのだが、それが機械神エピソードにつながる形にはなっていなかったし、そもそも上述の通り構成が変わってる。


https://ncode.syosetu.com/n0358dh/82/
 なろう版、老人からのお話を聞く


https://ncode.syosetu.com/n0358dh/83/
 なろう版、機械神探索


https://ncode.syosetu.com/n0358dh/84/
 なろう版、機械神とのバトル

 まぁなろう小説は大体にして新聞連載小説のようになってしまうわけで、一回でたくさんの文字数の文章を公開しても、それは読者が読んでみようかと思うハードルを上げてしまうことになるから細切れにならざるを得ない。そして少ない文字数で展開の山や谷を作るのも難しいし、起承転結の基本は押さえるにしても毎回起伏に富んだストーリーを作っても細切れになって、いざ通しで読む際には大きなうねりをつくりにくいことにもなる*1のでかなりめんどくさいと思う。一回公開すると、運が良ければ読者の感想がつくわけだが、そのせっかくついた読者を逃さないためには飽きさせないようにしないといけないわけで、大きなうねりを意識したストーリー作りをめざせば、踊り場的展開はどうしても訴求力がなくなってしまい、読者を逃がす要因にもなる。まあ割と新聞小説難しいんだなというのを再認識させられたのだが、そういう形式だと、あんまり大それたメッセージ性を織り込むのは難しいんじゃね?という気はしたのだ。
 ただ、やっぱりWeb原作にちょっと目を通した限り、あまりにあっさりとした書き口なんで、自分がこのアニメを視聴し始めたときから感じていた、この物語は今の閉塞した日本社会がどう変わっていくべきか?という理想とはいわないまでも、こう改善していくべきなのでは?という指針みたいなものがあったと思っていたので、もしかして本当はそういった大局観なく、単にゲームリプレイを魅力的に描こうとしていたんでは?という可能性が自分の中で浮上してきたのでなんか戸惑ってる段階。
 ただ、仮に原作に大きなメッセージ性がなくても、アニメのシリーズ構成なり監督なりが、原作を換骨奪胎してアニメなりのメッセージ性を付け加えて世に出しているという可能性もあるので、そのへんはいろいろ検討の余地はあるだろう。それが自分がこうなんじゃないかなと予測したものと同じかどうかは別にして。


 さて、今回の話だが、大きなテーマ性は見出すことができなかった。というか、イベントが始まればあとは祭りのような大騒ぎになるんであって、そのへんあまり織り込んでる要素は少ないのかなという。ただ、組織vs組織だと大きなほうが有利なのはその通りなのであって、今回有象無象の衆がわらわら出てきたのはちょっと雑なんじゃないかなという感じはした。ヘンな話、大きな組織は大きな組織と戦うより小さな組織と戦って戦果を稼ぐのが有利なのであって、いわゆる金持ち喧嘩せずなのだ。自分より大きな組織と戦えば戦うほど消耗するので自然と弱い者いじめの構造にならざるを得ない。それが主人公格のギルド以外があまりにも無謀な戦いばっかしてるので、ネトゲだったら公平性のことを考えてこんなことはありえんだろうなと。
 ただし、これも言うなればゲーム世界のことではなく実際の社会のことを述べているのだとするとモノの見方は一変する。同じ利益を追求するにしても世の中には大企業もあれば中小企業もあって、はては個人事業主ですら大儲けの可能性があるとなれば組織の規模に関係なく勝負に出るのであって、そうなるとその組織(個人)のもつリソースを全振りして戦うことになるのは現実の通り。もし組織主体が規模を勝負の重要な要素と考えるのであれば、それぞれにおいて構成員を増やしたり組織同士で同盟したり合併したりするのであって、そのへんをあらわしているのだとすれば別に不自然でもなんでもないということになる。


 さて、久しぶりに本屋に行って結構変化に驚いたことがあるのだが、それはまた別の話。あと、これまた久しぶりに月バレ買った。去年ははるかながあったから興味が湧いて高校選手権の動画を視聴してボンクラな雑感を書いたが、今年は気にはなっていたんだけど結局大会をチェックしなかった。で、その様子が小冊子でちょっとした写真集になっていて、そこそこかわいこちゃんがいてつい購入してしまったという。ちなみに金蘭会は決勝にいけなかったっぽい。気が向いたら準決の二試合&決勝ぐらい視聴するかねぇ。

*1:リゼロは大きなうねりを作れているところが評価できる。