刀使ノ巫女 第24話

 お、紫がこの作品中で唯一といってよいほどちゃんと巫女らしきことをやってる。
 今回の主役級二人が若い頃の母親と対面するのは、まぁタギツヒメが人間を知るために用意した舞台なんだろうなと思ったが、それがあっていたとしても間違っていたとしても正直どうでも良いという。ヘンな話、タギツヒメあたりは、こう夏目友人帳で散々出てくる「世が移り変わって忘れられた神達」と同じ立ち位置なんかなとふと思った。夏目のほうは打ち捨てられていかにも寂れてしまったというものが多いのに対して、こちらの神はまさに荒ぶる神という違いはあるけど。茜に言わせてた台詞あたりで、おさらくタギツヒメのゲーム上での立ち位置もそれほど悪くないようになったろうし、情宣としてはこんなものかなといった出来。
 そのへんの相場はちょっとわからないんだけど、ゲームにかける情宣費、それこそゲーム雑誌やネット広告、果てはTVCMに払うことを考えたら、1クールや2クールのアニメを作って将来のゲームプレーヤーに先行して感情移入させられる可能性を含めれば、実はコストパフォーマンスは優れているんかなと思わなくもない。この前寿司チェーン店がマグロを史上最高値で競り落としたらしいが、アレもよく見たらたしかに史上最高値といえども今まで高値で競り落とされてきたマグロの何倍もってわけでもないから、あのように話題作りをしたら勝手にマスコミが報道してくれるから余計なカネを電通に払わなくてもよいし、競り落としたマグロは実体として利用価値があるもんだから、経営判断としては、宣伝費込みでかなり安い買い物をしたって感じだろう。これだってアニメが売れたらその勢いでゲームになだれ込んでくれるし、ゲームではストーリーにそれほど注力できず、アニメーションも戦闘シーンでバンクとして使いまわしする程度だから、アニメのシーンをユーザーが勝手に補完しながらプレイしてくれるわけで。
 個人的には第1クールのほうが物語としてまとまっていて、第2クールはなんか方向性がよくわからん感じだった。企画の初期には1クール分しか考えていなくって、予算の都合がついたから急遽2クール目をでっち上げましたっつー下衆の勘繰りをしてしまう。
 最初にストーリーにはそれほど期待してないと述べたのだが、まぁ当たらずといえども遠からずって感じ。良いと言えるほどでもないが第1クールがそこそこフツーの出来だったので、第2クールはストーリーのクォリティーが維持されるのかと思ったらそうでもなかったのであらゝゝゝーと思っただけで、アニメのメッセーヂがなんらかの具体的な社会問題だとかそんなのだったらアレだが、「ゲームやってくれ」というのが真意ならそこそこうまくできているんじゃなかろうか。
 動画部分も、期待していたものは得られたけどその程度であって、なんだろ?、目がさめるようなアニメーションもありはしたが、動きが単調な動画がそこそこあって、動きは早いんだけどやっぱり目で追いきれなくて勢いだけが感じられるってものも多くてなんか最近アニメの動画によく見られる傾向だなとかぼんやり思ってた。
 ゲームをやる人だったら、このアニメは単にゲームの宣伝だけではなくてゲームを構成する重要な一要素になってるからかなり意味のあるものになってるけど、ゲームは興味なくてアニメが伝えようとするメッセーヂから何かをつかみたいっていう人なら得るものは多くないって感じやね。