キノの旅 第5話

 ん〜、ミスリードキツイな。
 黒服と民衆の関係なんて現代日本のメタファーだろと思っていたら違ってた。よくわからんのは、人工知能がリーダーになるくらいなんだったら、なんで民衆を組織して船の修理をやらせないのだろうかとか、旅人を監視役と民衆の境遇とを選択させたのはなぜなのかとか、そのへんだけでなく、本編ヒキのシーンでなぜティーにすがりつくという選択をさせなかったのかとか。民衆の現状把握力の無さあたりは、まさに日本国民のそれとおんなじなのはまぁわかるんだけどな。
 結局シズにめあわせるための展開作り程度の話なのかなと思ってしまった。シズはまぁお人好しという性格付けなのはわかるんだけど、こうなんというか、今回の話でもそうなのだが、自分が理解されないと強権的な手法にスグ訴えかける危険な人なので、一人にしとくと危ないからお目付け役が必要だろという感じでペアリングさせたのかなといったところ。最后にティーが今まで孤独で寂しかったからシズに寄り添わせたみたいな雰囲気にしていたけど、孤独が辛いのは実はシズのほうだったんじゃね?というのが言いたいことだったんだろうなと。
 いや、だからあの情動的な船の民が塔の黒服がいなくなった船に帰るのも動機として弱いし、塔に対峙するときに付いてきたティーを無理やり追い返さず付いてこさせてたんだから、別に旅立とうとするシズにしがみつけば追い返されることもないだろうしで、やっぱ物語を盛り上げるための不必要な展開なんだよな。いっそのこと船のリーダーにと言われて明確に否定しなかったんだから、シズがそうなったらそうなったで面白い話にできそうなもんだけどな。が、結局シズも放浪させるという既定方針があるからそういう都合が優先されたという。テキストが用意した場所で確かに視聴者としてショックは受けるんだけど、後から整理すればなんじゃこりゃという感じ。