異世界食堂 第10話

 こりゃまたニッチなところを。
 とはいえ料理としてはメジャー。フェアリーを登場させていたが、蝶の羽だから食の嗜好はおそらく昆虫を想定しているようで、そのへん冒険してきたなといったところ。昆虫だったら脂肪分の生クリームは食うのか?とか、クレープ生地の小麦は大丈夫なのか?と不思議に思うが、別に昆虫100%なら人の形に似せる必要はないわけで、そのへん嗜好もハイブリッドという切り抜けなのかな。まぁそのへん度々言っている通りこの作品ではあくまで料理が主役なわけだから、フェアリーは何を食うべきなのは枝葉末節で、テーマとなっている料理が如何にうまそうか表現できていれば勝ちなのではある。
 Bパートの再登場のエルフのねーちゃんの回がちょっと面白かった。前にもこれはヴィーガンのメタファーだと述べたが、ではヴィーガンは何を旨みとしているのか?という問題。前回も味噌は出てきてたから別にそこで解決はしてるのだが、牛乳や乳製品など肉そのものでなくても動物由来の食品もNGなのがヴィーガンだから、洋食に付き物のコンソメもだめだし、野菜のみからダシをとるったってアミノ酸は極小のはず。そこで発酵を利用して植物性たんぱく質を分解してアミノ酸を作り出し、それを旨みと感じるのはなるほど。発酵食品を知らなかったという設定なのだから、普段から雑食性が日常口にしているはずの動物性アミノ酸の旨みを知らないってことだから、そりゃ口にすりゃ強烈に旨みを感じるでしょ。においが気になるから自分も普段納豆を購入して口にすることはないのだけども、一度茨城に住んでいたことのある人に招かれて、これはにおいがしないから食ってみろと薦められた納豆が本当に一般的に売られている納豆の臭いが全く感じられなくて*1美味しく頂いたことがあるので、独特のにおいですらクリアできる。個人的には納豆+ごはんの前に納豆スパというワンクッションを置いたのも面白かった。
 前半部分で主要キャラの紹介を一通りやったあと、料理談義でキャラ同士で喧嘩させてたときには以後どうなるかと心配になっていたのだが、そこを過ぎたら割と落ち着いたストーリーが続いてそこそこ悪くない。

*1:製法もだろうが、時間がたつと臭いが強くなるそうなので要するに管理状態がものをいうのだろう。