リトルウィッチアカデミア 第10話

 そういう展開になるんだろうと思っていたが、まさか本当にやるとは。
 アッコがアンドリューのパーティーに招かれないのに進入して大騒動の巻。ハチがアンドリューを刺してアッコに惚れるという展開は読めたんだけど、ホントにやりますか…と思っていたんだけど、中庭でアッコが夢を語る部分からして、いやハチの助けなんてなくてもアンドリューがアッコに、アッコがアンドリューに惚れてたんじゃネェのというのを垣間見せてきたわけで、そのへんアッコが強引にパーティーに参加したがったのはなぜか?というのを考えても、これまた予想通りみたいな流れになってる。が、表面上はあまり色恋に対してはギャグ基調で、そのへんの感情は隠してるんだよな。そのへん世界名作劇場調ではある。しかし、キャラ達が本当の気持ちを隠しているということでは、アンドリューは本当にダイアナを嫌っているのか?とか、もちろんダイアナがアンドリューのことをどう思っているのかについても基本ペンディングだと思うので、今回は今回の主題だけでいろいろ考えたほうがよいという気はする。まぁアンドリューにとっては、自分の器を拡大してくれるアッコに、恋愛感情は抜きにしても惹かれていることは確実だし、アッコはアッコで、自分の夢を否定もせずに聞いてくれるからこそアンドリューに臆面もなくさらけ出すわけであって、今はその段階ぐらいに捉えておいたほうが。
 しかし欧米だと政治屋稼業は貴族の生業なのかねぇ。日本だと中世までの武家がというのはわかるんだけど、近代議会政治の成立以降、あまり特権階級が身を入れてやるべき職業ではないという認識。そもそも明治あたりは家産を潰すだけでやるべきでない(井戸塀と“揶揄されて”た)という認識だったし、今尚、一家の中でも能力が高いのが家業を継ぎ、家業に関わらせると傾かせかねないバカに政治屋をやらせている感じ。麻生もそうだし、アベもそう。アベなんてのはあまりに能力が低くて後々恨みを買うことが親戚に知れ渡ってたので、政治屋にすらならせるなと言われてた。麻生家も能力の高いのは家業を継いでいるし、アベ家も能力の高い長男は財閥に就職させて重役とか社長だろ。
 欧州は欧州で、日本とは違って(?)棲み分けがきっちり分けられている階級社会らしくて、だからこそ今回のようにパーティーに紛れ込むというのはそもそもありえないし、招かれざる客はトコトン排除されるという描写なワケだったが、そのへん貴族の稼業として政治屋が成り立つのかな?という疑問が。フランスは革命で大変な目にあってるし、そのへん数々の戦争を経てあんまり政治の表舞台に立つという印象はないけど、イギリスなんかは今なお貴族制が残っていて、おそらく貴族=領主の伝統は残っているだろうから、為政者としての能力という意味で政治屋が稼業として考えられていてもおかしくはないんだよな。但し今回の描写のように特権を維持するという立場での政治屋であって、あんまり庶民のことをなんとかしようとする民主的な政治を考えていそうではないが。
 古いものを切り捨てるという立場の政治屋が、まさに古い構造である貴族制(=階級社会)を維持しようって態度がまぁ片腹痛いといえばそうなんだが、この作品の考える“よい政治”ってのがなんなのかちょっと気になるところではある。