サクラクエスト 第14話

 逃げたかと思ったら帰省だったという。
 OP・ED変更。個人的には前のほうが好みではあるが、基本どうでも良いことではある。今回主人公の実家の町のモデルをちょっとネットで見当をつけてみたが、聖地巡礼サイトでも触れてあるところがなかった。陸地が坂ばっかりで、船神輿と八幡神社があるとなれば、そこそこいくつかの候補が挙げられるはずだが、自分が探したところだと千葉や和歌山の勝浦だとかそのへんかなとも思うのだが、神輿の形は似ているが神社の形が違ってるとか微妙に相違点があって、どの地域をばっちりモデルにしたとかいうのではなくっていろいろなところの複合なんかなという気がしないでもない。主人公は家族も含めて標準語を喋っているようだから関東圏のような気もするし。
 で、主人公の実家のある地元も、しんどいと友人に言わせておきながら、結構住民の満足度は高い様子。間野山は今一住民が満足というよりはあきらめ雰囲気なので、そのへん差をつけてるのかな。それでもって主人公が参考になったとか、ちょっと甘いんでねぇの?という気はする。ヘンな話、間野山はカブだとかいちおう名産があり、主人公の実家のある地域ではなにが産業として成り立っているのか今一見えないので、そのへん印象で語られてもちょっとしんどい。あれだけ坂が多いと、歴史的に農業で食ってたはずはないので、船神輿があるから漁業でそれなりにうまくいってるとか、流通の中継点だとか、それともそれ以外の産業で食えてるとかそんなのがないと間野山より上ってことはないのでは?。
 なんかせっかく前回までにイヴェントで人を呼んでもだめだという例を示し、定住人口がとかという切り口を示したのに、定住するための必須の条件である働き口まで一気にいかないのはちょっともどかしい。その問題一点において地方から都市部への人口流出が起こっており、逆はありえないというのに。都市部のように人が多ければそれだけで、人が人を支えるためだけの仕事ができちゃうわけで、じゃぁその仕事はマクロでいうと田舎が何も生み出さないと批判するだけの何物かを生み出しているのか?というと、それは多分に微妙な問題で、都市部にだけある仕事が地方にないから、では地方はそれでやっていけてないかというとそんなことはないわけで、つまりそんな仕事はなくてもなんとかなるという性質のものであって、それをもって都市部の豊かさとかなんか傲慢のような気はする。すなわち、なくてもよい仕事でカネをもらうってのは地方から見て無駄そのものなんじゃね?と思われても仕方がない。で、そのなくてもよい仕事が都市部にあるからそれで人が流れていくってのも地方にとったら理不尽そのものだわな。
 が、そんなことを考えても、それは地方に住む住人が頑張ったところで解決するはずもないし、解決してしまったとしてもそれは長続きしない。ヘンな話、この作品で描かれる個人の努力って、それは実らないのが普通であるし、実るように描いたとしたらそれはとんだお花畑なんじゃネェのという気はする。元々日本が工業化する過程において、工業化以前には土地に縛り付けられていた人間を引き剥がして工場の労働者にすること、つまり地方から人を奪うことを国策としてやってきたわけで、それを個人の力どうこうでやっていけるはずもなく…という結論を今から言っても仕方の無いことではあるのだが。