無彩限のファントム・ワールド 第12話

 ヒロインズがみんな主人公にホの字とはねぇ。
 いやまぁそういう素地作りをやってたのはわかってたんだけどサ。しかし個人的な話で申し訳ないが、なぜか今更この惚れるパターンが昔とちょっとちがってるなということに引っ掛かってしまった。昔の恋愛がそうだったというつもりは毛頭ないのだが、そういや昔の大きな物語は男はなにか大きな敵だとか課題に対して取り組む姿が描かれてそれをヒーローとか称しており、そのいわば社会に共有される敵や課題に相対する姿に共感してヒロインが惚れるという形になっていたような気がする。が、今はこのような物語ではあくまで男は女の個人的な事情に踏み込んで二人の間でのみ精神的交感を持つという形になっている。昔話にはどちらの形もあるといえばあるのだが、すくなくとも現状は男が社会に貢献したそのご褒美としてヒロインを得るという形はほとんど失われている。いやまぁこの傾向がだめだというつもりも無いのだが、その派生として恋愛資本sy儀化しているこの現在、やれ子供は社会で育てるべきだとかどの口が言ってるのかそれだけはおかしいと指摘はさせてもらっておく。
 ファントムは人間が生み出した幻想だという点を踏まえれば、冒頭の前説はちょっとおかしくて、ファントムは人間の介在しないところには存在しないし、人間にのみ影響すると考えるべき。この構造はいわゆる環境問題と同じ構造であって、やれ環境問題というのは人間に悪い影響を及ぼすからそれを解決すべき問題として取り上げているだけで、別に公害で人が何人死のうがそれで地球が悲しむとかというのはちゃんちゃらおかしい。人間の行為が人間を苦しめているだけの話で、それを人間とは関係の無い環境になぞらえて何かを語るというのは議論のすり替えに過ぎない。
 で、結局そのファントムを生み出したのは人間であるかもという視点が今回の話にすぐには結びつきそうになくってちょっと困惑。今話のヒキでルヽが倒れていたからそのへんに関係してくるのかなと予想。
 主人公の母がエニグマだというのは、さすがに電話がゝゝってきたときは無理だが、途中から視聴者がそうだとわかるように作られていて、なんかえらいざっくりした作りだなとは感じた。とはいえ、別に主人公の母がエニグマであることを引っ張ることができるところまで引っ張って隠す必要は全然なくって、むしろ重要なのはエニグマの狙いというか動機。さすがにそのへんは持ち越しということで次回のお楽しみ。