ましろ#7

 三味線高校大会始まるの巻。部員内で天才と凡人が対立するいつものやつ。天才の主導で凡人が引っ張られるってのも抑揚がないし、定番のネタなんだろうけど正直この展開は飽きてる。しかも主人公が絶対優勝したいとか言い出して個人的には違和感。彼に関しては目指す音が祖父にあったのに、その祖父が亡くなり三味線を弾く意味を見失っていたのが、モデルの部屋に寄宿したり、おかっぱちゃんの祖母に聞かせて祖父の音ではなく、生きざまに触れて音楽とはそもそもどういうものかについて考えを巡らせるところまできて、音楽とは聴く人との対話なんじゃねぇの?というところまで示していながら、では大会で優勝することが、それら音を媒介とした対話以上の価値があるのか?と言われると、なんか浅薄な感じがする。モデルも、彼女に付き合っていたバンドマンも、おかっぱちゃんのばあちゃんも、それぞれ人生が語られ、人の生きざまに寄り添う形で三味線が描かれていたのに、高校生だとそういう人生の奥深さも音に対する洞察もないもんだから、他の部員は視聴者が見ても主人公にとってお荷物だし、そこで逆切れされて主人公カワイソウみたいなイメージになっておかしくないんだけど、シナリオのイメージはそういう感じではない。他の部員は人生の選択肢があると思うんだが、もう主人公は今までの流れからして三味線で食っていくしか生きる道はなくなってしまってるから、その辺の断絶をあまり描かないのはちょっとしたミスリードかなと思わなくもない。
 まぁ作品からして中高生向けだろうし、だれもかれもが陰のある人生を送ってる大人ばっかり出てきて、主人公がそのような環境で揉まれて人間的にも音の表現力に関しても成長するって湿っぽい話にもできないだろうから、こういうストーリーにしなきゃならないんだろうけど、前半がそれなりによくできていたから、ここにきて肩透かし感が半端ないというか。
 あ、いちおうこのへんあたりからは原作未読。