夏目友人帳 伍 第10話

 そういや塔子視点のこういう過去話はなかったかも。
 もうちょっと滋と塔子の因縁が語られるのかと思ったら、それほど詳しくは無かった。彼女自身が辛かったことだとか言ってたからもしかするとその時期のことが後々明かされるのかもしれないが、静かな生活に夏目が合流するというなんということのないお話。烏が意味ありげに挿入されてたが、棗にしか見えないもう一羽というのがこの作品らしい。もちろん夏目が見ているもう一羽は妖としてのものだが、そうではなくて塔子が気にしていたことに対して一つの解答を与える存在としての夏目の姿を示すことによって、塔子の好意に対する一つの返礼という形になっていて(要するになにか報われたものがある)、今回が一つの話としてまとまりがついているのがちょっと小憎らしい。