トランプ混乱でとりあえず小康状態だねぇ。

 アメリカファーストゝ言い出したトランプがいきなりトヨタいじめをしてきてホラ見たことかと思いはしたんだけど、それにしてもそれほど劇的に状況は悪化しないな。まづ、トランプが孤立主義といってもイギリスのEU脱退ですら穏やかなのに、トランプの選挙中の言説からすると結局合衆国による世界中からの富の搾取が止むはずがないとは思っていた。
 個人的にビックリしたのはマティスの訪日なんだが、これでなるほど大統領周辺はトランプの尻拭いに必死なんだなというのがわかった。トランプが言っていた
‐日本は占領軍の駐留費用を全部払え
‐日本は核兵器を持ってよい
 というのは少なくとも合衆国の政治家をやる上で絶対公言してはならないことであって、この失態をなんとか取り繕おうとして国防長官がわざわざ日本にやってきたのだ。これは言わば(ニュアンスはかなり異なりはするが)戦前の天皇満州国関東軍の費用を全額払うべきといったようなもので、しかも合衆国は一国で日本を打ち倒した実力の持ち主でもあってあぁ、世界中に侵略戦争を仕掛けてそっぽを向かれた合衆国の凋落はこゝまできたかという感慨も深い。
 トランプの言葉をそのまゝ受け取るとすると、日本が中国の牽制に合衆国軍の軍事力をあてにするのなら占領費用を全額支払えというのはまともな意見ではあるのだが、別に合衆国軍は日本の意図を少しでも汲んで駐留しているのでは全然なく、むしろ合衆国の都合で日本に拠点を置いているだけなのでまぁちゃんちゃらおかしいことではある。さかのぼればペリーが黒船でやってきて開国を迫ったときから、合衆国は中国が太平洋進出するのを抑えるという目的があったのであって、教科書にはやれ捕鯨基地がどうだのという真っ赤な嘘が書いてあって、あぁ、これが戦争に負けるってことなのねという話ではある。
 かなり難しい問題をはらんでいるのではあるが、敗戦直後、日本が合衆国による直接占領をされていたころから別に日本は自主防衛を目論んでいたのであって、トランプの駐留費用を払えないのなら占領軍は撤兵するという言質はかなりまずかった。トランプは世界情勢を見る力においては妙に鋭いものを持っているのだが、しかしもともと田舎経営者であってそういう歴史的経緯を含んだ政治センスは全然持ち合わせていないから、外交に関しては能力が無い…というかマイナスに振り切っているわけで、そのへん向こうの実務担当者は大変だろうが、合衆国にとって幸運なことに、あの岸信介すら隙あらば自主防衛を目指していたのに孫の安倍晋三は根っからの属国根性が染み付いていたことで、もちろんそれは日本の官僚含めて合衆国が日本を間接統治するために組織を骨抜きにしていた結果があってのことではあるが、トランプの失態をわざわざ日本の総理大臣に二度も尻を舐めさせに来させるという世界中に対する誇示を行ってなんとか体裁を保ったという感じだ。
 アベは自主防衛こそ考えてはいないだろうが(反米政権ができようとすると占領軍が鎮圧してくれるので、事実上自民盗のバックに占領軍がいるという構造になっている)、核武装に関しては未練タラタラで、いつぞやも反核決議に棄権でも保留でもなくいけしゃぁしゃぁと反対票を投じていたが、合衆国が日本の核武装を許すはずがない。もちろん日本が核を持ったところでその矛先を合衆国に向けることは非常に確率が低いのだが、アベの積極的平和外交とやらを見ればわかるとおり、核兵器を振り回すことは必至であって、それは北朝鮮が核を持つことゝ同義だという風に少なくとも合衆国自身は思っている。
 でもって、国会でアベが訪米後、トランプについて語っていた調子からトランプに対する嘲笑が見て取れたのだが、もうこれもあ〜あといった感じだ。国会中継は別に秘密ではなくって公開されているから世界中の諜報機関がチェックしているわけだが、これが後々悪影響をもたらすことにならなきゃよいなぐらいには思っている。そりゃアベはトランプとオバマを見比べられる立場にあったわけで、どうしても人格の差は現れるだろうからトランプが劣ると見るのは不思議ではないのだが、そもそもトランプが人格においてオバマに劣るからといって、じゃぁアベよりも劣るのかというとおかしな話ではある。最后こそユダ金の支援を受けたものゝ、トランプはほゞ彼自身の実力で大統領の座を勝ち取ったのであって、トランプ言うところの不正選挙で総理大臣にまで登りつめたアベが見下してよい存在ではない。
 それこそやはりそもそもの話だが、子鼠政権後誰が自民党総裁になるかという話だが、子鼠は福田赳夫のカバン持ちだったから福田康夫に譲るつもりでもあり、自民党の総意でそうなる予定だった。しかしそこに割り込んできたのがアベであって、一刻も待てない、早く総理大臣になりたいから寄越せと我儘を貫き通して後釜に滑り込んだのだ。福田自体はやはり父親が岸信介の後継として優遇されたから彼が総裁一期三年分ぐらいやってからアベに総理大臣職を譲るつもりでいたわけだが、駄々をこねるぼっちゃんのためにしかたなく席を譲ったのだが、結局アベがやったことは自分がやりたいことを強行採決を繰り返した結果、それで日本が豊かになることは一つもなく、日本国民の恨みを買ったゞけでなく、合衆国の機嫌も損ねてしかも自分が無責任に放り投げることもやってしまった。で、その尻拭いをさせられたのが福田であって、しかもその福田はアベが損ねた合衆国の機嫌をとる過程において切り捨てられる結果になったわけだ。
 そういう子鼠→福田→アベの順に禅譲するにしたって、もちろんその順を乱すだけの割り込みを許すだけの政権維持の条件としてはもう不正選挙に頼るしかないのだが、そのへん日本のマスゴミは全く触れようともしない。一度地方選挙で自民盗議員が対立候補の不正を喚きたてるという醜態を晒していたが、事情を知る人にとってはおまえこそが不正選挙の甘い汁を吸い続けてきたんじゃネェかという無言の雰囲気プンプン。そのへん今自民盗清和会のやりたい放題に我慢がならない保守層が静かにやれアベ友学園の不正だとかでチクチク刺している段階ではあるのだが、どうすんのかねといったところ。まぁアベにしたって前回の政権放り投げ以来、日米合同委員会あたりで米国に貢いで権力を維持している官僚から余計なことは言うな、ちゃんとお飾りでいろと命令されているわけで、やっぱり戦争に負けるということはこういうことなんだなと暗澹たる気分にならざるを得ない。
 あまり暗い話ばかりしても仕方がないのだが、日本再生の話をしようにもやはりお先が知れている状況ではある。自分の関心事項に地域おこしってのもあるが、基本今までのやり方というか、そういう概念では無理だというのは悟ってしまった。この前も書店にいったときにある雑誌でコンパクトシティ構想失敗ということでやれ青森だとか秋田の例が記事になってた。それ以外にも計5地域ぐらいあったが、結局のところ底に穴の開いた船に溜まった水を掻きだす手法では最初っから無理というのは考えてみたらあきらかなことであって、やはり根本的な解決が必要。で、その対策は考え方としては凄く簡単なのだが実施は不可能というものである。すなわち東京の解体ということ。早稲田慶応文部省、アベ友学園の不正からして、これは明らかに現在の官僚機構が日本をシュリンクさせているというお告げ(官庁で一番弱い立場の文部省でこれなんだから、ほかの強力な官庁の不正はこれ以上言わなくてもわかるよねという示唆)なので、現実にはあれだろうが今までの官僚を一族もろとも誅殺して入れ替えることぐらいしないと日本が維持し続けることは無理だろう。
 上野がやたら叩かれていて、もちろん彼女のフェミニズム関連のお話は荒唐無稽でしかないのだが、現実問題先進国の経済成長はもう無理になっている。欧米でも2%ほどの経済成長をしているではないかという向きもあるだろうが、あれは物価を無理矢理年率2%ずつ上げてその分GDPも自動的にその分上がるという数字上のインチキでしかない。日本もドルベースで見ればアベ政権になってから二桁台のマイナス成長であって、政権の言っている成長してないというのは真っ赤なウソになる。先日小麦の輸入価格を見て驚いた。実は円安になって輸入穀物の物価が上がったのではないかと思っていたのだが、実は世界的に穀物の流通価格は下げ基調であって、円安で少々高めに払っても国内の穀物価格は別に高騰しているわけでもないということらしい。ところが、実際に小売店の食料品の価格を見ていると、二次アベ政権時から高騰した食料品価格は高止まりしている。大体この3年ぐらいで平均3〜4割上がったという感覚で、下がったものは一つも見当たらないわけだが、そうなると不思議なのは原料価格が変わってないのに小売価格が上がったまゝということはその差額をネコバヾしているヤツがいるというわけで、それは誰なんだぁ(ニヤニヤ)というわけだ。この前もニュースで実質賃金が上昇したという報道があって、あぁまたごまかしかと自分は思うのであるが、よくよく聞いてもらうとわかるが、名目賃金、すなわち額面での賃金は企業は一切上げておらず、物価が下がったから実質賃金が上がったということである。その物価の基準は消費者物価指数とやらで、これは一時期んHKも丁寧に「生鮮食料品などは除く」といっていたが、最近は再度言わなくなっており、結局庶民が購入する商品は軒並み物価が上がっていて、庶民が買わない耐久消費財などが、まさに庶民が買わ(え)ないからこそ物価が下がっていて、こんなインチキでまた国民を騙しているのかと気分が悪くなることしかない。
 結局こういうごまかしをやって富を不正蓄財している層を叩き出していろんな拠点を地方に分散させることでしか日本全体の維持は不可能。そしてこれは別に日本だけの問題でもなくって、先進国(中国ですら)全般の問題になっている。2000年代まで先進国が経済成長してたのも、実は開放系経済を行って、経済活動の成果を先進国だけが受け取り、負の側面を後進国に排出してたからこそ成り立ってたわけで、今や全世界中が繋がってどこにも経済の負の側面を捨てる場所がないとなれば、やはり世界全体での経済成長はムリという段階になっている。それでも富を独占したいという層が出れば、そこではゼロサム経済が現れるわけで、誰かゞ富を奪えば、奪われたものは貧しくなるのは当然であって、特に今それを日本で顕著に実行しているのが日本の政官財だとか、世界では欧米の経済強者ということになる。はっきり言って上野の言うとおり、皆が貧しくなるしかない。その過程で今まで奪っていた層は特に貧しくならざるを得ないから文句を言うしデマも撒き散らすが、むしろそういうやつらこそ吊るし上げて今まで奪ってきた富を利子をつけて返させる必要がある。もちろん日本が真っ先にそういうのをやったとしても、それは世界中から食い物にされるだけだから、まぁムリだとは思うが全世界中が協調して富の平準化を行う必要がある。今、富の独占を行っている層がその地位にしがみついて搾取をやめなければ世界中の不満が溜まって紛争要因になるだけなので、まぁその場合ハードランディングにならざるを得ないわな。そのハードランディングの極端な例が権力層の皆殺しなワケで、むしろソフトランディングを望むのであれば上野の提案一択ということになる。それを日本国内でまづやりましょうやというのが地方再生の一歩。変な話、よくSFチックなアニメ設定にある、壁の中が豊かな社会で、壁の外は荒涼としたスラムという描写があるが、もうすでに日本国内でもそういう構造は当たり前になっているんだと思うよ。必要なのは壁の外にはしたガネを投げてやることではなく、壁の破壊。ホント別に難しいことではない。首都圏の構造を経済がバランスゝるまで単純に日本全体に投影拡大すればよいだけのことなんだけどな。