実は夕べはラジオで安倍の演説同時通訳を聞いていた。

 某所で明かされていたが、まだ安倍がその単語を口にしていないのに通訳が先にそれを言ってしまうというのはなんとなくわかった。演説草稿をもらって、あたかも同時通訳をしているようにみせかけているだけらしい。が、すべて安倍側に報道ではこう言えよと指示されていたゞけのことらしい。
 合衆国といえば民主主義で世界の保護者という印象もあるが、大量破壊兵器も無いのにいきなりイラク侵略を行ったり、パイプライン利権を確保するためにアフガン侵攻を行ったり、ハゲタカファンドによる世界各国に対する金融テロを仕掛けたりしているわけで、なんかもう世界の嫌われ者になってしまっているという気がする。AIIBでも欧州各国はいち早く参加しているというのに、合衆国は参加しておらず、これって誰も口にこそしないが合衆国が参加しないのを見越して孤立させるための共同歩調なのかなとも思ってしまう。
 今回の安倍の演説は、要するに合衆国による日本のアメポチぶりを確認するための踏み絵みたいなもんで、こんなのに喜んで馳せ参じる感性を疑う。遣隋使や遣唐使の時代を振り返れば明白だと思うんだが、大国が小国を呼びつけて、おべっかを言わせる構造そのもので、あの尊大な安倍がこれを名誉と思って喜び勇んで出かけるのが不思議。で、実際の内容も太鼓持ちでしかなく、国内、おそらく自民盗全体で協議されてもいないであろう軍事同盟の法整備、TPP朝貢への約束も勝手にしてた。安倍が「こんな大舞台で英語で語る俺ツエー」と自分の演説に酔っているのがまるわかりで、途中から聞いているこちらの気分が悪くなるような感じ。印欧語族でもない日本人が無理して公用語でもない英語で喋るのは奴隷根性そのもので、安倍は自分が何をやっているのか、(特に合衆国の要人に)どう思われているのかさっぱりなんだと思う。仮にドイツのメルケルがこのような場で演説するとしても、同じ敗戦国でありながらこれほどの媚びへつらったないようにしないだろうと思うんだけど、安倍はおろか、そもそもこの草稿を書いた官僚もわからないだろうなという気がした。
 いやまぁ、安倍にとっては日本の庶民がどのような負担を強いられようと合衆国の便宜を図れば日本の支配者として地位保全をしてもらえるんだから、そりゃ靴を舐めもするだろうけど、懐から抜かれるのは大半の日本の貧乏人なんで、そういう構造を示して、これは恥ずかしいことなんだよと主張する報道がないというのがね、いやまぁそういう国だけどさ。で、保守の方々は、口ではやたら愛国とやらを連呼するんだけど、こういう構造に異議を唱えたりはちっともしないんだよね。こんなことがウヨクの方々にとっては一番恥ずかしいと思うことなんじゃないかと思うんだけども、ダンマリだけじゃなくて、こういう場をかえって名誉だと讃えたりするちゃんちゃらおかしなことになってしまうという。