エスカ&ロジーのアトリエ 第12話

 フラメウは消えたり現れたり忙しいな。
 空中に浮かぶ未踏(もう未踏ではないが)遺跡が壊れてEND。フラメウを救ったと見ることも出来るが、要するに、遺跡のボスを倒して問題が霧消するというRPGにありがちなエンディング。もうちょっとクローネの見せ場があるのかと思ったら、キャラ通りの深入りしない関わり。いちおう人為による工夫は自然のバランスを壊すため、一見特定の結果が得られたように見えても全体としてはマイナスという、もう現代の国家経済の有様そのものといったメッセージはあったものゝ、そこをしっとりと浸透させるというものではなく、あくまでキャラの一認識という形でさらっと流された感じ。
 結局この未踏遺跡編は自分的には雑な構成、ドラマとしても出来は今一といったところで、それまでのトラブルシューティングというか、コルセイト日常編のほうに魅力が感じられていたゞけに、蛇足でしかなかった。未踏遺跡編はやるんだったらもっとゆっくり描写すべき。
 っつーわけで、気恥ずかしさはあったけど、未踏遺跡編に突入するまではかなりのお気に入りという認識の作品であったのでなんか惜しいというか。自分はこういう系統のゲームをやったことが無いんだけど、設定としてコルセイトは魅力的な街のように思われるのに、おそらくゲームの攻略要素ぐらいしか組み立てられておらず、なんというか、攻略抜きに街を徘徊する楽しみというものがゲーム自体には無いのではなかろうかとすら思えてしまった。いやまぁゲームというのはミッション達成が重要視されるべきで、背景に凝るなんてコストの無駄なんだろうけど、クリエーター諸氏にはそこにこだわって欲しいところ。いや、実はゲームはそういうところがしっかりしていて、アニメにはそれが上手くうつしこめていないのかもしれないけど、なにしろゲームをやってないので想像するしかない。
 なんというか、最后の場面で恋愛要素が浮かび上がってくるのか?と思いきや、そういうのは巧妙に避けられていた。まぁそういうのを期待する向きには勝手に想像してくださいといったところだろうが、これはなんか懐かしい感じがする。そもそもこういうのは萌えアニメのようにラヴコメ偏重というものでもなく、かといって、世界名作劇場ほど視聴者に気負いを要求しない、それらの隙間を埋める絶妙な立ち位置にある作品だと思うんだけど、だからこそもうちょっと作りこみをして欲しかったという。そりゃアニメとして大ヒットを期待されている作品でもないだろうから、余計なコストをかけないってのはまぁそうなんだろうけどサ。なんか埋められているメッセージも自分的には胸に響くものがあったし、陳腐な錬金術体系ではあるんだけど、なんか見ていてホッとする肩肘張らない作品として評価したかったゞけに、やはり未踏遺跡編の出来は残念だったとしか。とはいえ、この物語を未踏遺跡編無しにどうやって帰結させていくのかはまぁ難しいところではある。おもろ。