ん〜、昨日上げた本、貧困大国アメリカⅠ・Ⅱから受けた衝撃が大きくて、今日あたりも仕事中ぼんやり考えていた。不法移民のバイトの時給は200円だとか昨日書いたが、今読み返してみると、ポップコーン工場で清掃のバイトをしている高校生の話で、2USD/hだった。そしてその高校生の父はもともとメキシコでトウモロコシの栽培をやっていたのだが、NAFTAで農産物の関税障壁がとっぱらわれ、合衆国の安いトウモロコシにやられてメキシコから合衆国に不法移民としてやってきたのだ(Ⅰp57)。いくら食料自給率を上げるとか、休耕地の有効活用だとか、後継者不足の農業に若手をとか言ったって、日本で農業をやる限り大規模集約化には限界があり、空き菅や野田豚がTPPに参加とか愚かなことを言っている状況では、いくら地方でいゝアイデアがあったとしても、潰される。
合衆国はなんであんな無茶が通っているのか?なんてぼんやり考えていたのだが、やっぱり他国に強制的に要求を突きつけられる力があって、その源泉が世界の警察たる軍隊なのだ。だから学資ローンで大学志望の貧乏人を借金もぐれにして追い詰め軍に入隊するよう誘導したり、不法移民に対して国籍取得をちらつかせて軍に入隊するように誘導しているのは決して仕方がなくそうしているのではない。下層階級だけじゃなくて、中流階級も対象なのだ。高い民間の健康保険、個人年金なのも一役買っている。一般的な4人家族だと年間の医療保険が平均11500USD、ほゞ日本円にして100万だ。しかも民間は実際の保険料の払い込みも渋る。合衆国の医療費の高さは他のサイトのほうが詳しいので省略するが、大体日本に比べて二桁は多い。そのためちょっとした病気で家計が破産して、転落する家庭も少なくないようだ。
で、合衆国ってのはそうやって軍隊を強くして海外に要求を突きつけて得た利益ってのを国民に還元しているか?と言われゝば、違うだろう。関税障壁を取っ払って貿易相手国の産業を壊滅に追い込んでまで得た利益を、国民を食わすために使ってはいないのだ。そうでなければ下層民おろか、中流階級が追い詰められ、大学を卒業してもロクな仕事にありつけないという状況になってないだろう。やはり合衆国も下層民や中流階級は、特権階級が肥え太るための燃料として使い捨てにされているだけであり、日本と違って軍に追いやられて命までとられてしまうのだ。そして日本も合衆国と同じような状況になりつゝある。安倍そして橋下なんてモロ九条を目の敵にして海外侵略の出来る軍を持とうとしてるだろ。自分なんかは個人的には軍を持つべきだなんて思っているのだが、結局のところ安倍や橋下が気勢をあげているのをみてしまうと、いや、日本は決して軍を持つべきではないなと強く思ってしまう。あゝいう連中がいる限り、軍を持てば絶対日中戦争・太平洋戦争の二の舞になる。合衆国などの西洋強欲国家に太刀打ちするためには軍が必要だが、日本の特権階級の強欲さを見てしまうと軍は決して持ってはいけないと思ってしまう二律背反。しんどいよな。
で、日露戦争以降の日本の推移を見ると、今の合衆国のように特権階級が美味い汁を吸うために国民を軍に行かざるを得ないように追い詰めるって風にも思えないんだよな。たゞ、単に当時の政治屋や軍(軍人)・外交官僚が目先の利かない愚か者であったゞけであって。頭山満なんて右翼の大物が戦争に対して反対よりだったぐらいなわけだろ。でも安倍・橋下を見る限り、もう日本が貧しいから戦争で解決なんて無邪気には思えない。治世という意味での政治手腕は稚拙だが、やたら宣伝で他人を騙すのが得意で、なるべく国民の資産を横取りしながら最后には戦争で国民の命を消尽させ、そのために戦争の出来る国にしたいという悪意がひしひしと感じられる。さすがに政権を放り投げた安倍の信用は全くないだろうが、橋下は危ないわな。日本は合衆国のような強欲にも立ち向かわなければならないし、日本国内の「自分も合衆国の大富豪のようになりたい」という政官財の特権階級の強欲にも立ち向かわなければならない。そんな状況の中、どうして能天気に地域再生だけ考えていられようか?。