ガールズ&パンツァー 第7話

 アンツィオ戦一瞬。戦ってすらなかった。
 前回予想した通り冷泉麻子担当回。これまた絵に描いたようなフォーマットぶり。でもみほが祖母に頼りになるといっていたときの麻子の安心したような顔に和む。順番からいうと次は武部の家庭事情に突撃なんだが、次回かどうかはわかんないな。
 うーん、なんだろ?。秋山の「楽しかったらオッケー」ってのが、これまたこの手の作品だと使い古された言い回しなんだけど、なんでか今回はかなり胸に迫った。この作品を見始めたころは、軍国主義への抵抗をなくす意図がどっかに隠れているのかな?なんてどっかにそういう心配があったんだけど、この中盤にきて忘れていたってのはある。あるんだけど、生徒会の面々が学校取り潰しかなんかの負い目があって勝利至上主義に向いてはいるが、作品全体に流れるのは勝利しないと意味が無いって主張じゃないんだよね。今の世の中だと勝つか負けるか、勝負のはては勝者総取りの過酷な社会って方向性なんだが、敢えて社会に適合して負けないよう個人が頑張るべきって要素を排除しようとしているようにみえる。今回はあんこうチームの面々がそれぞれの特性を生かして全体に貢献する姿が描かれており、彼女たちがけっして能力の無い弱い存在ではないという個人の才能って部分はありながら、今の世の中のように実入りのよい利権を目指して全員がそれに群がろうとして争うってんじゃなく、それぞれの性格や才能に応じた配置があって、決して周囲の人間は競合しあうものではないんだよなんて構造が示されているんだよね。分業っていうわけでもないけど、そうやってそれぞれが適性に応じた配置につくことによって組織としてのパフォーマンスも上がるし、そこには抑圧は必要ないってのがみほの発揮したリーダーシップだ。そこにはみんなちがってみんないゝっていうお花畑的なものでもないし、オンリーワンを目指せっていう欺瞞的なものでもない。まぁ秋山はヲマエ、おたくだから戦車のことはなんでも楽しいんだろ…ってツッコみはあるにせよ、興味があるものも無いものも、みほのように傷を負ったものも取り組んでみたら結構リラックスしてうまくいくんじゃね?。といった肩肘張らなくても生きていける暖かい社会が活写されているように思うんだよね。
 まぁ今日なんか、帰宅途中やっぱガルパンも典型的な萌えアニメで、ちょっといゝ話の集合体でしかなく、あんま中身は無いよね…なんて思いながら家路を急いでいたわけなんだが、この折り返し地点でなんかじわじわ来始めてますよ。いや、ホンッとにたゞの萌えアニメとはほんのちょっとしか違わないんだけど、でもそのわずかな差が格を示しちゃってるというか。いやだって、副会長の小山が華道をやりたいといってんだぜ?。勘違い管理職がプラス思考を押し付けてやたら掛け声を無理強いしたりしないんだぜ?。桃がオールドミスっぽいからって、決してお局様になってないんだぜ?。おそらく業務に精通しているのはみほで、知識として頼りになるのはおそらく秋山ぐらいで、あとは全員素人集団なんだわさ。物語が終わっちゃうから大洗に勝たせ続けているけど、おそらく彼女たちは勝ち進まなくてもこういう明るい組織のまゝでいてもおかしくない。そうそう、これこそがお花畑なんだろうけど、理想の職場ってのが描かれているんだよね。そりゃ見てゝ泣くわ。
 っつーか、船内で方位磁針が使えるはずもないだろうに。