ちょっとあまりネタが無い。結局地域興しというのは在住民の意識と地域の経済的自立という重大問題を解決せねばならず、意識のほうが高まっても経済的自立が伴わなければ空回りするだけであり、経済的自立というのは、金融資本主義のグローバリズム化の進展により、地方がどうこうできる問題ではなくなっている…というか、今の貨幣経済のまゝだと、うまくやったとしても基本寄生することにしかならないという側面が大きくて、いくら考えても机上の空論にしかなり得ないような気はする。本気で地域経済を立ち上げようとしたら、それは井上ひさしの「吉里吉里人」な展開にならざるを得ないのかねぇとも思ってしまう。
それはそうと、今までhitotoseのほうを第1話から見直していた。自分が思っていたより結構作りこんであるようで、上述の第5話感想の通り、一度目は距離感があったけれども、こうやって見直してみると、その距離感がウソのように消えてしまっていた。
で、遅まきながら気がついてしまったのだが、主要キャラはそれぞれ五感(触覚はかなり微妙なので除いているらしい)を代表しているらしい。カメラで写真家志望のぽっては視覚担当、調香師志望のかおちゃんは嗅覚担当、パティシエ志望のゝりえは味覚担当、口笛師志望の麻音は聴覚担当だろう。っつーか、こうやって整理してみると麻音の口笛師は苦労したんだなと苦笑してしまう。かといって彼女をバンド志望にしてしまうと、某ひらがな四文字アニメになっちまうし、器楽声楽志望にしてしまうと4人でダラダラしてる場合じゃないだろということになってしまうワナ。
で、このなりたい職業ってのを羅列してみると、どいつもこいつも第3次産業でしかなくて、前回の麻音の両親や、たぶんこの4人の主要キャラの親達もそうなんだろうけど、どいつもこいつも物分りが良すぎて、本当にこれでいゝのか不安になる。一次産品は海外からの輸入に頼り、二次産品は今日本では滅びの道を転げ落ちてる最中だろ。本当にそうなるのかどうかはわかんないが、先進国では既に設計過程しかやらなくて、工場は賃金の安い国に建てゝ生産は全部そこでやるという形が未来予想図、いやもうすでにそうなっているらしい。かといって工場立地をした国での賃金水準が上がればまた生産は国内回帰という動きも起こっているらしくて、なんとも判断のつかないところだが、先進国でのこういった、頭脳労働主導&実態生産は海外に外注って形が果たして地域経済…というより日本全体…の建て直しになるのか?という疑問が自分にはあって、それは多分にこの前も言及したバカをあやつれ!に見られるように、日本人の総消費者化&ゆとり教育による頭脳労働の基礎をなす知識の浅薄さを懸念してのことなのだが、なんともこの4人の志望が砂上の楼閣なんじゃないかと思えて仕方が無いのだ。いや、もちろんじゃぁ彼女達を農業志望だとかモノづくり志望にしたところで、それは最も今の日本では世界を伍する産業としてはいかにもリアリティが無い分野ではあるし。