ネコぱら#9

 子供向けきぐるみショーのあたりまで、もしかしてネコたち、外国人技能実習制度の労働者としての役割も持たせられているのかなと、ふと思っていたのだがどうも違っていたみたい。というか、やっぱり近代的自我か~という。水無月家の中で一番のしっかり者であるメイプルにその役割を最初に持たせようとしてるのはまぁ納得。ギターぐらい買ってやるという嘉祥の申し出に、それだと意味ないからと拒絶するのも、単なるワナビーなんじゃなくて、自立そのものも考えているんですよということだから、案外しっかりしてる。問題はこの物語世界がネコたちの自立を許しているのか?ということで、今までネコが自立して働いているところを描写してないから自分はそういうのは許されてないんだろうなと思っていたけど、しっかりもののメイプルが屈託なしに歌手になりたいといってるあたり、描写されてないだけで実際にはいろんなネコがあちこちで働いているのかも。
 今回はメイプルだけでなくシナモンとのセットでの担当回だったわけだが、シナモンとの友情も、ネコの自立に関してなにか絡めてるんかな?と考えを巡らせては見たんだけど、今の所個人的には単なる友情エピソード以上のものは感じられなかった。今後の展開次第ではあるんだが、アズキやシナモン、ショコラあたりはあんまり自立したがらないような気はするが、そのへんどうまとめるか。ED映像見る限り、アルバムの中にカカオがいるってことは、今やってる物語自体も含めて全部時雨の思い出「ネコたちとのあの輝かしい日々」ってことだと思うんで、物語を俯瞰しているメタ視点では、もうすでにネコたちは大人になっていて時雨の手を離れている可能性も考えられる。そうなると最終回あたりではショコラたちのその後という形で、水無月家を離れて自立しているネコたちをエピローグとして示すかもしれないが、まぁアニメ版でシリーズを終わらせることもないだろうからそのへんは未知数ってことで。
 カカオがすっかり水無月家の一員になって、自分の欲求を示し始めてるところなんかも成長を描いていて、やっぱ結構丁寧に作られてるなといったところ。今回止め絵が多かったんだけど、動画にこだわるあまり枚数稼いで作画が崩れるよりも、丁寧な一枚絵を示して時間稼ぎするというのも、キャラ作品としては正解だと思う。