どっかのサイトで、日本の再分配機構は貧乏人からカネを巻き上げてカネ持ちに配るというものを指摘した本ということで読んでみた。えーっと、いちおうリンク?。脱貧困の経済学-日本はまだ変えられるだ。感想の結論は、やはりその再分配機構のところしか読むべきところがなかった。
この人の処方箋って、結局のところ毎年必ず経済成長を2〜3%すれば良いとだけしか言ってなくて、じゃぁそのための経済的な日本のグランドデザインをどうするか?って部分がない。消費税についても別に反対しているワケでもなさそうだし、本当にこの人は脱貧困をめざしているのか疑問に思うという余韻があった。
本来なら読書感想なんてエントリーではなくって、別にお題をぶち上げて書くべきなんだが、自分の中では本当に経済成長が必要なのか?という疑問がずっとあって、それを書くべきだと思っていたのだ。別に経済成長そのものを否定するわけでもないんだが、そういう余裕がもう今の日本、もしくはしばらくすると全世界でなくなっちゃうんだろうなという予感が常にある。もちろん自分が中高生の頃にもエネルギー枯渇問題や南北格差問題があったのだが、最近はむしろそういうことを誰も言わなくなったのに、前よりも切実な問題になっているんじゃないか?ということがある。当時ですら、発展途上国(凄く失礼な言い方ではあるのだが、じゃぁ世界中の…と言い換えても良い)の人が豊かになりたいと思うのを誰も止めることは出来ないって言い方があった。が、自分が中高生の頃は世界人口が46億人と言われていたのが、今や70億なんだよな。50年も経たないのに、当時の半分の人工分だけ増えたのだ。で、ある程度緩和されたといえども、やはり貧富のバランスは当時と変わっていないように思える。つまり、貧富の格差は解消なんてしなかったわけだ。で、資源だけは以前より消費するようになっている。
で、インドなんかはそれは極端な人口増加を果たしているわけなんだが、彼らが確かに経済発展をしたからといって、それが増加した人口を維持するだけのものだったのか?と言われゝば、やっぱ違うんでネェの?と思ってしまう。じゃないと、欧米だけではなく、今や日本ですらIT労働者として海外に出稼ぎに出たりはしないだろう。やっぱヤツらも国内では食えないワケだ。もちろん先進諸国も人の事はいえない。身に余るほどの贅沢がやめられなくて資源を無駄遣いしている構造は全く変わらない。
で、結論を急ぐと、確かに急激な人口増加、人口に見合うだけの経済を自前で維持できないという状態が続くと、それに耐え切れなくなったところから破綻が起こる、つまり自然に人口が減るってことはあるんだけど、やっぱ全世界的な資源の枯渇というか分捕り合い、それに伴う劇的な混乱状態が起こらざるを得ないと判断してしまう。好意的に見て地球の環境が生み出すモノとそれによって生きていくことの出来る人間の数が等しくなるという時が来たとして、じゃぁその状態で異常気象が起こりでもしたら途端に人間がバタバタと喰えなくなって死んでしまうという過酷な状態になるのだ。超均衡状態と言ったらよいか。いや、繰り返しになるが、所詮今の世界は化石燃料のおかげで本来それ無しで養っていける以上の余剰人口を抱えているだけなんで、化石燃料が無くなれば自然と適正人口に収まるよってのは分かる話ではあるんだが。が、結局人間の欲というか、資本主義というバケモノが必死で抵抗すると思うんだよね。その抵抗の結果、人類全体がなんとかカツカツにでも暮らしていけるのならともかく、もたらされるものは豊かな者が貧しい者を痛めつけるという内ゲバ状態でしかないからな。
あまりエントリーを長くしたくないのでできるだけ〆に入っておきたいのだが、今化石燃料の枯渇を心配している段階はとっくに過ぎてしまっていて、そもそも人口を全世界的に抑制しなくちゃならない段階にきていると思うんだよ。日本で言えば、少子化対策ってのは論外、それ以前に高齢化社会になってしまっていて老人が若者から搾取する構造になっていることなんてもっと論外なのだ。
【日本ヤバイ】13年後には65歳以上の人口割合が5割に到達 この国は一体いつになったら少子化対策するんだ? : 暇人\(^o^)/速報 - ライブドアブログ 魚拓
この中で日本の適正人口は8000万だとか言ってるコメがあるけど、個人的には以前から言ってる通り3000万、多くて5000万だと思うが、それは置いておくとして、もう世界的に人口を抑制する段階なんだと思う。移民ってのは基本自分の国で喰えないから脱出するわけであって、本来なら相手国に失礼な行いでしかない。自由貿易が全体を豊かにするという言説が今ネットでも蔓延っていて呆れるしかないのだが、移民で外に国民が逃げるような国はやはり国のあり方を変えて外に逃げていかないようになるべきだし、もちろん移民を受け入れなくてはやっていけないような情けない国は、受け入れなくても自分ところだけでなんとかやっていくよう国のあり方を変えるべきなんだよ。それをせずに情報の非対称性を無理矢理作り出し、いゝトコ取りをして私腹を肥やす構造を欧米諸国というより、今や全世界の政財界がやってること自体がちゃんちゃらおかしいわけだが、事実上彼らの飽くなき欲望を止める手段は全く無いという状態ではある。
もう一度考えてもらいたい。ホント地球が人類を喰わすカツカツの状態に陥った時、経済成長なんてありえないからな。成長余地がないと成長なんてしない事は自明なのに、その余地をどっかゝら分捕ってくるってことを良く考えつくよなと思うがね。そういう過ちを人類…というより先進諸国はずっとしてきたんじゃないのか?。確かに一時的にそれでしのげるだろうし、まだ世界はそういう段階ではないけどね。でもそれが可能だとしてずっとそれを続けていたら真綿で首をしめるみたいに確実に破綻に近づくだけだと思うがな。