やっぱ日本の将来像についてのコンセプトが誰にも描けてないのが凋落の原因かと。

 最近社会問題についてエントリーすることも少なくなって、それでも社会というか、政治への不満は日常イライラするほどある。財務大臣がまた為替決算期に合わせてか、為替介入を行ったし、もうこいつらホント財界の狗だなとしか思えない。そんなカネがあるなら増税前提の震災復興なんてどーするの?って感じだ。で、また福島では原発処理が進んでいない模様。思えば福島産の農産物は放射性物質まみれってのが災害当時言われていて、いやそれは間違いだ、風評被害だなんていってたんだけど、こうやって被害が食い止められないでいるのを半年以上見続けているとあの発言自体がトンデモだったことに愕然とせざるを得ない。TPPも日本の農産物だけじゃなくて医療・年金も合衆国に喰い物にされるって構図が明らかになってきたし、もう政党政治ってものは限界というより害悪なんだなと思わざるを得ない反面、じゃぁ政治屋が孤立して国政を論じるにしたって、結局は財界に賄賂攻撃による個別撃破が容易になるだけなんだろうなと思うと将来は真っ暗ってとこだろう。
 で、切り口は円高対策からなんだが、結局のところ輸出企業の我儘だ。輸出をすればするほど、当然日本製品の輸入国は日本円で決済をする限り円を買わねばならないわけで、それは即ち円高要因であるワケだ。その輸出企業が円高対策をしろっていうわけだから始末におえない。おまえが輸出なんてしなくなれば円高にはならないだろってなもんだ。しかし、日本はまだ加工貿易がかろうじて成り立っている国であって、そういう企業が利潤を上げられないと困る話ではあるのだ。が、その利潤も輸出企業が国内のためにカネを使うって前提のもとで成り立つ。つまり税金を払うなり、利益を国内に還元するとかしないとタヾの守銭奴でしかない。が、この為替介入で国にカネを払わせるだとか、消費税還付だとか、下請けイジメとか、国内雇用の切り捨て、外国人労働者の雇い入れ、ポイ捨て、その挙句の自治体への負担転嫁など、今の輸出企業がやっていることってのはむしろ国を喰い物にすることばかりだ。日本国内に輸出企業帝国ってのを作って、その内はウハウハパラダイスだが、その外には不条理ばかり押し付ける構造になっている。No.6ってのはそういうのを描いていると言えなくもない。
 TPPにしたって、合衆国が日本を喰い物にするのも、アチラの視点ではあたりまえのことだ。日本が合衆国から輸入するのは一次産品であって、日本が合衆国に輸出するのは二次産品が多いわけだろ。そりゃ商品が付加価値によって価格が決められるって構造だとすれば、単価の安い一次産品を売り、高い二次産品を買っている合衆国にしてみりゃ貿易赤字になるのはあたりまえであって、そりゃ実体のないものを何らかの理屈をつけて売りさばく三次産品を日本に押し売りしてカネを取り替えそうとするのはアチラの理屈としては成り立つ。そりゃ「オイ、日本よ、お前は高いものばかり売りつけて安いものしか買わない、じゃぁこっちは何の益体もないものを売りつけるぞ」っていうわけだ。米韓FTAで、合衆国が「オマエが売った分だけウチから買え」ってのは、貿易均衡って観点からすると正しい主張ではあるのだ。そりゃ韓国からしてみりゃ合衆国から買いたいモノがなにもないのに買わされるってのは地獄でしかないワケだが、理屈としては正しい。合衆国は合衆国の濃く益に沿った行動をしているだけで、だからといって日本が喰い物にされていゝわけでも無いんだが、筋は通っている。
 ダメなのは…というかクズなのは日本の政官財界であって、財界は利権の内側だけ潤えば、外側がどれだけ苦しもうとのたれ死のうとまったく関せず…というか、利権のためにぜひ燃料になって下さいって態度だろ。日本人が死に絶えたって利権構造を動かす駒が海外から安く手に入るんなら進んで日本人を苦しめるってのが財界で、その財界の便宜を図るように法律を作るのが官僚、決めるのが政治屋だ。
 1990年代末、中国旅行をした時に上海では「科学技術を発展させて国を強くしよう」なんてスローガンが町じゅうに貼られていたし、シンガポールでは全員の子供に過保護とも思われるハイレヴェルの教育を施していた。インドでは大学教育を充実させそれこそ競争によってIT技術者が生み出されていた。が、反面日本はゆとり教育だろ。大学は独立行政法人化して予算は切り詰め、その結果世界中での大学ランキングも落ちたわけだしな。自分が大学生の頃は中国からの留学生がたくさん来ていたが、いまや日本を素通りして合衆国に留学していくわけだろ。ホント日本の政官財界ってのは日本を喰い潰して国力を疲弊させることばかりしかやってない。
 もちろん合衆国からの理不尽な要求は突っぱねるしかないワケだが、それ以前に日本の政官財界をなんとかするのが先決だろう。日本ではキチガイが総理大臣に居座るワケだから、日本中の組織にキチガイが居座るという構造になってしまっている。そりゃまともな経営者もいるんだろうが、自分の勤務経験からすると、他の支所長にそういうのが居たとかいうのは聞くが、実際に上司としてまともなのに当たったことが無い。他の社員の経験を聞いたりしても少ないようで、なんか10分の1もいないんじゃないかというのが自分の実感だ。自分の職場だと上司の出世に現場の評価とかってのは一切働かないので、いくら努力したところでキチガイが管理職になるのを止められないんだが、代議士の選挙はそうじゃないだろ。それでもまぁ利権構造でなんともしようがないわけではあるんだが。ウチの自治体なんて投票率が40%で、大体自民盗系の立候補者が70%ぐらい得票して当選するんだが、田中角栄がいみじくも言った、有権者の4分の1を押さえときゃ勝てるってのをしみじみと思い知らされる。その4分の1に4分の3が負けるんだよな。というか、その4分の3の大部分は自分で自分を苦しめていることに気づかないんだよ。4分の3のなかの良識のある層は自分たちの力ではどうしようもない現実に打ちひしがれるってワケだ。
 で、日本のあり方ってのは、別に自分の主張としては目新しくも何ともないんだが次に続く。