Steins;Gate 第10話

 随分お優しいマッドサイエンティストだこと。
 このまゝ秋葉原はオタクの街としてゞなく、電器街として話は続いていくのか?。いやはや二度見して気付いたのだが、鈴羽を助けるという選択は、その前にあったまゆしーや紅莉栖との間に立ったフラグを無かったことにするんだな。おかりんがあまりにそのフラグに無頓着なものだから、初見では気付かなかったよ。これって元はゲームだろ。となればプレーヤーはまゆりルートと紅莉栖ルートのどっちにしようかとほくそえんでいる時に、進展するかどうかもわからない鈴羽ルートとの選択に迷うワケだ。しかし、こゝでまゆり・紅莉栖ルートを選んじゃうと鈴羽は救えなくて、鈴羽ルートを選んじゃうと今のところ誰も泣かずに済むワケだ。そりゃこういう選択をおかりんがするからこそ救世主になってくれだとか言われるんだろうが。
 今回はっきりわかったのは、おかりんは改変後の出来事の記憶が無いらしいな。なんかそれっておかしくね?。明らかにおかりんに連続性がなくなっちゃうわけなんだが。最后鈴羽に残念会の様子を聞くおかりんと、残念会に居たおかりんは別人物になっちゃわなくね?。もしかしてそのへんの齟齬も物語中で語られたりするんだろうか?。
 なんかこれだけドンドン改変出来ちゃうと、五分前宇宙論を連想してしまう。むしろ五分前宇宙論より御都合主義というか酷くね?。おかりんに改変前の記憶が無ければモロ五分前宇宙論と変わらないワケだが、この設定だとおかりんは過去および過去の改変でもたらされる現在の状況を思い通りにすることまではできないが、改変できるという時点で神に近い存在だよな。
 で、あくまで観測者おかりんの周囲の状況しか変わっていないという。秋葉原がオタクの街で無くなったという事態の大きさからすると、大変な力だと思わされてしまうワケだが、実はその大きさとは裏腹に、単におかりん周辺の人間関係を修飾するものでしかない。ずっと言い続けている通り、所詮ターゲット層に「今のまゝでいけないと思うのならスグ自分の行動を変えなさい」という主張だからこそ観測者中心の世界観になってしまうってのは当然といえば当然。過去が変わって世界が改変されるという大袈裟さからSFチックなものを感じてしまうが、要するに世界が変わるというより観測者の見方によって世界はいろんな姿に変化するってのを逆説的に表現しているだけなのかもという気がしてならない。まぁまさにADVゲーム的ではある。