で、日本のありうべき姿って一例だが。

 結局貿易に頼りすぎって状態ってのはあまり良くないんじゃないかってことだ。別に鎖国をしろってわけでもないんだが、江戸時代ってのは戦略物資としての貿易をしなくても何とかなってたワケだし、国内での鉱物・エネルギー資源問題を解決できれば大方の見通しはつく。では江戸時代が理想なのか?と言われゝば、やはりなんで明治へのドライヴはなされたのか?、それは外国の脅威があってのことだろってのは考えねばならない。今だってそうだが、基本日本は合衆国にとって中国に対する防波堤として考えており、どうしても海外の干渉を免れない。合衆国には喰い物前提の見方をされているし、じゃぁ中国と友好関係を結べるか?と言われゝば、それも微妙だ。日清戦争も対等に近い関係だったし、辛亥革命ぐらいまでは孫文が日本に亡命したりしてそれなりのつながりはあったろうが、いかんせん韓国併合以降の満洲事変を皮切りとした中国侵攻がマズかった。あれで日本は西欧の帝国主義に乗っ取って、中国とは友好関係でなく喰い物として考えたって路線が示されてしまった。最低当時軍閥が占拠していたのをなんとか緩衝国に仕立て上げた満洲帝国建国までだったのが、その後の中国侵略で完全に信頼を失ったといえよう。敗戦後も責任を取るべき天皇がのうのうと居座ることで、日本に反省が無いというのが示されてしまったし、現に中国は日本を友好国とは見なしてないだろ。これをなんとかするためには、皇族を皆殺しにして、開戦当時の責任者も一族根絶やしにすることが必要だが、そんなことが今の日本で可能なはずもない。まぁそれはともかく、昭和初期の日本のクズどものおかげで、日本を信頼してくれる外国は居なくなったと見てよい。
 ということは、日本が解決しなくてはならない課題としては、資源・エネルギー問題と国防問題の2つに絞られる。こういう状況としてお手本となる国があって、それはスイスなのだが、どうしたもんかねぇ。別にスイスは国防が秀でているってわけでもないんだが、資源・エネルギー問題にしたって自活できているわけでもなく、かといって困っているってわけでもない。あそこは金融で成り立っており、それこそ優れた外交手腕があってうまくたちまわっているわけなんだが、その外交手腕が日本にあるかといえば、それは全く無いといえよう。だから状態としてスイスはお手本となるのだが、スイスが行っている方法を日本が使えるかと言えば、全く使えないし、使う能力も全く無い。
 で、資源・エネルギー問題なんだが、やはりこれはリサイクル・備蓄・天然エネルギーの活用・効率重視などが挙げられる。こういう提示の仕方をするとわかりにくいが、極論すると「貿易に頼るのは最小限にしろ」ってことになる。もちろん食料も自給率フルなのは前提だ。いつも言っているように人口抑制も必要だろう。最近世界人口70億を突破と言っていたが、人口が爆発的に増えている国はどうするんだろうな?。本当なら人口抑制が出来ない無責任な国に対しても干渉すべきではあるんだが、干渉自体あまりやっていゝことでもないしな。でも無制限に人口を増やした国って、その増えた国民を食わせられなくって他国に押し付けるってことになったら困るしなで、そのへん紛争にならないわけでもなかろうから国防あたりも絡むだろう。人口抑制といえばなんか管理国家のいや〜ぁなところが現れてきそうで怖いんだが、資源・エネルギー問題と人口問題とは切り離しができないことなんで、バランスは考慮に入れないとダメだろう。
 鉱物由来の資源はやはり輸入に頼らないとダメだろうが、エネルギー問題についてはいくらでも開発の余地があるだろう。太陽電池パネルが将来も使いモノになるかどうかはわかんないが、10年単位でのスパンならある程度電力供給の選択肢として残り続けるだろう。石油に似た液体燃料を生産するのにある種の藻類がって話もあるから、検討の余地もあるだろう。あと、それに関連もするのだろうが、多分物質としてのエネルギー資源の生産は今のところ何といっても光合成の効率が一番良いので、陸生植物を利用してのエネルギー資源の確保も研究の余地がある。もちろん光合成以上の効率を持つエネルギー生産の手法も考えられるだろう。何百年先の事かもしれないが。で、当面のやる事は、そういった画期的なエネルギー資源の確保には時間がかゝるので、低エネルギー消費をめざすとか効率重視で、なるべくエネルギー消費を抑える方法にまづ取り組むべきだと思う。そう考えると、鳩山の言ってた25%のエネルギー消費の低減うんたらってのは的を得ている提案だったわけで、なんとも惜しい限りである。正直あのときエネルギー転換へと産業界は舵を切るべきだったのだ。化石燃料に極力頼らない、かといって原子力にしたって燃料は輸入だから採用は論外だったのだ。だが、石油利権を握っている合衆国の戦略に飲み込まれてしまったのか、化石燃料消費の低減に産業界はNoを突きつけたのだ。これは日本にとって一番してはいけない選択だったのだ。合衆国の石油戦略に従う限り、エネルギーにかんしては合衆国の言いなりになるしかない。まぁどっちにしたって、エネルギー構造を変換させ、それに伴って産業も構造を変化させるべきだったのだ。エネルギー資源を輸入しなくてよいということになったら、その国際価格に日本が振り回されることもない。エネルギー開発に人もコストも配分しなければならず、軌道に乗ればエネルギー生産に人を配分すべきだろう。その過程で自動化もされるだろうが、当面は開発から実用化、そして低コスト化に向けて雇用も生み出されるし、国内のエネルギー生産に関して言えば為替を気にする必要も国際価格を気にする必要もない。開発に成功すれば石油価格も暴落するわけであり、その分いろいろメリットも生じるだろう。
 鉱物資源に関しても、もう必要な分だけ輸入し、あとはその購入代金としてカネが要るんなら輸出企業に頑張ってもらえば良いことだ。が、もう中国・インドで低コストの自動車が開発されていることを考えると、20年後・30年後にトヨタ・ホンダなどの日本企業が生き残っている可能性は低いんじゃないかと思っている。で、鉱物資源のリサイクルも、例えば合金にすると高機能化できるかもしれないが、リサイクルは難しいとなると、少々の性能低下には目をつぶって混合率を抑えるとか、分離方法の開発だとかゞ考えられるだろう。が、それにはエネルギー消費を伴うのでなんとも考えどころではある。バランス問題にはなってくるだろう。また、鉱物資源にたよるのではなく、今となったら高機能プラスチックが代替品になったりしてるので、そういう方向性も考えるべきだろう。プラスチックも今は石油が原料だが、化石燃料に頼るのではなく、植物にプラスチック原料を作らせるとか、まぁ原始的な方法としては木炭を利用することも可能だ。石炭から水性ガスを作って人工石油を作ることだって第二次大戦の頃からやってたワケだから、別に植物から高機能プラスチックを作ることが不可能ってわけでもない。別にそれが最適なんだったら木材をそのまゝ利用したっていいワケだし、どのように利用し、どのように効率化を進めるのかは状況によって使い分ければいゝだけの話だ。
 まぁ別にこう考えてきて、やはり貿易に頼らなくてもやっていけるように構造を変える事は可能だ。但しコストの面があって、やるにしたって徐々にしかできないだろうし、かといって積み上げていかなくては実現だってゞきないだろう。とにかくこのまゝでは徐々に技術開発力の落ちている日本では喰い物にされて終わりになってしまうわけで、そうなりたくないんだったらそういう方向を目指せってことなんだよな。最大の障害ってのは上記でも言った通り、政官財界にそういった見通しを持ったのが多分一人もいないって事だろう。やる事はないわけではないのだ。技術的問題にしたって解決できないわけでもないのだが、結局そのための道筋作りを誰がやるのか?ってことに尽きるのだ。やる方法はある。そしてそのために人材をどう配分するのか、どういった社会構造にしていくのか、といったシステムデザインもやろうと思えばできることだ。もちろん石油利権を初めとした国際資本、主に合衆国がそれを許さないって妨害もあるだろう。また国防の問題もあってなかなか思うようには進まないとは思う。が、今まで蓄積してきた日本の資産・技術力を使い捨てにして日本を破綻させている政官財のあり方は全くおかしい。少なくともこれだけ格差問題が深刻化し、雇用が悪化するってのはなんとかできる…というか、結構簡単に解決が可能だ。少なくとも日本が破壊的に能力のない外交よりはなんとかできる問題なのだ。
 国防がまた難しい。なんといっても今日本に駐留している合衆国の占領軍が居なくなることが前提だし、彼らがいなくなっても日本で国防は何とかしなくてはならない。そしていまや軍事はハイテクが前提であり、技術力の向上・維持もしなくてはならないし、そのために使う資源やエネルギーや人材も莫大になる。が、日本は昭和初期のクズのおかげで外国の信頼を無くしているわけで、スイスのようにはなれない。やはりある程度強力な軍事力は維持しておかなくてはならず、そして何より運営側の能力が必要とされる。田母神のようなキチガイがトップになれるような今の自衛隊では昭和初期の再現にしかならんだろう。外国からの信頼だけじゃなくて、そもそも国民からの信頼もない。そんな中で、強力な軍事力を日本が維持するのはとても危険であり、そこだけは最大の課題になるだろう。また軍事技術の開発は現在航空機の生産が制限されているように当時の連合国から制限されていることもあり、これも難しいだろう。やはり昭和初期のキチガイどものおかげで子孫が苦しむことになっている。まぁ国防はとにかく負の遺産が大きすぎるだけに課題が山積しているが、それさえクリアーすればあとは経済力の問題に収斂するので、その経済とのバランスだけに限って言えばかなり簡単な問題になる。
 というわけで、なんつーか、やるべき方法はいくらでもあるだろ、別にTPPに参加するために国民を政府が騙したりして売国しなくても…ってトコだろ。上記だって自分の考えた稚拙な一つの提案に過ぎないんであって、他にもいろいろな案は考えられるだろ。国家戦略局って今なにやってンだろって感じだ。まぁ空き菅が居たってだけで、カネをドブに捨てるだけの無駄飯喰らいってのが証明されているようなモンだろうが。