夢喰いメリー 第2話

 あの消化ぐあいだと、拾われる前はどうやって飯を調達してたんだろう?。
 大分見通しが良くなったなぁ。夢魔という存在は、どうやら個人の夢に出てくるらしい。セリオの例でいうと、どうも彼は看護婦志望のユミの別人格、即ちなりたかったもう一人の自分か、もしくは欲しかった助っ人のようであり、まるっきりの他人ではないっぽい。
 で、橘親娘がまた泣かせるんだが、顔の傷からすると橘父は苦労人らしく、メリーの状況をどうやら概略的に把握しており、それでもって娘を使ってメリーの居場所の提供を申し出ている。橘娘も父の苦労を知っていてそれであぁのか、知らずしてそうなのかはわかんないが、これまた弱者に対する共感能力が高そうである。夢路も橘親娘に世話になったことがあるっぽいが、この娘メリーを介抱するのに手慣れているんだよね。
 で、メリーがこれまたよくわかんないというか、いや、実は彼女は所属すべきコミュニティが現在なくて、それで一人で何とかしようとしているわけなんだが、これ、今となっては社員を平気で切り捨てる企業で孤立しているサラリーマンのメタファーなんだろうなという気がしてならない。彼女が服や帽子にこだわっているのは、制服というのがある意味所属を示すことの多い日本社会では、過去彼女がなんらかのコミュニティに所属していた可能性をほのめかしているのかな?と思わなくもないのだ。それが組織というハッキリしたものか、それとも彼女がアイデンティティを確立するのに影響を受けた血縁もしくは友人関係のようなものだったのかもしれない。で、彼女が自身が何物なのか知らないということは、彼女の存在理由なりアイデンティティが喪失している状態であり、「かつて持っていた自分の存立基盤が現在のところ失われている」ということが想像される。単なる記憶喪失ってのではなくって、その事実から目を背けたくなるほど酷い経験を過去しているのかもしんないな。いや、自覚していて他人には秘匿しているってだけなのかもしれないが。
 というわけで、夢路がなんとも狂言回し的な役割っぽいな。助けたいけどその能力があるかどうかもわからない、ついていくってことはメリーの観察もしくは紹介役ってなわけで、次回から始まると思われるテストケースではまさに観察者として視聴者をいざなう役割を果たしそう。で、夢魔を狩っている何者かがいるっぽいというところで、ヒキ。
 っつーわけで、上記見立てが正しいかどうかはわかんないが、そういう予想ができたってことで、今後が結構楽しみになっている。まぁ人助けってのは問題が助けられるべき本人にある場合もあり、本人を取り巻く環境にある場合もありで、後者だったら大抵は解決法が限られてもいる。まぁ問題解決の事例を通じて夢路とメリーの人間関係構築ってところだから、その間に世界観だの世の中の不条理だとかが観察できそうである。もうちょっと時間がかゝるかと思ったが第2話にしてすんなり物語に入ることができたような気がする。あと、何気にBGMがいゝねぇ。あんまり脇役に徹しているとはいゝ難いが、逆にBGMとテキスト(と動画)でうまく世界観を構築していると思う。